5話「夢の少女」
その日───運命の出会いがあった日―――の夜。
僕(楽斗)は珍しく考え事をしていた。
夢。自分に少女が話しかける夢。
あの夢は何の意味を表しているのだろう?
う~ん・・・・?
10秒ぐらい唸っていたが、すぐに飽きてしまった。
僕はやっぱりこういうの向いてないなぁ・・・。
やっぱり寝てみようかな?。
昨日は夢を見れなかったけど・・・。
うん、やってみよう。今から諦めてもしょうがないよね。
僕はいつもよりも早く、寝ることにした。
「楽斗、もう寝るの?」
「うん、おやすみぃ!」
母親に挨拶をしてベッドにはいる。
ベッドにはいるとすぐに眠くなった。
うとうとしていると睡魔に僕は敗北。
眠りについてしまった。
「・・・楽斗・・・楽斗」
「う・・ううん。」
あれ、自分の声が聞こえない?
「聞こえていますか?」
「だ・・誰?」
その時僕は気付いた。これは夢の続き!?。
「腕輪・・のこと・・・覚えてま・・すか?」
やっぱり彼女の声は、ここで響いている。
「それは・・・とて・・も・・大切」
うん、知ってる・・・え?内容変わってなくない?。
「ねぇ?どういうこと?君は誰?」
聞こえてないのか、少女は反応しない。
「よく・・・聞いて・・」
ん?別の内容かな?。
「・・・貴方の近くにいる人に・・・伝えてほしいことが・・」
伝えてほしいこと・・?。
「暁の・・・少年に・・・」
暁の少年?。誰の事?。
僕の脳内に1人の人が浮かんだ。
・・・風紋のことかな?。
本名は暁風紋だし、髪の毛も暁色をしている。
その呼び方は合っているかも・・・。
しかも風紋は僕の昔からの親友だ。
近くに居る人、というのもうなずける。
「風紋のこと?」
声はやはり届かないのか、返事は無い。
「彼・・・に・・この腕輪に・・つ・・いて・・話して」
この腕輪について?風紋に聞くの?。
たしかに、風紋は頼りになる部分があるけど、こんなこと信じないと思うけどなぁ。
現実主義者だし・・。
すると、少女はもう一度口を開いた。
「・・・・でも・・1つだけ・・・」
1つだけ?なんのこと?。
「彼に・・腕輪を・・触・・らせ・・な・・」
そこまで言うと、急に視界が明るくなった。
朝になったらしい。
少女の声も急に聞こえなくなった。
「・・・夢終わっちゃったみたい」
自分の声も普通に響く。
う~ん何だったんだろう。
風紋に聞かないといけないってことは分かった。
でも、夢の少女のことも話していいのかな?。
あと、あの少女は最後に何て言いたかったんだろう。
(彼に腕輪を触らせな)まで聞こえたけど・・・?。
触らせないで。ってことかなぁ・・・?。
そういうことにしておこう。わかんないし。
すると、1階から声が聞こえた。
「楽斗!今日も遅刻するの?」
え・・遅刻?。
「時間があああああぁぁぁぁぁぁ!!やばい!まじでえええぇぇぇ!」
あ、なんかデジャヴ。
時間に今日も追われることになった。
夢を見るたびに、こうなっている気がする。
僕はやはり今日も朝食にありつけず、学校に急いだ。
学校に着いたのはチャイムと同時だった。
HRの間に準備を済ませて、HRの後の休憩時間に隣の教室に走った。
「お~い風紋~!」
隣のクラスの風紋を呼ぶ。
クラスに入ってすぐに叫んだので、少し隣のクラスの人に、白い目で見られたが。
「風紋~!居る?」
「あ・・林堂。おはよう」
2回呼んで気付いてくれたらしい。
風紋がこっちに来てくれた。
しかし、来たのは風紋だけではなかった。
他に2人、人がいた。
風紋のクラスメイトかなぁ?。
1人は黒髪の坊主。
見ているだけで暑苦しい感じの人だ。
しかも、ちょっと怖そう。
もう1人は、すこし青交じりの白髪の子。
ヘッドホンを付けていて(学校に持ってきていいのかな・・・)さっきの人とは反対に、涼しそうな感じの人だ。
「おい、暁。こいつがお前の親友の奴だよな」
黒髪の方が風紋と話している。あれ?この人達どこかで見たような・・・?
「よう、俺の名前は竜宮辰彦だ。お前は?」
え?自己紹介・・・!?え~と・・。
「ぼ、僕は林堂楽斗!。」
いちおう名前を言う。良かった、向こうもあまり怖くなさそうだ。
その時思い出した。あぁこの人昨日風紋と一緒にいた人だ。
「楽斗、これからよろしくな」
竜宮君はニッと笑った。口の間から白い歯が見える。
あれ?「楽斗」呼びなんだ。じゃぁ僕も下の名前で呼んでいいよね。
「こっちこそよろしく。辰彦」
新しい出会いを体験していると、もう1人の子も声をかけてきた。
「林堂君?。僕は白雪修羅だよ。竜宮君とはお友達なんだ。よろしくね!。」
「え!?あ、よろしく!!」
2人もの人にいきなり名乗られて混乱状態だ。
あ、でも僕は風紋に用があるんだった。
「風紋、聞きたいことがあるんだけど・・・」
すると、風紋は少し不思議そうな表情を浮かべた。
「え?あぁうん。何のこと?」
リストバンドの事は辰彦達にも伝えていいのかな?。
僕は少し悩んで、辰彦達にも話を聞いてもらうことにした。
2人より4人だよね。
「これを見てほしいんだ。」
僕はリストバンドを3人に見せた。
こんにちは、蒲沢公英子です。
5話更新しました。
早い更新ができてよかったです。
「晴嵐が昇る時に」は、視点変更が多く読みにくいですね。
自分で読み直して思いました(汗
でも、4人が出会ったことで、少しマシになると思います。
まぁ・・・自分の能力ではどうやっても読みにくいのですが。
きちんと考えながら、書いていこうと思います。
では今回はここまでにします。
次回お会いできれば幸いです。
次回予告
楽斗のもとに集まる少年達。
彼らの出会いによって、リストバンドはついに力を見せる。
晴嵐が昇る時に、6話「黒き能力」。
リストバンドの能力とは・・・?