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作家志望の普通さんと特進でバカな僕

作者: 冬木 朔
掲載日:2026/07/03

特進と普通のラブコメ!

「だから、ここの答えは、こう」

「わかった」

「本当に?」

「じゃあ、次の問題も教えて」

「おい特進」

「問題難しい」

「はあ。

じゃあ、特進なんかに入んなよ。私と一緒の普通でよかったじゃん」

「ふふふ」

「…本読みたい」


呆れられる。

僕は笑顔でごまかす。


高校1年生の夏休み。

特進の宿題は半端なく多い。

毎日勉強しないと終わらないだろう。




―夏休み直前。


「お願い、宿題手伝って!」

「何で?」


手を合わせ、頭を下げる僕。

冷たい表情で返してくる幼なじみの少女、広(ヒロ)さん。

広さんは僕とは違い特進じゃない。普通の普通科。特進も普通科なんだけどね。


明日から夏休み。

周りの生徒たちは「夏休みどこで遊ぶ?」とにぎわっている。普通の人たちにとっては夏休み=遊べる長い休み、なんだろう。僕ら特進とは全く違う。「塾が」「宿題が」「遊べねえ」と若干お通夜なのに。


「どうして普通の私が、特進のキミに教えてあげないといけないの?」

「えー、だって広さんの方が頭良いじゃん」

「由々しき問題…」

「前の模試だって学年1位だったじゃん、特進よりも頭良いんだから特進に入ればいいのにさ」

「特進は難関大学に絶対に行きたいっていう人が入る所じゃない。私は、私はそんな意識してないの」

作家になりたいんだもんね、とは言えない。なりたいなら堂々としたらいいのに、創作は恥ずかしいって思っていて秘密にしているのだ。知っているのは幼なじみくらい、小学生の頃は隠してはいなかったから。

恥ずかしくないんだけどな、全然。

「頭が良いなら困っている人を助けるべきでは?」

「特進のためにならない。特進のキミのためにね」

「僕はいいんだ、いいんだよ」


「私は本を読みたいの。邪魔しないで」

「昔は教えてくれていたのに」

「幼稚園の話?」

「小学生の話」

はあ、とため息を吐かれてしまう。


好感度0。

手伝う気0。

そんな広さんに、僕は土下座で許してもらった。

ざわめいた教室、「キミのおかげで特進というイメージが崩れていくわ」と言う広さん。


広さんともっと近づくために特進に入った。

特進なら広さんに勉強を教えてもらえると思ったから。

広さんは夢があるから特進に入らないだろうと思っていた、僕が勉強しないといけない状況になればそれでよかった。


だって、広さんは頭が良いから。

特進の人たちよりも頭が良いのはビックリだけど。




「やっと数学が終わった」

「まだ1枚目じゃん。特進の宿題多すぎ」

「毎日来ないといけないね、広さんの部屋に。初めて入ったけど本がたくさん!」

「私も、初めて人を入れたよ」

友達いないのかー。クールだからなー。頭良いし可愛いのに、清楚な感じで。


広さんの作品を見て「これ」「か、勝手に見ないで!」て顔を赤くされたり、「BL本が」「淑女のたしなみ!」て新たに秘密を知ったり。

まだ夏休み初日だけど、そんな展開はないのかな?


「ないから、絶対に」

「以心伝心だね」

「は?」

睨まれた。

最後までお付き合い、ありがとうございました!

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