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同盟者(フェデラートゥス)

9200PVアクセス及び2200ユニークアクセス突破しました。これからも宜しくお願いします、後半が過激な内容となっておりますので閲覧は自己責任でお願いします。

魔龍の洞窟


残党狩部隊本隊を襲撃する為に自軍の戦力拡充を目指し発見した惰眠を貪るフォレストドラゴンの下を訪れたアイリスとミリアリアを迎えたフォレストドラゴンは永き齢を重ねた末に魔龍となっており、魔龍となっていたフォレストドラゴンの出迎えを受けたアイリスとミリアリアはここに至るまで経緯をフォレストドラゴンに対して説明した。

……やはり、長生きはする物だな、実際に魔王を目にする事が出来、その上にその魔王が捕虜となった森の民達を救おうとしているとはな、これほど面白い話を聞けるとは思っていなかった……

アイリスの説明を聞いたフォレストドラゴンは感慨深げに呟き、その後に黄金色の蛇眼でアイリスを見詰めながら言葉を続けた。

……しかし、追手から護る為にダンジョンを造り、捕らわれておる森の民達を救う、随分と森の民に入れ込んでおるな、魔王よ……

「あら、あたしが入れ込んでいるのはこのひとだけよ、ダンジョンを作ったのも彼女を追手の屑どもから護る為だし、捕虜になってるエルフやダークエルフを救出するのも捕虜が彼女の仲間だったから、狐人の元お姫様達を助けるのはそのついでよ」

フォレストドラゴンの問いかけを受けたアイリスは堂々とした口調で応じながら傍らに立っているミリアリアの肩に手を伸ばして抱き寄せ、ミリアリアがアイリスの言葉と唐突な行動に頬を火照らせているとフォレストドラゴンは愉快そうな口調で声をかけてきた。

……なるほどな、確かに基本的な行動理念は魔王その物だな、しかし、それほどまでに彼女を気に入ったのなら、有無を言わさず力づくで己が物にせぬのか?……

「そんな事して彼女を手に入れても何の意味も無いじゃない、身体を汚し心を壊して己の所有物にする、そんな手段で彼女を手に入れられたとしてもそれじゃあ彼女を手に入れたとは言え無いし、何よりもそう言う無粋な行動ってあたしは大嫌いなのよ、だからなるべく彼女が嫌がる事はしないつもり、もちろん彼女が嫌がる手段であってもその手段でしか彼女を護れられないとしたら、あたしは躊躇う事無くその手段を取るわ、例えその事で彼女から罵倒され、拒絶され、離れられたとしてもね」

フォレストドラゴンの問いかけに応じるアイリスの言葉は迷い無くその腕の中にあるミリアリアへの想いとその想いへの覚悟を告げ、ミリアリアはその言葉とアイリスに抱き寄せられていると言う現状の相乗効果により頬どころか笹穂耳まで真っ赤にさせて俯いてしまった。

……魔王よ、中々面白い話を聞かせて貰った、我も森の民の窮状と一部の人間どもの増長した振舞いには含む所がある、御主にテイムされて増長した人間どもに一撃をくれてやるのも面白いかも知れぬな……

「あら、随分話が解るのね、だったらあたしから提案があるけど構わないかしら?」

アイリスとミリアリアの様子を目にしたフォレストドラゴンが楽しげに声をかけると、アイリスは不敵な笑みを浮かべながら新たな問いかけを行い、フォレストドラゴンが頷く事で応じると不敵な笑みのまま言葉を続けた。

「永き齢を重ねし魔龍よ、魔王アイリスの同盟者フェデラートゥスになる気は無い?」

……ほう、我に対して飼い主としてでなく、盟友として接する、と……

アイリスの提案を受けたフォレストドラゴンは疑念と戸惑いを含んだ声をあげ、アイリスは頷いた後に言葉を続けた。

「ロジナの屑どもを粉砕すればダンジョンに新たな階層を加える事が出来るわ、貴方にその内の1つを住処として与えて討伐から保護する代わりに住処となっているダンジョンの階層に侵入者があった場合や今回の様にダンジョンの外の敵を攻撃する際に力を貸して貰うの、悪い話では無いでしょう?」

……フム、魔王と盟を結ぶ、確かに我にとって悪い話では無いが御主にはどんな益があるのだ?……

アイリスの説明を聞いたフォレストドラゴンは推し量る様にアイリスを見詰めながら問いかけ、アイリスはゆったりとした口調で答えを返した。

「魔龍クラスをテイムするのって結構魔力を使うのよ、だからテイムしてあたしの指示で戦わせるよりも協力して自分の判断で戦って貰った方があたしも楽だし、弾力的な戦いが出来るの、そして何よりも、浮いた魔力を彼女がより快適に過ごせる為のダンジョン改装に使えると言うのがあたしに取って最大の利点よ、だからこの提案を受けて貰いたいの……まあ、駄目だとしたらテイムして野垂れ死ぬまで良い様に扱き使うだけだけど」

……フッ、根底の思想は魔王だがやはり御主は色々と面白いな、御主の側にも益がある事が確認さえ出来れば問題無い、御主の申し出受け入れ、御主の同盟者フェデラートゥスになるとしよう魔王アイリスよ、恐らく魔王と盟を結んだ魔龍は我が初めてであろう、御主は色々と面白い、これからも楽しませて貰うぞ、我が同盟者、魔王アイリスよ……

アイリスの提案を受けたフォレストドラゴンはその提案に関する真意を聞いた後にそれを快諾し、アイリスは不敵な笑みを浮かべて頷いた後に更に言葉を続けた。

「そう、受け入れてくれて何よりだわ、我が同盟者となりし魔龍よ、ロジナの屑どもを襲撃するのは今宵深更、刻限までにあたしが造ったダンジョンの近くに来て頂戴」

……心得た、轡を並べし時を今から楽しみとしているぞ、魔王アイリスよ……

アイリスから残党狩部隊本隊への襲撃の情報を伝えられたフォレストドラゴンは楽しげな口調で応じ、魔龍との盟約を成し遂げたアイリスは抱き寄せていたミリアリアに穏やかに微笑わらいかけながら口を開いた。

「……話は着いたわ、待っている皆にこの事を報せる必要があるからダンジョンに戻りましょう」

「……あ、ああ、そうだな」

アイリスとフォレストドラゴンのやり取りを半ば呆気に取られながら見ていたミリアリアはアイリスの声に我に帰ると慌てて頷き、それを確認したアイリスは穏やかに微笑みながらミリアリアを促してフォレストドラゴンの前から歩み去って行った。


……やはり長生きはしておくものだな、この目で生きた魔王を、しかも女魔王を目にする事になるとはな、目覚めたばかりであるにも関わらず我が思わず恐怖した程の莫大な魔力、あの魔王は恐らく、永き齢を重ねた我等魔龍の中でも更に多くの齢を重ねた古参の魔龍の一部のみが語っていた幻の存在、歴史から忘れ去られた魔王、あまりに不確かであやふやでありすぎた為、伝説にすら残らなかった幻の魔王の姿を目にする事が出来た上に、轡を並べられるとはな……


フォレストドラゴンは歩み去るアイリスとミリアリアを見送りながらそんな事を考え、一方洞窟の出口へと向かっていたミリアリアはゆっくりと深呼吸をして意識を整えた後に感慨深げな呟いた。

「……魔王と魔龍の盟約、か、この眼で確かに確認したのにまだ、現実の事とは思えないな」

「フフフ、信じられない事かも知れないけどこれは、現実よ、今宵深更あたし達は盟約に従い魔龍と共にロジナ候国軍の陣営を襲撃して貴女のお仲間さん達や狐人族の元お姫様達を救出するのよ」

ミリアリアの呟きを耳にしたアイリスは微笑みながら言葉を発し、それを受けたミリアリアは石棺に横たわるアイリスを見た時から今に至るまでのアイリスの尽力に思いを馳せた。

(初めて逢った時から今に至るまで、私は貴女の好意と尽力に助けられてばかりだ)

ミリアリアはそう胸中で呟きながらアイリスに視線を向け、アイリスはそれに対して悪戯っぽく笑ってかぶりを振りながら言葉を続けた。

「……何時も言ってるでしょ、気にしちゃ駄目だって今までのあたしの行動は魔王のあたしが好き勝手行動した結果なの、だから貴女は魔王のあたしを利用するだけ利用し尽くせばいいのよ」

(……貴女は何時もそうだ、貴女は何時もそうやって私を甘やかしてくれる、さっき魔龍が言った様に私の事なんか容易く手籠めに出来た筈なのに、呆れるくらい規格外の能力を持っている貴女なら、私の心も身体も苦もなく陥落させ、貴女無しでは生きていけなくなるほど蹂躙し尽くす事だって出来る筈なのに、そんな事をせず私の為に尽力し、とことん私を甘やかしてくれている)

アイリスの言葉と笑顔を受けたミリアリアはそう胸中で呟いた後に少し躊躇いがちに傍らを進むアイリスの肩に手を回して魅惑的な肢体を自分の傍らへと引き寄せ、突然の行動に驚きの表情を浮かべたアイリスに対して頬や笹穂耳を真っ赤にさせながら口を開いた。

「……あ、貴女が好き勝手やるなら、わ、私だって好き勝手やらせて貰う、ま、魔王を、侍らせて歩く機会なんて、その、め、滅多に無いからな、だ、だから、これは、私がやりたくて好き勝手にやってる事だ、私の為に好き勝手やっている魔王を、あ、ありがたく、り、利用させて貰っているだけだ」

真っ赤な顔で所々詰まりながら告げるミリアリアは、それに対してアイリスは頬を仄かな桃色に染めながら口を開いた。

「……じゃあ、もっと好き勝手な事したくない?魔王を侍らせて歩くだけじゃ無く、侍らせて歩いている無防備で無抵抗な魔王の身体に悪戯しながら歩いてみたくない?」

「……い、い、いたずらっ!?」

アイリスの口から出た過激な誘いの言葉を受けたミリアリアは茹でられた甲殻類や蛸の様に鮮やかに真っ赤になった顔で上擦った声をあげ、アイリスは仄かな桃色に染まった顔に挑む様な笑顔を浮かべながら頷くと真っ赤な顔で掠れ気味の声を返した。

「……い、いいだろう、あ、貴女には、さ、さ、散々からかわれて来たからな、そ、そんな私に、む、無防備で無抵抗に身体を晒すなんて、か、覚悟は出来てるんだろうな、お、お返しをさせて貰うぞ」

ミリアリアは真っ赤な顔でやや捨て鉢気味に言いながらアイリスの肩から手を離してアイリスの背中に指先を添えると背骨に添って揃えた指先を這わせ、歩いていたアイリスは軽く身体をのけ反らせながら蕩けた声をあげた。

「……ンッ……クッンンッ」

(……す、すご……い、す、少し撫でただけで……あ、あんな、蕩けた声)

アイリスの口から出た予想外に熱く蕩けた声を聞いたミリアリアは妖しい感覚が身を包むのを感じながらアイリスの背骨に添って揃えたしなやかな指先を何度も上下させ、アイリスは薄布越しに背中を上下するミリアリアの指先の動きにあわせて蕩けた声をあげ続けた。

「……ッフ……ンッ……ンンッ……す……すご……アアッ……ゆ……指……ンックッ……アアッ」

指先の動きに合わせて身体をくねらせながら蕩けた声をあげるアイリスの姿は恐ろしい程に扇情的で官能的であり、ミリアリアは何時もの飄々とした姿と大きく異なる艶かしく蠱惑的な姿に身体の奥に甘い痺れと疼きが生じるのを感じながら蕩けた声をあげるアイリスの耳元に囁きかけた。

「……ち、挑発してきた割には、ず、ず、随分、あ、呆気無いな、ま、ま、魔王なんだから、も、もう少し、て、て、抵抗してみたら、ど、どうだ」

ミリアリアはアイリスの蕩けた反応に頭をクラクラさせながらその耳元に挑発の言葉を囁きかけ、アイリスはミリアリアの指先の動きに魅惑的な肢体を艶かしく反応させながらそれに応じた。

「……ンッ……ハッ……ンンッ……フフ、そ、そうね……ンッ……こ、これじゃあ……アッ……ンッ……ま、魔王の……クッンッ……沽券に……アッ……関わるわ……ンンッ……い、良いわ……アッンッ……り、両手、で……ンックッ……い、悪戯して……アッンッ……良いわ……アッンッ……ま、魔王の……ンンッ……こ、沽券に……かけンンッ……た、絶えてあげクッンンッ」

アイリスはミリアリアの指先の動きに蕩けた声をあげさせられながら新たな挑発を返し、ミリアリアは蕩けたアイリスの姿とその挑発にこれ以上無いほど真っ赤な顔をしながら残る手をアイリスのすっきりとした腹部に伸ばして滑らかな光沢を放つ薄布越しに指先を這わせ始めた。

「……ッン……ンアアッ……クッ……ンッ……ンンッ」

背中を撫でるミリアリアの指先の動きに耐えていたアイリスは新たな刺激に蕩けた悲鳴をあげながらすがる様にミリアリアの身体にしがみつき、ミリアリアはその反応に頭が更にクラクラになるのを感じながらしがみつくアイリスの耳元に囁きかけた。

「……ち、ち、挑発した割には、ず、随分、辛そうだな、そ、そ、そんな様で、ど、洞窟を、で、出るまで、た、耐えきれるのか?」

「……ヒッンッ……ンンッ……ふ、フフフ……だ、大丈夫……よっンンッ……あ、あたしは……ンッアッ……ま、魔王アイ……リ……スンンッ……ま、魔王の……アッンッ……こ、沽券にかけて……ンックッ……た、耐えあげンンッ……だ、たか……ら……アッンッ……た、沢山……アッンッ……い、悪戯して……クッンッ……いいわ……よンンッ」

ミリアリアの言葉を受けたアイリスは魅惑的な身体を艶かしく反応させながら蕩けきった声で応じ、ミリアリアはその反応に身体の奥を甘く痺れさせながらしがみつくアイリスの魅惑的な肢体を薄布越しに撫で続けながらアイリスと共に洞窟の出口へと向かった。



魔龍となったフォレストドラゴンと会談したアイリスはフォレストドラゴンに対してテイムでは無く盟約を提案し、フォレストドラゴンは異形の女魔王との盟約を快諾した。

残高狩部隊本隊襲撃を目指すアイリス達に加わった新たな戦力、それは数多の齢を重ねて来た心強き同盟者フェデラートゥス……


信じられない話と思いますがアイリス様とミリアリアはまだ付き合っていません、と言うかまだ正式には告白すらしてません……

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― 新着の感想 ―
どっからどう見ても夫婦だろ!!どうなってんだ!!!!
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