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蹂躙・残党狩部隊本隊編・救出

15000PVアクセス及び3500ユニークアクセス突破出来ました、今後も宜しくお願いします。

残酷な描写がありますので閲覧は自己責任でお願い致します。


残党狩部隊本隊・陣営・牢屋


突然の魔導結界の展開とそれに連動する形で始まったフォレンストドラゴンの襲撃、出現したフォレンストドラゴンは司令部の上空でゆったりと羽ばたいて浮遊しながら陣営の其処彼処をブレスで攻撃し続け、牢屋の女エルフ達と狐人族の女達は呆気に取られた表情で業火に包まれかけている陣営の惨状を見詰めていた。

「……ま、まさか、この魔導結界、わ、私達をフォレンストドラゴンの攻撃から護る為に、展開されているのか?」

ミランダは戸惑いと驚愕が入り雑じった表情で牢屋を覆う魔導結界を見ながら呟き、それを耳にしたアイリーンは唖然とした表情を浮かべながら口を開いた。

「……だとしたら、この一連の騒ぎは全て統制された行動だと言うのでしょうか」

「……アイリーン様、此方に向けてロジナの連中が近付いています」

アイリーンが唖然とした表情で呟いていると外の様子を窺っていたクラリスが厳しい表情で報告を行い、それを受けたアイリーンとミランダがクラリスの示す方向に視線を向けると20名程の残党狩部隊の兵士達が結界に覆われた牢屋目掛けて駆け寄ってくる姿が確認された。


牢屋周辺・アイリス&ミリアリア


フォレンストドラゴンのブレスから逃れる為に魔導結界に覆われた牢屋周辺に駆け寄って来た20名程の残党狩部隊の将兵は安全地帯である魔導結界の中に入る為に結界に体当たりしたり、手にした剣や槍を叩き付ける等して抉じ開け様とし始め、牢屋周辺に到着したミリアリアは物影からその様子を眺めて顔をしかめながらアイリスに声をかけた。

「どうする?」

「平気よ、即席の結界だけどあれ位じゃヒビすら入らないわ、貴女は問題なく結界を通過出来るから連中に構わず牢屋に行ってお仲間さん達を救出して、あたしは連中を蹴散らしておくわ」

ミリアリアの問いかけを受けたアイリスがそう言いいながら右手を掲げるとその手に黒い焔が生じ、アイリスがその焔を掴むと焔はアイリスの身長程もある長さの柄と滑らかな光沢を放つ長く湾曲した刃が印象的な大鎌へと変化し、アイリスは慣れた手つきで構えながらミリアリアに声をかけた。

「さあ、パーティーの始まりよ、貴女はお仲間さん達の所に急いで」

「……分かった、私の背中、貴女に預ける、頼んだぞっ!!」

アイリスの言葉を受けたミリアリアはそう言いながら魔導結界に覆われた牢屋に向けて駆け出し、アイリスはせの背中を愛しげに一瞥した後に凄絶な笑みを浮かべて結界周辺でもがく残党狩部隊の将兵目掛けて駆け出した。

駆け出したアイリスは瞬く間に将兵達と間の距離を詰め、指揮官は異様な雰囲気に振り返ろうとしたがアイリスは容赦無くその背中に大鎌を振るった。

振るわれた大鎌の刃は熱した刃がバターを切り裂く様に容易く軍装を纏う指揮官の上体を斜めに両断し、両断された指揮官が驚愕の面持ちを浮かべたまま崩れ落ちて地面に血溜まりを作った。

異様な雰囲気に気付いた残党狩部隊の兵士達が背後を振り返るとそこには血溜まりに濡れる二つに両断された指揮官の骸と大鎌を手に佇むアイリスの姿が視界に飛び込み、異様な光景を目にした彼等が呆然とした表情を浮かべているとアイリスは冷たい微笑みと共に口を開いた。

「……そんな所よりも良い逃げ場所があるわよ」

アイリスはそう言いながら手近な所にいた兵士に向けて大鎌を振るい、袈裟斬りにされた兵士の骸が崩れ落ちるのには目もくれずに言葉を続けた。

「冥界に逃げれば追われないわよ、あたしが案内してあげるわ」

アイリスはそう言うと冷たく微笑わらい、それを目にした兵士達の何人かが背筋に走る悪寒に突き動かされてアイリスに向けて槍を繰り出した。

繰り出された槍は佇むアイリスの魅惑的な肢体を貫いたかに見えたが次の瞬間には繰り出された槍の穂先同士が金属音を立てながら重なり合い、槍を繰り出した兵士達が怪訝そうな面持ちを浮かべていると重なりあった槍の穂先の上にアイリスが静かに降り立った。

「……サヨウナラ」

アイリスが冷たく言い放ちながら大鎌を一閃させると槍を繰り出した兵士達の首が斬り飛ばされて虚空を舞い、衝撃的な光景を目の当たりにした兵士達が恐怖の絶叫をあげながら地面にへたり込む中、アイリスは小さく跳躍して近くの地面に降り立った。

アイリスが地面に降り立つのとほぼ同時に首を喪った兵士達の胴体がゆっくりと地面に崩れ落ち、アイリスは見る間に大きくなっていく血溜まりを無視してへたり込んでしまった兵士達の所へ歩を進めた。

「……ばばばばば、ばけっばけっ……ばけものっ!!」

「……く、来るなっ来るなっ来るなっ来るなっ……来るなあぁぁぁっ!!!」

「あらあら、あたし結構顔や身体に自信がある方なんだけど、そんなに言われちゃうとちょっとショックね」

腰を抜かした兵士達は恐怖に大きく目を見開きながら上擦った声をあげ、その様子を目にしたアイリスが首を傾げて苦笑していると、3人の魔導士がアイリス目掛けて火球を放ち、発射された火球は平然と佇むアイリスを直撃する直前に掻き消す様に消失してしまった。

「「……っな!?」」

その光景を目にした3人の魔導士は驚愕の声をあげながら立ち竦んでしまい、アイリスは悪戯っぽく笑いながら口を開いた。

「フフフ、残念だったわね」

アイリスはそう言いながら手にした大鎌を魔導士達目掛けて投げ放ち、投げられた大鎌は慌てて逃げようと背中を向けた魔導士達を真っ二つに切り裂いてしまった。

両断された魔導士達の骸が地面に転がる中、投げられた大鎌はブーメランの様にアイリスの所に戻り、アイリスはへたり込む兵士達から目を逸らす事無く戻って来た大鎌をキャッチした。

「……さて、それじゃあ次は貴方達の番ね」

大鎌を手にしたアイリスがそう言いながら冷たい嘲笑えみを浮かべ、恐怖に背中を凍らせた兵士達が泣き喚きながら請う助命の願いを聞き流しつつへたり込む兵士達の所に歩を進めた。

「……あ、あの方は一体?」

突然現れてロジナ候国軍の兵士達を一方的に蹂躙するアイリスの姿を目にしたアイリーンがその光景にドン引きしながら戸惑いの声をあげているとミリアリアが魔導結界を通過して牢屋の所に到着し、近付く影に一瞬身構えたミランダだったがその姿に気付くと驚きの表情と共に声をあげた。

「ミ、ミリアリア殿!?」

「ミランダ殿、皆を下がらせてくれっ牢を破壊するっ!」

ミランダに声をかけられたミリアリアは剣を構えながら告げ、それを受けたミランダ達が慌てて牢屋の奥の方に向かうのを確認した後言霊を紡いだ。

「魔風よ、我が剣の切っ先に集え!!」

ミリアリアの紡いだ言霊に呼応して魔力を宿した風が剣の切っ先に集い、ミリアリアは魔力の風を宿した剣を牢屋の扉に向けて振り降ろした。

「ウィンドスラッシュッ!!」

ミリアリアが鮮烈な言霊と共に剣を振り降ろすと切っ先に集いし魔力の風が牢屋の扉に叩きつけられ、刃と化した魔力の風が標的となった牢屋の扉を切り裂いた。

「……ミランダ殿、大丈夫かっ!?」

「……あ、ああ、辛うじて、と言う所だが、それにしても、これはどう言う事なのだ、ミリアリア殿?」

「詳しくはこの場を脱出してから説明する、今は一刻も早く脱出しよう」

牢屋の中に飛び込んで来たミリアリアに声をかけられたミランダが戸惑いの表情でミリアリアを見ながら返答すると、ミリアリアはそれに応じながら首につけられた魔力封じの首輪を切る為のナイフを手渡し、ミランダが頷いた後に自分や女エルフ達の魔力封じの首輪を切り始めるのを確認した後にアイリーンに向けて丁寧に一礼しながら口を開いた。

「リステバルス皇国第五皇女アイリーン・ド・リステバルス様、旧ヴァイスブルク伯国第三騎士団長ミリアリア・フォン・ブラウワルトであります、皆様の救出に参りました、事態の詳しい説明についてはこの地を脱した後に行いますので、御同行願えないでしょうか?」

「……御恩情溢れる御言葉感謝致しますミリアリア様、わたくしどもは既に覚悟を決めこれからどの様な事が起ころうとも従うつもりでおりました、その折にその願っても無い御言葉、いやも応もございません、貴女様の示した御恩情に縋らせて頂きます」

「ありがとうございます、アイリーン様、こちらをどうぞ、その醜悪な忌々しい軛を外して下さい」

アイリーンの答えを受けたミリアリアは安堵の表情でナイフを差し出し、クラリスは深々と一礼しながら受け取った後にアイリーンの首にかけられた魔力封じの首輪を切り裂いた。

クラリスはアイリーンの魔力封じの首輪を切り裂いた後に侍女たちの魔力封じの首輪を切り裂き始め、アイリーンはその光景に安堵の表情を浮かべた後に表情を改めさせながらミリアリアに問いかけた。

「ミリアリア様、わたくしどもは既に覚悟を決めております、ですから1つだけお教え下さい」

アイリーンの言葉を受けたミリアリアは真摯な表情で頷き、それを確認したアイリーンは骸と血溜まりの中で佇むアイリスを見ながら問いかけた。

「……まるで白雪の様に白い肌にこの距離からでも克明に分かる美しき黒髪と蝙蝠の羽、女性であるのでわたくしの思い違いかも知れないのですがあの方は……」

「……はい、間違いございません、私も初めて逢った時は困惑と驚愕を隠せませんでした、あのひとは魔王、魔王アイリスです」

「……魔王、アイリス」

(……そう、彼女は魔王、魔王アイリス、私を護る為にダンジョンを造り、私を悲しませぬ為に戦友達を救い、そして、私を護る為なら私に拒絶されるる事すら厭わないと言ってくれたひと……)

ミリアリアの答えを聞いたアイリーンは驚嘆の声と大鎌を手に共に散乱する骸と血溜まりの中佇むアイリスを見詰め、ミリアリアはその隣で自分の為に尽力してくれている女魔王への想いを噛み締めつつアイリーンと共に佇むアイリスを見詰めていた。



陣営を強襲したアイリスとミリアリアはライナ達とフォレストドラゴンに背後を託して虜囚となった女エルフ達が囚われている牢屋に向かい、アイリスがその場にいた兵士達を蹂躙する中、ミリアリアが遂に虜囚となった女エルフ達と娼奴隷に堕ちていた狐人族の皇女達の救出に成功した。

虜囚達の救出、アイリス達の最大の目標は達成された、残る目標は陣営からの脱出と残党狩部隊本隊の殲滅……


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