歳は聞くものじゃありません
帰省回です
はやしの能力の公開はまた今度になりそうです
大妖怪を使役する若き陰陽師と、なんか知らぬうちに有名になっている事を知った今日この頃、俺はせっせせっせと帰省のために持って帰るもんを次元に詰め込んでいた。そして、次元を閉じる
よし、これで帰省の準備は出来たな。後はルーミアとこいしだが
「準備できたか~?」
「もう少し~」
「私は出来たよ~」
と、言うことらしい
まぁ、先日、急遽決めたこの帰省だが、案外すんなりとルーミアとこいしは了承してくれた
帰省しただけでさとりの負担を減らせる訳ではないけど、まぁ妖精達にさとりに迷惑かけるなって事くらいは言っておかないと
まったく、一生の別れじゃねぇんだし、へこまなくたっていいと思うんだよね。俺は
あいつらが俺を好いてるってのは、もう襲われて(性的な意味で)分かってるんだけどさ……なんか、こう、家族として接してきたからか、恋愛対象ってかんじで見れないんだよな
別に種の垣根を超えた恋愛はいいと思うよ?半人半妖はまさにそれが形をなしたってかんじなんだし
まぁ、俺なんて半人半神みたいな感じだし。妖精との子供ができたら……三分の一が人間、三分の一が神、三分の一が妖精っていう子供が出来るのだろうか……?
それとも半分妖精、四分の一が人間、四分の一が神か?あ、でも神にはならないか?と、なると半人半妖精か
と、なんか余計なことを考えていたらルーミアの支度が終わったらしい
さて、里に向かって一っ飛びしますか
……湿布はあるな。うん
「暮羽~暇だからなんかやろ~」
で、部屋を出ようとしたら部屋の窓からぬえが不法侵入。そのまま床でゴロゴロしながらそんなことを言ってきやがった
玄関から入るという事を知れ。このロリめが
「悪いが、里まで帰省するんでな。今日か明日までは休業。そして留守だ」
「里まで帰省って……あぁ、神社に?」
「そうだ。昔から一緒にいる妖精達がなんかこいしの姉さんに迷惑かけてるらしいからな。一言言いに行くついでにって感じだ」
「へ~……」
まぁ、理由としてはこいしの件で殴られに行くってのとさとりが娘として育ててる次期巫女……はやしの様子を見に行くってのもあるんだけどな
「……私も行っていい?」
と、いきなりぬえがそんなことを言い出した
「何でだ?」
「暇だから」
……はぁ
「分かった。ついて来い」
「よし!」
いきなり元気になるぬえ
そんなぬえを引き連れて部屋を出ると、既にルーミアとこいしが荷物を纏めて待っていた
「遅いわよ。何やってたの……って、ぬえ?」
「あ、ぬえだ」
「やっほ」
「なんかついて来ることになった。全力で飛んで振り切るぞ」
「オイコラちょっと待てや」
胸倉掴まれてガクガクやられたからHAHAHA、めんごめんごと言ったら殴られた。解せぬ
最近の子は冗談すら分からないのか!……って、ぬえは最近の子じゃないか。それなりに歳はいってるな
「何でだろう、また殴りたくなってきた」
「HAHAHA、何でだろうね?」
今度は弁慶の泣き所を五回ほど蹴られた。解せぬ
さて、五回ほど蹴られたけど特にダメージの入ってない俺は行くぞ~と、声をかけて家を出て、休業中と書かれた看板をドアの前に置いて、四人で里に向けて飛び立った
飛んでる途中、見えないなにかを三つ、空中で轢いた気がしたが、気のせいだろうか?
~青年等飛行中~
で、快適な飛行の旅は終わって神社の境内に到着
さとりには事前に知らせてたため、さとりが境内に来ていた
「よっ、さとり」
「あんた、人間なのにほんと、若いままね」
「ほっとけ」
と、いうさとりのすぐ横にはまだ二、三歳の子供がいた
多分、この子がはやしか?
「……おじちゃん、だれ?」
お、おじっ……
~青年錯乱中~
「すまん、取り乱した」
「お、おじちゃ……暮羽がおじちゃん……プッ」
「おいさとり。笑いが隠せてねぇぞ」
いや、お兄さんって言われたことはあったよ?うん
でも、おじちゃんって……確かに年齢は老人顔負けの歳までいってるけどさ……普通なら逝ってる歳だけどさ……
初対面の子供におじちゃんって言われるのは流石にキツい……
「なぁ、ルーミア、こいし、ぬえ。酷いと思わないか?」
そっぽ向いてるルーミアとこいしとぬえ
あ、ちょっと震えてる。笑ってやがるこいつら
ちくせう。歳は老人でも心は青年だよこんちくしょう……
「なんでないてたの?」
「心がね、痛かったんだよ……」
あぁ、無邪気ゆえに怒れない……
「でもね?俺はおじちゃんじゃないよ?お兄さんだよ?」
「おにーさん?」
「そう。お兄さん」
取り敢えずおじちゃん呼ばわりは止めさせれた
「おかあさん、おにーさんってなんさい?」
いや、ここはやっぱり自分と同い年程度だと……
「一万歳よ」
謀ったな!謀ったな、さとり!
「おかあさんは?」
「二十歳よ?」
「年齢偽ってんじゃねぇぞオイ!」
『あっはっはっは!!』
外野ァ!笑ってんじゃねぇぞゴルァ!
「……おじいちゃん?」
「ぐふっ!?」
む、無邪気な暴力が……無邪気な暴力が俺を襲うっ!!
「い、いいか?はやしちゃん。君のお母さん、軽く二百さ……」
「あ、顔に蚊が。想起「三歩必殺」!!」
「ちょっ、おまぁぁぁぁぁ!!?」
……こいつ、何時か泣かす
全く、はやしの前では普通のお母さんでいたいのよ。私は
「おかあさん?」
「何でもないのよ?私はおじいちゃんの顔に止まってた蚊をやっつけてあげたのよ?」
「おかあさんすご~い」
おじいちゃん……あの顔でおじいちゃん……
「ぷっ……」
「おかあさん?」
「な、なんでもないの。大丈夫よ」
暮羽の心の中も最高に面白かったし……ほんと子供って可愛いわね
え?私の本当の歳?
よし、気になったやつは正座してなさい。全力の三歩必殺とマスタースパークを叩き込んであげるわ
「あ、そうそう。あの妖精達に帰省してきたって教えないと。はやし、ちょっと待っててね」
「は~い」
そんなこんなで神社の中でまたふて寝してる妖精達に暮羽が一時的に帰ってきた事を伝えると飛び出していった
ちなみに、三歩必殺で里まで吹っ飛んでったから、多分気絶してるわね
ナニされるのかは私には関係ないわ。何じゃないわ。ナニよ
戻ってきたらさっきはお楽しみでしたねと微笑んで言ってあげましょ。きっと面白いわ
「はやし~、お待たせ~」
「おかあさ~ん」
神社から出て境内に行くとはやしが足に抱きついてきた
そのままはやしを抱きあげて、腹を抱えて笑ってるルーミアとこいし、あと見知らぬ誰かに話しかける
「大丈夫かしら?」
「だ、大丈夫……久々に大笑いしたわ……」
腹を抱えながら、片手で目尻に溜まった涙を拭きながら、ルーミアが立った
「わ、笑いすぎてお腹痛い……」
「お、同じく……」
まだちっちゃく震えながら腹を抱えてうずくまってる見知らぬ誰かとこいし
笑いすぎよ……全く
って、こいしの心が読めない……?目が閉じた影響なのかしら……?
「それにしても久しぶりね、ルーミア。五、六年振りくらいかしら?」
「大体そのくらいね。元気にしてた?」
「えぇ、この子のおかげでね」
「おねえちゃんだれー?」
「私?私はルーミアよ」
「わたしはこめいじはやし。よろしくね~」
「えぇ、よろしく」
あ、喜んでるわね。表情には出てないけど
えっと……おばちゃんって言われなくて嬉しい……?
まぁ、分からないでもないけど……
「ていっ!」
ブスッ!
あっ
「目がぁ!目がぁぁぁぁ!!?」
だ、第三の目に目突きを!?
一応神経通ってるのよ!?目突きなんてされたらすっごい痛いのよ!?
「か、勝手に心を読まないでくれる?」
「わ、私だって読みたくて読んでるわけじゃないわよ!」
能力は自動で発動しちゃうから仕方ないでしょ!?
くぅ……目突きなんて初めてされたわ……こんなに痛いのね……
これからはなるべくやらないようにしましょ……
「あ、もしかして神経通ってた?」
「当たり前じゃない……」
「計画通り」
「よし、そこに直りなさい。ぶっ潰してあげるわ」
「あら?子供の前でそんな流血沙汰見せてもいいのかしら?」
「ぐぬぬ……」
流石にはやしの前でそんな惨殺事件は見せたくないわ……
ここは諦めるしかないわね……チィッ!
「まぁ、お詫び代わりにはい。これ」
ルーミアが手に持ってた袋から箱を取り出した
「結構前にある屋敷からくすねて来た高級お茶菓子よ」
「……まぁ許してあげるわ」
……輝夜の屋敷から?輝夜って誰よ
まぁ、貰えるものはありがたくもらっておくわ
っと、はやしが持ちたいみたいね。取り敢えずはやしに渡しておきましょ
「あと、お酒よ」
今度は酒を取り出してきた
「夜にでも、二人で飲みましょ?」
「そうね。はやしを寝かせつけた後でね」
「あっちとこっちでの出来事を肴にしましょうか」
こら、はやし。お酒はダメよ。あなたにはまだ早いわ
「あ~……笑った笑った」
「こんなに笑ったの何十年ぶりかな……」
あ、まだ笑いこけてた二人が復活したわね
「こいし。久しぶり」
「お姉ちゃんも。久しぶり~」
こいしは殆ど変わってないわね。第三の目以外は
まぁ、悪影響が無いみたいでなによりだわ
「……おかあさん?」
はやしが私とこいしが姉妹だからかこいしをお母さんって言ったわ
「違うわよ。こいしははやしのお姉さんよ」
……お姉さんでいいのよね?
あ、従姉妹になるのかしら?
「おねえちゃん?」
「そうだよ。はやしちゃん」
「んじゃ、お姉ちゃんになった記念にちょっとはやしをだっこしてて」
「えっ、ちょっ」
有無を言わさずはやしをこいしにだっこさせる
さて、あとは
「あなたは?」
そこの黒色の妖怪ね
「ん?私?私はぬえ。封獣ぬえ」
「ぬえ……名前からして鵺かしら?」
「正解。能力は正体を判らなくする程度の能力だよ」
「そう。私は古明地さとり。名前の通り覚の妖怪よ。能力は心を読む程度の能力よ」
「知ってるよ。こいしから聞いたから」
……うん、こいしとは息が合いそうな子ね
歳は私より少し下くらいかしら?
「その内移住予定だからよろしく」
「えぇ、よろしくね」
まぁ、中々話は合うかもしれないわね
「それじゃあ、神社の中でお茶でもしましょうか」
「さんせ~」
「よし、探索しよう」
「は、はやしちゃん!帽子返して!」
「あはは~、とってみろ~」
……今日は騒がしくなりそうね
暮羽「なんかはやしにさとりの歳を言おうとした辺りから記憶がないんだが……」
全員『気のせい気のせい』
暮羽が目覚めたのは翌日のことでしたとさ。ちゃんちゃん
はやしの能力はまた今度になりそうです
次回は引き続き帰省中の話か帰ってからの話のどちらかになると思います
なんかこの作品、短編集っぽくなってる気が……w




