お年寄りには毎日感謝しよう
VS鬼です
「鬼か……そういえば、あいつの名前、聞いてなかったな……」
俺は神力を隠して霊力は出せないので刀をいつでも抜刀出来るように構えておく
そういえば、酒を飲めた方がいいのか?
諏訪大社に着いたときにちょっとチャレンジしてみるか?
「おい、そこの人間」
はい、来ちゃいましたね
妖力をバンバン出して殺気まで出して……みょんだったら速攻で切り捨ててるぞ……
「俺と勝負しろ」
「……拒否権は?」
「無い!」
早速突っ込んできやがった
速さはあの鬼よりも遅い
「ふん!」
「よっと」
剣の鞘で防ぐ
「ほぉ、その刀、中々の物だな。名前は?」
「俺は暮羽。この刀は……」
さて……名前をどうしようか……
…………よし、決めた!
「羽桜刀だ」
「ふっ、よい名前だな」
力もあいつ程ではない
上回る程度の能力を使わなくても勝てそうだ
「らぁ!!」
相手の拳を押し返す
……つもりだったんだが……
「そんなものか?」
ですよね~
ま、上回る程度の能力は使わないけどな
「こいつでも喰らっとけ!!」
相手の腹に本気の霊力弾をぶつける
「ぬおっ!?」
よし、ぶっ飛んだ!!
今しかない!!
「零次元斬!!」
説明しよう
零次元斬とは、俺の次元を司る程度の能力があるからこそ出来る技である
刀で他次元への道を開き、相手をそのなかに押し込んで消滅させる技だ
零次元斬としたのは、他次元斬だと語呂が悪いからだ
何故か零次元斬がしっくりきた
まぁ、そんな技を生き物に使うわけがなく、
「……何故止めた…………」
もちろん、能力も使わず、寸止めだ
「生憎、生き物は殺したくないんでな」
「ふん、甘いな」
「俺は甘党さ……さて、この勝負、俺の勝ちだな」
「そうだ。煮るなり焼くなり勝手にしろ」
相変わらずいさぎがいいな
ま、ここは村人のために、
「この村の人間に無闇に勝負を仕掛けるな。そして、この村の人間の言うことは極力聞け」
「…………それだけか?」
「あぁ、それだけさ」
「……分かった。この村の人間には勝負は仕掛けん」
「それでよし」
そして、鬼は村を出ていった
何とか勝てたな……
よし、早速戻『うおぉぉぉぉぉぉ!!!』
はい?
「すげぇ!あの鬼に勝っちまった!!」
「この村の人間が誰も勝てなかったあの鬼をいとも簡単に!!」
「英雄だ!!」
「これで安心して暮らせる!!」
「兄ちゃん、ありがとう!!少しだが、お礼だ!!受け取ってくれ!」
「は、はぁ……どうも……」
そのあと、我も我もとお礼と言って食料や酒を渡してくれた
熱気が収まった頃には両手で持ちきれない程の量になっていたから収納用の次元にしまっておいた
鬼と戦ったときよりも疲れながら、宿に戻った
「ありがとう。これで安心して生きていけるよ」
「いえいえ、そんな大層な事はしておりませんよ」
「何か欲しいものはあるかい?用意するよ」
欲しいものか……
食料や酒は大量にあるからな……
あ、
「地図をくれませんか?」
「地図……かい?」
「はい。もしくは諏訪大社へ行くための道や情報を」
「ちょっと待ってておくれ。えっと地図は……あったあった。こんなものでよければ貰ってくれ」
その地図は、手書きみたいだが、紙の質が悪いらしく、少しボロボロに見えた
だが、地図には違いないのでありがとうと言って貰った
「えっと、ここが諏訪大社だよ。歩いていったら一ヶ月以上かかるから、その途中にある村に行くといいよ」
「すみません、わざわざそんな事を教えてもらって」
「いいんだよ。さ、明日の朝には出るんだろ?早く妖精達と一緒に寝てやんな。あと、上にある毛布は持っていきなされ。野宿の役にたつだろう」
「何から何まですいません。それでは、おやすみなさい」
さて、明日も張り切って歩くとしますか
……あれ?何でこんな手書き地図があるんだ?
……あのおばあちゃん、実は一回諏訪大社に行ったことがあるのか?
まぁ、今は明日のために寝よう
くれはは ちずを にゅうしゅした
暫く、こんな感じの話が続きます
それでは、また次回




