酷評のしかた
私は作品を酷評されるのが大好きである。
「珍しいね」などとよく言われるが、そうであろうか?
酷評されるのが好きだからといって、褒められるのが嫌いなわけではないのだ。褒められるのはもちろん、嬉しい。
しかし、褒められてばかりいると、疑心暗鬼に陥りそうになるのである。
『なぜ、このひとは、褒めるばかりするのだろう?』
『もしかして──自分の作品も褒めてほしいからなのだろうか? いや、そんなわけは……』
『はっ!? もしかして、AIなのでは? AIはこんな感じの褒めそやししかしないものだ……』
『あっ! もしや「褒め殺し」をしようとしている? ほんとうは悪い点だと思うところも褒めて、悪いところを改善することをさせずに、天狗にさせて、自滅するのをねらっているの!?』
そんなわけはないのですが──
褒められてばかりいると、かえって私はやる気をなくします。
ぬるいお風呂に浸かってる気分になって、眠たくなって、そのまま浴槽の中で死を迎えてしまいそうになります。
そんな時に「おまえ、下手くそだなぁwww」とか声をかけてもらえると、「やんのか?(๑•̀ㅂ•́)و✧」と立ち上がれます。
そんな罵倒でなくても、悪い点をしっかり指摘されると『ああっ……! そうか、気づかなかった! 畜生! 次はそうはいかないぞ! 倍返しだ!』みたいにシャキッとします。
酷評というのは私にとって、やる気の素です。
悪い点を見つけたら、ぜひ、遠慮なく、そこを叩いてほしい。
ただ──
『こういう酷評は毒にも薬にもならない』というものがあります。
そこでこのエッセイでは、『正しい酷評のしかた』というものをレクチャーしてみたいと思うのです。
メモの用意はいいですか?
それではしかとお聞きなさい!
①具体的に酷評せよ!
よくあるのが『何を言ってるのかよくわからない酷評』です。
これは意味がわからないだけにダメージを受けようがありません。
作品に書いてもないことを勝手に作って攻撃したり、なぜそう思うのかを論理的に説明せず、自分の印象だけで『おかしい!』と決めつけたり……
具体的というよりは、完全に抽象的なんです。
それを具体性があるっぽい書き方で書くから、ご本人に抽象的な文章を書いている自覚がなく、反論するのもとても厄介です。
せめて作品の一部を抜き出すなりして、ご自分の印象で『この文章はおかしいです』とだけ書くのではなく、『なぜおかしいと思うのか』を具体的に書いてください。
そして私がおかしくないと思う理由を返したら『いいえ、おかしいですよ』とだけ返すのをやめてください!
②酷評するために酷評するな!
最初から『しいなさんは褒められるのが嫌いで、酷評だけされたいらしいから、酷評してあげよう』みたいに、酷評するために酷評するとおかしなことになります。それに前述した通り、私は褒められるのが嫌いなわけではありません。褒めるべきだと思った点まで酷評するのはやめましょう。
……って、そんな酷評された記憶はさすがにありませんが──
っていうか、褒めるべきだと思った点まで酷評するスタイルはなかなか面白そうだと思ったりもしますが──
とにかく無理に酷評する必要はありません。
心理的負担をおかけしていたなら謝ります。お好きにしてくださいm(_ _)m
③作者を酷評するな!
酷評していいのは作品だけです。
『作者が低学歴だから作品もそんな感じになるんですねw』みたいなのは作者への攻撃になります。やめてください。
私は作品に対してはどんな厳しいお言葉でも有り難く頂戴いたしますが、作者に厳しいお言葉をいただくと死にたくなる場合もございます。
ただ、『お金持ちの主人公を描いたのは、しいなさんが貧乏だから、お金持ちになりたいという願望ですか?ww』みたいな『いじり』については喜びます。どんどんいじってくださいませ。
④『これってAIに書かせてますよね?』だけの酷評
前にいただいたことがあるのですが、よくわかりませんでした。
それだけ言われても、『だから何?』としか思いません。
AIに書かせることが良いことだと思っているひともいらっしゃいますし、私もどちらかといえばそうですので、酷評されているのかどうかもわかりません。せめて『AIに書かせた小説は私は嫌いですし、レベルが高いとも思いません。こちらの作品にはそんな匂いがプンプン感じられました』とでも書いていただければ、「自分が書きましたけど、AIさんの文章に似てるんですね? 参考になります(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾ぺこ」と返すことができます。
あなたのスタンスを明確にしましょう。
⑤「面白くなかったです」等の一言酷評
毒にも薬にもなりません。
あなたの好みに合わせようとは思っていません。
⑥自分の正しいと思うことに従わせようとする酷評
これがよくあるんです。
「こういうのが正しいのに、あなたはなぜそれをしないのか?」みたいな酷評……
それは私があなたの正しいと思うそれを必ずしも正しいと思っていないからですなんて、当たり前のことを言わせないで!
誰もがあなたの言う通りにしたら、小説はみんな同じようなものになります。個性なんてなくなります。
せめて読んだ作品が持っている個性はそのままに、その作品に対する酷評をしてください。
振り子打法でバッティングするイチロー元選手を見て、「そのバッティングフォームはおかしい。ふつうの打ち方をしなさい」なんて押しつけないで!
二刀流ですごい成績を出している大谷翔平選手を見て、「どちらかひとつにしなさい。ふつうはそうするのが正しい」なんて矯正しようとしないで!
正しいことが決まってるなら、新しく小説なんて書く必要はないんだから!
あっ。もちろん、「括弧の中の文末に句点はいりませんよ」とか、「である調で始まったのに、途中からですます調に変わってますよ」みたいな、正しい文章作法を教えてあげるみたいなのは問題ありませんよ(*^^*)
このエッセイだってそうですからね。
では、どういう酷評がいいのか?
それについても少しだけ触れておきましょう。
こんな酷評を、私はされたい。
メモの用意はよろしいでしょうか?
それでは、しかとお聞きなさい!
①『具体的に、正直に「ここがおかしいと思った」という点を挙げて、おしつけがましくなく、作者を攻撃しない』
まぁ……、上に挙げたものの逆ばかりなのですが、まぁ、べつに、『素直に思ったことを書く』だけでいいと思います。『こうしなさい!』というのはなく、ただ上に挙げたような酷評は毒にも薬にもならないから困ってしまうというだけです。
②『「おまえ才能ないなwww」みたいな煽り』
これは大変有難いです!
お風呂で眠ってしまいそうになっていたのがシャキーン! と目が覚めて大変有難いです!
上の『一言酷評』と似ているようで全然違います。面白くなかったという好みの告白ではなく、明確な煽りですから! また『作者に対する酷評』でありながら、「なんだコノヤロー!(๑•̀ㅂ•́)و✧」と、作者の『やんのかオラァ!?』みたいなやる気を爆発させてくれます。是非ログアウトして、匿名でしいなを酷評してください。
もちろん酷評するなんてしたくないならしなくてもいいですが──
私は遠慮なく酷評してもいいやつだということだけ、お知り置きください。そしてストレス発散目的でもいいので、モグラ叩きのモグラのように叩いてください。喜んでにょっきり伸び上がりますので(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾
ただ、上に挙げたような酷評は、作者にとって毒にも薬にもならないよとだけ、言いたかっただけのエッセイでした。
また、もし私が感想等で叩かれているのを見かけても、それは私が叩かれて喜ぶドMだからだと覚えておいてください。私を叩いてくれる有難いひとを叩かないよう、お願いします。
なろうって、優しいひとが多いですからね(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾




