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東方転生人録  作者: 黄金馬鹿
陰陽師編
78/84

娘のためならカッコつけるのもいいでしょ?

またまたさとり回。もうさとりも主人公でいいんじゃないかな?

「……なぁ、さとり。俺、昨日の記憶が綺麗さっぱり抜け落ちてるんだけど……何か知らないか?」

「知らないわ。里の道のど真ん中で寝てたからじゃない?」

「そんな奇行には走らないつもりなんだが……それともしこたま飲んだのか?」

「さぁ。ここに来る前にしこたま飲んだんじゃない?」

「いや、飲んでいない……あれ?なんかさとりに殴られた気が……」

「あ、頭に油虫がー(棒)」

「ぶべらっ!?なにすんじゃー!!」

「頭に油虫がー(棒)」

「嘘言ってんじゃねぇ!だって記憶なかったのは……あれ?なんでだっけ?」

「しこたま飲んだのよ」

「……まぁ、納得いかないけどそうしとく」


……ちょろいわ


さて、暮羽がなんか言ってたけど気のせいね。(さとり)が殴るわけないもの。ね?


まぁ、ほんとに記憶飛んでるみたいだから都合はいいのだけど


「で、次の巫女に会いたいんだが……」

「昨日会ったでしょ?」

「え?そうだっけ……?あれ?なんかさとりに殴られてる映像が……」

「あ、頭に馬糞がー(棒)」

「ペプシネックス!!?なぜ叩いた!?」

「頭に馬糞がー(棒)」

「馬糞なんてあるわきゃねぇだろ!流石に気付くわ!!で、俺って何を……」

「あなた、疲れてるのよ」

「……かもしれん」


まぁ、思い出しそうになったら頭ぶん殴れば解決ね。はやしには見えないように


暮羽の頭がポンコツだったのが幸いね


「で、あんたはいつあっちに戻るの?」

「そうだな……今日の夜か明日中……だな」

「そ。まぁ私がとやかく言える事じゃないけど……あんたはここの神なのよ?そこら辺、分かってるわよね?」

「あぁ」

「里のみんなはあんたを頼りにしてる。肝心なときにいない……何てことにはならないようにしなさい。可能な限りなら手伝うから」

「ほぅ、珍しいな」

「一応、ここの巫女の母親よ。最低限の義理よ」


まぁ、こんな私達をここに住ませてくれた……っていうお礼も込めてるんだけど


流石に口に出すのは恥ずかしいわ……


「分かったら里の人達に顔見せてきなさい。何か問題を抱え込んでる人もいるかもしれないわ」

「そうだな。じゃ、留守を頼む」


そう言うと、暮羽は里の方に向かって歩いていった


……にしても、妖怪に神社を任せる神様……か


なんか、普通じゃ考えられないわよね。人の敵である妖怪。そりゃ中には友好的な妖怪だっているけど、その地を統べる神なら妖怪は基本的に里の中には入れず、退治する


大体はそんな感じなのに、暮羽は人妖平等。悪い事した妖怪はゴツンといくけど、そうじゃない妖怪には笑顔で接して人と同じように扱う。勿論、悪戯をして人を悩ませる妖精にも


そんな暮羽に感化されたのか分からないけど、ここら辺の妖怪は人に危害は加えず、人喰い妖怪も家畜の肉とか血で我慢してる。唐傘お化けとかの人を驚かせて腹を満たす妖怪は何時も通りだけど、驚かされた人は笑顔で怒り、妖怪はやりきったといった顔で去っていく。子供達の肝試しにも引っ張りだこ


妖精は後ろから驚かせたりとか、本当に子供のやるような悪戯しかしない。勿論、人を悩ますような悪戯は無し


とっくの昔に幻想となったような場所……人にも妖怪にも妖精にも平等な場所


仮に名付けるのなら


「幻想郷」


……はぁ


「またあなた?いい加減後ろからにゅるりと出てくるのやめてくれない?」

「あら、いいじゃありませんの」


で、今私のセリフを盗ったこの女。最近よくここに来る大妖怪よ


「で、今日は何の用?八雲」

「紫と呼んでくださいな」

「ったく……で、何の用?紫」


八雲紫(やくもゆかり)。世間ではスキマ妖怪と言われている


最近とある事で私に交渉してきてる妖怪


「分かってるくせに言ってるのかしら?」

「……式になれっていう誘いかしら?」

「正解」


開いてた扇子をパチリと閉じ、スキマとかいう謎空間の入口に腰掛ける


そう。こいつは二年ほど前……はやしを拾ったあたりから私に式になれと言ってくる


「お断りと言ってるでしょ?私にはやる事があるの」

「あの人間の子供かしら?」

「……そうよ」


私はこいつが苦手だ


完全に裏がある……なのに私でも心の裏を読めやしない


ほんっとうに苦手だ


「なら、あの子供を亡き者にしたら……」


コイツっ!!


「……胸倉掴むのは止めてくれません?」

「はやしに何かしてみなさい……あんたをぶっ殺すわ」

「あらあら、凄い気迫に殺気」

「その余裕……どこから出てくるのかしら?」

「あなた程度、余裕で返り討ちに出来るという事ですわ」

「私だってあなたのような胡散臭い妖怪……簡単に殺せるわ。今までにも私は大妖怪を殺めた事がある。こいしを守るために」

「まぁ、どちらにしろ人間の子供になんて興味はありませんわ」

「……」


紫の胸倉を掴んでいた手を離す


ここで殺したって何の得にもならない


「まったく、シワになったらどうしてくれますの?」

「知らないわ」


こんなやつの式になるなんて……死んでもごめんよ


「あなたのように物分かりがよく、頭もよく、力のある妖怪……まさに私の式には相応しい妖怪でしたのに」


そんな妖怪そこら辺に転がってるんじゃないかしら?


と、言うかぶっちゃけると私一人よりも神社でなんかやりきった顔してるあの妖精五匹の方がまだ強いわよ。なんで妖精があんな強いのか……ほんと訳わかんないわ


「妖精じゃ私の式は務まりませんわ」

「あーはいはい」


自然に私の心読んできやがった……まぁいいけど


「そんな優秀な妖怪が欲しければ最近噂の九尾の狐にでも会ってきたら?」


前まで海の向こう側にいたらしいけど、今は日本に来てるみたいだし


「何処に居るのかハッキリしてませんの」

「とっとと見つけて私に突っかかるの止めて欲しいものね」

「見つけてもここには来るわ。居心地は最高ですもの」

「二度と来んな」


……さて、そろそろお昼ね。こいつは放っておいて、お昼ご飯作らないと


確か、今日は暮羽とこいしとルーミアとぬえも食べるんだったわね


ちょっと多いけど、まぁ何とかなるわ


「ついでに私にも……」

「断る」

「別に一人くらい……」

「こ、と、わ、る!!」

「……では退散するとしますわ」


あんたにやる食料なんて少しもないわ!


……さて、あいつが謎空間から帰ったことだし、早目に作り始めますか


「おかーさ~ん!」

「はやし?」


はやしが神社から飛び出してきた。しかも目に涙を浮かべて


何かしら?


「どうしたの?」

「むしが~!」


……虫?


「虫がどうしたの?」

「へやのなかに……」

「お姉ちゃん達は?」

「どこかいっちゃった……」


あの馬鹿妖精どもめ……肝心なときに……


「私がなんとかしてあげるわ。どこにいるの?案内して?」

「うん……」


たかが虫くらいで怖がるなんて……ほんと可愛いわ


「あれ」

「どれど……」


……………………デカくね?


「は、はやし?私にははやしよりも大きな油虫に見えるのだけど……」

「あれ」


いや、あれじゃなくて……って!


「飛んできた!?気持ち悪っ!!」


はやしを抱き抱えてその場から退散。油虫って近くで見ると気持ち悪いわね……


でもなんでこんなのが神社の中に……まさか!


「はやし、もしかして能力使った?」

「のーりょく?」


あ、これは使ったわね


はやしの能力。それは、『成長させる程度の能力』


人間や妖怪には効かないけど、虫や植物には効く能力。どうやら生まれつき持ってた能力みたい


で、それが油虫に作用してあそこまで無意識に成長させたとしたら……話の辻褄は合うわね


あ、能力の限界はほとんど無いと言ってもいいわ


最初に花に限界まで使わせたら先が見えなくなるほど大きくなったわ。処理は私がマスタースパークで全部消滅させたけど


じゃあ今回も


「くらっときなさい!想起「マスタースパーク」!!」


……あ、天井ぶち抜いた……





「で、気付いたらぶち抜いてました……と」

「…………て」

「頭にコツンと手を当ててちょっと舌を出しててへっとかやるなよ」

「……」

「図星かい」


全く、こいつは……なんか俺の神社からマスパか飛び出したと思ったら屋根ぶち抜かれてたし。解せぬ


「……俺が直しておくから飯頼むわ」

「はい……」


……まぁ、子供にいいカッコ見せようとしてやった事だろうし、怒るわけにもいかんだろ


……さて、屋根の修理でもしましょうかね

ってな訳で紫さんが既にさとりと接触してました。勿論、紫さんの式はあの人になりますよ?


あと、はやしの能力も登場。結構チートかな?


次回はまた京に戻るかも

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