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黎明索敵

PVアクセス3500、ユニークアクセス950を突破しました、これからも本作を宜しくお願いします。

大陸歴438年霧の月八日・ダンジョン・マスタールーム


激動の一日から一夜が過ぎた大陸歴438年霧の月八日、目覚めたミリアリアは居室で身仕度を整えた後にアイリスの居るマスタールームへと向かっていた。

マスタールームの扉の前にたったミリアリアの脳裏に昨夜の浴室で自分の身体を洗ったアイリスの泡塗れの肢体とその感触が浮かび、ミリアリアは真っ赤になりながら首を振って脳裏からその姿と感触を追い払った。

(……あ、朝から何てふしだらな事を思い出しているんだ、れ、冷静になれ、ミリアリア・フォン・ブラウワルト)

ミリアリアはそう自分を叱咤した後にドアを軽くノックするとドアはそれに応じる様に独りでに開き、ミリアリアが開かれたドアから室内に入るとベッドから魅惑的な肢体に扇情的な下着のみを纏ったアイリスが小さく欠伸をしながら立ち上がり、朝一に見るには刺激的過ぎるアイリスのあられもない姿を目にしたミリアリアが真っ赤になって身体を硬直させていると、アイリスはもう一度小さく欠伸をしながら口を開いた。

「……あっふ、おはよう、もう身仕度を整えているの?流石は兵士ね」

「……お、おはよう、そ、その、ね、寝る時は、い、何時もその格好、なのか?」

アイリスに声をかけられたミリアリアはそのあられもない姿にどぎまぎしながら問いかけ、アイリスは平然とした様子で頷いた後に言葉を続けた。

「そうよ、貴女もやってみる?開放的な気分になれるわよ」

「っな!?」

アイリスの何でもない口調の提案を受けたミリアリアは笹穂耳まで真っ赤になりながら絶句してしまい、アイリスはミリアリアの上気した顔を蠱惑の表情で見詰めながら歩み寄り始めた。

ミリアリアは真っ赤な顔のまま後退りしたが直ぐにその背中がマスタールームの壁に当たり、アイリスは進退窮まった状態のミリアリアの間近まで歩み寄ると真っ赤な顔を愛しげに見詰めながら右手を掲げ、ミリアリアがこれ以上動こうとするのを制する様に真っ赤なミリアリアの顔の横の壁に掌を当ててミリアリアの真っ赤な顔を見詰めた。

アイリスに見詰められたミリアリアは恥ずかしげに俯いたがアイリスは左手の人指し指と中指をミリアリアの形の良い顎に当てて軽く押し上げ、俯いていたミリアリアの顔を上げた後に愛しげにミリアリアの真っ赤な顔を見詰めながら言葉を続けた。

「騎士団長らしく鍛えられ引き締まった身体に兼ね備えられた女性らしい緩やかな曲線柔らかさ、それに加えて特上の美貌、そんな素敵な貴方にこの姿はとても似合うと思うわ、少なくともあたしはこの姿の貴女を見てみたいわ」

アイリスはそう言いながら扇情的な下着に美しく淫靡に飾られた肢体を示し、ミリアリアは真っ赤な顔で暫く口をパクパクさせた後に消え入りそうな声を返した。

「……か、からかわないでくれ……き、騎士団で訓練に明け暮れていた武骨者の私に、そ、そんな格好似合う訳無いだろ……そ、そんな事言ってくれるのは、あ、貴女くらいだ」

ミリアリアは消え入りそうな声でそう告げると一度口を閉ざし、それから暫く躊躇った後に恥ずかしそう目を瞑ると先程よりも更に小さい蚊の鳴く様な声で続けた。

「……だ、だか……ら……そ、そんな事を……い、言ってくれる貴女に……あ、あ、貴女になら……い、い、今の……貴女の様な姿に……なった……わ、私を……み、み、見せてあげたい……だ、だ、だ、だが……や、やはり、そ、その格好は……は、は、恥ずかし……過ぎる……だ、だ、だから……ふ、踏ん切りがつくまで……その……ま、待って……欲し……い……か、必ず……み、見せて……あげ……る……か……ら」

ミリアリアは固く目を瞑り蚊の鳴く様な声で恥ずかしそうに告げ、その様子を目にしたアイリスは頬と耳を鮮やか朱に染めた後にミリアリアの耳元に穏やかな口調で囁きかけた。

「……ありがとう、楽しみに待たせて貰うわ」

アイリスの囁きを受けたミリアリアは目を瞑ったままコクンッと頷き、それを確認したアイリスは笹穂耳まで真っ赤になったアイリスを愛しげに見詰めながらゆっくりと身体を離した。

アイリスが離れたのを感じたミリアリアは恐る恐ると言った様子で目を開くとアイリスが離れているのを確認して小さく安堵の息をはき、その様子を目にしたアイリスは悪戯っぽく微笑わらいながら安堵しているミリアリアに向けて話しかけた。

「もう一つ言い忘れいた事があったわ、貴女はあたしの許可を得なくてこの部屋に入れる様になっているから、あたしに夜這いをかけたくなったら何時でも夜這いに来て構わないわよ」

「……っな!?……よよよ、よばっ!?よばっ!?夜這いっ!?」

アイリスの告げた爆弾発言にミリアリアは茹でられた蛸や蟹の様に真っ赤になりながら狼狽えてしまい、その様子を目にしたアイリスは悪戯っぽく微笑わらいながらミリアリアを見詰めたが、負けん気を刺激されてしまったミリアリアは真っ赤になった顔のままやけくそ気味に口を開いた。

「……か、か、覚悟しておくんだな……よ、夜討ち朝駆けは戦の必須項目だからな……あ、貴女に……よ、よ、夜這いをかけた時は……い、今まで、か、からかわれてきた御返しを……た、た、たっぷりしてやるから……な」

(……って私は、な、何て事言って)

やけくそ気味に台詞を言い放ってしまったミリアリアは内心で狼狽えてしまい、急いで発言を取り消そうとしたが嬉しそうに頬を緩めたアイリスがそれを制する様に口を開いた。

「……嬉しい事言ってくれるのね、あたしは貴方が夜這いに来てくれた時点でもう陥落しちゃっているから、思う存分あたしを蹂躙してね」

「……じゅっ……蹂躙ってっ!?」

アイリスの艶かしい言葉を受けたミリアリアは真っ赤な顔で上擦った声をあげ、アイリスは蠱惑の笑みを浮かべて頷いた後に言葉を続けた。

「……少し待ってて着替えるから」

「……へ?……あ、ああ、分かった」

アイリスの言葉を受けたミリアリアは混乱状態から回復すると真っ赤な顔で応じ、アイリスはベッドの所に戻ると何時もの扇情的な装いを身に纏った後にミリアリアの所に戻ってきた。

「改めて、おはよう、よく眠れたかしら」

「……あ、ああ、おはよう……これまで戦闘や撤退が続いていたからな、昨日は久し振りによく眠れた気がする、ありがとう」

アイリスの問いかけを受けたミリアリアは自分を落ち着かせる為に小さく深呼吸をしながら答えた後に感謝の意を告げ、アイリスは穏やかな笑みを浮かべながら言葉を重ねた。

「よく眠れたみたいで何よりだわ、それじゃあ、昨日の夜話した通り、周囲の偵察を始めるわね」

アイリスはそう言いながらゆっくりと瞳を閉ざし、暫しを集中させた後に口を開いた。

「サウザンズ・アイ」

アイリスが言霊を放つと同時に虚空から1羽の隼が姿を現してアイリスの肩に止まった、アイリスは肩に止まった隼を示しながらミリアリアに対して説明を始めた。

「論より証拠とも言うからこうして実際に1羽見て貰ったわ、この子の他に鷹や鳶、烏、蝙蝠、鹿、猪何かに化けた使い魔達を周辺に放って偵察を行うわ、この子達が目にした地形何かの情報を地図に纏めつつロジナの連中や貴女のお仲間さん達の様子、それにラステンブルク伯国の様子なんかも収集するつもりよ、それじゃあ行きなさい」

説明を終えたアイリスが肩に止まる隼に声をかけると、隼は一声鳴いた後に羽ばたくと虚空に消え、その様子を目にしたミリアリアは感嘆の面持ちと共に口を開いた。

「こう言うのを目の当たりにすると改めて貴女の力を実感させられるな、本当に感謝している」

「気にしなくて良いわよ、御礼も貰えるんだし、御風呂での御礼、楽しみにしてるわよ」

「ぐっ……ぜ、善処する」

アイリスに感謝を告げたミリアリアはアイリスの返答に真っ赤になりながら応じ、アイリスはそんなミリアリアを愛しげに見詰めた。

アイリスの指示を受けた使い魔達は森に住まう様々な種類の生物達の姿で周辺に散り偵察活動を始め、一方ロジナ候国軍残党狩部隊の本隊は発見された新規発生ダンジョンの踏破状況とそこに逃げ込んだと推測される高位エルフ捜索の結果を確認する為下級幕僚を1名派遣し、派遣された下級幕僚は護衛とダンジョンを発見した部隊から派遣された伝令を従えてダンジョンへと向かっていた。



激動の一日から一夜が経過した黎明、アイリスは周辺の状況とミリアリアの懸念の正否を確認する為に使い魔達を周囲に放ち黎明策敵を開始し、一方ロジナ候国軍残党狩部隊もダンジョンの踏破状況と高位エルフの捜索結果を把握する為、下級幕僚を派遣した……


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