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3話「壊れた日常」

翌日。

そう、楽斗が変な夢を見た翌日。

一人の少年が道端を歩いていた。


男子とは思えないくらい、長くサラサラな髪。

それは、朝焼けのような赤色をしており、今は頭の高いところでまとめられている。

優しそうな眼、柔和な笑み。こんな少年に声をかけられたら、普通の女子は何も言えなくなるかもしれない。


少年が歩いていると、後ろから声をかけられた。

「よっ!暁。おはよ!」

少年―――――暁風紋あかつきふうもんは後ろに振り向いた。

暁という苗字がよく似合う髪が、光に反射して光って見える。

「おはよう。竜宮。」

すると、もう一人の少年―――――竜宮辰彦りゅうぐうたつひこがニッと笑う。

風紋とは正反対な、坊主頭。

それは普通な黒色で、少し暑苦しい印象を思わせる。

一見怖そうだが、根は優しい奴である。

「なぁ、今日はいい天気だなぁ・・・。授業中眠くてしょうがないぜ」

辰彦はもう寝てしまいそうな雰囲気である。こっちも眠くなった。

「でも、暁は集中力すごいよな。」

「ううん。僕もたまには寝てるよ。授業中」

今日は暑い、汗で髪が首に張り付く。

「おい暁、暑そうだな髪の毛」

「はは・・いつものことだよ」

「俺みたいに切ればいいのに、涼しいぞ」

「遠慮しとく」

辰彦がガハハと笑っていた。


いつものように会話をしていると、すごい足音が聞こえてきた。

猛スピードでこっちに来るのは、影で人に見えた。

でも、速さは人知を超えている。

「竜宮君~~~~!!!!」

それは一瞬の出来事だった。

辰彦の頭に一瞬影が見えたと思ったら、地面に辰彦が倒れていた。

「うあ・・また倒しちゃった」

辰彦を倒したのはまたもや少年で、白髪でヘッドホンを付けている。

彼は少し涼しげな容姿の持ち主だった。

いつもはニコニコしているのだが、今は少し反省しているようだ。

「お、おい白雪・・・。また俺のこと倒したな」

辰彦がなにか呻いている。

白雪修羅しらゆきしゅらという名前の少年は、ごめんと謝りながら辰彦の手をひく。

「おはよう、白雪」

「あ!おはよう暁君」

「おい・・・お前らこっちを心配しろ」

「あ・・ごめんごめん」

いつもののどかな(?)朝。学校について教室へ向かう。

「暁!おはよう!」

能天気な声が聞こえた。

後ろに振り向く。

そこには、リストバンドをつけた親友がいた。

「おはよう、林堂」

風紋は楽斗と親友だった。

ただ今回のクラス分けで別々になってしまい、あまりかかわれなくなっている。

「あ、んじゃぁ僕、自分の教室行く。暁もがんばってねぇ」

「うん。じゃぁね」

2人は別々の教室に向かった。

「なぁあの奴ってお前の友達?」

辰彦がきいてくる。

「うん、昔からの付き合いなんだ」

「へぇ・・今度紹介してくれよ」

「え?まぁいいけど」

雑談をしながら教室に入る、悪くは無い光景だ。

担任によるHRや、教科ごとの授業。

ぼーっとしてても時間はたっていく。

そのまま自分の意識が飛んでしまいそうだ。

「ねぇ・・・暁君?。大丈夫?」

修羅の声で意識がしっかりした。

「・・あ、うん大丈夫」

「本当に大丈夫?。あ!そうだ、一緒に給食食べよ」

「あ、うんわかった」

修羅の方へ走る。

もう給食時間か・・・。

時間が止まってほしい、できればこのまま。

僕がそう考えるのには理由がある。

それは、とってもわがままな理由だけど・・・。

そう、僕は


家に帰りたくないのだ。


「大丈夫か暁?」

辰彦の声が聞こえた。

「す・・少し考え事してただけだよ。大丈夫」

我ながら下手な芝居だったと思った。

「おい、顔で丸わかりだ。悩みでもあるのか?。聞くぞ?」

悩み・・無いことは無い。でもこれは2人に話していいことじゃない・・・。

「本当に何もないよ、大丈夫」

「そうか・・・」

辰彦は気に食わないみたいだけど気にしないでほしかった。

結局この時間は、辰彦と修羅の話を適当に聞き流すだけにしてしまった。


「今日はここまでにします」

先生の合図で解散になる。

この時間が苦痛すぎるのだ。

帰りたくない・・・。でも、その願いはかなわず家に帰ることになってしまう。

「暁、一緒に帰らねぇ?」

「ううん。ごめん用事があるんだ」

辰彦の誘いも嬉しいけど、帰りは1人で帰ることにしている。少し事情があるのだ。

「そうか、じゃぁ明日!」

「うん、じゃぁね」

僕は1人で帰途についた。


帰宅後

「ただいま・・・」

明るい挨拶なんかできない。

この家はそんなことは命取りなのだから。

僕は足を踏み入れようとして、ひっこめた。

すると、さっき足を踏み出しかけていたと所に、深々と刃物が突き刺さっていた。

さっき、足を引っこめていなければ、足に刺さっていただろう。

でも、こんなものは日常茶飯事なのだ。

廊下を歩くだけで十数本の刃物に襲われる。

僕はそれをかろうじてよけて、リビングに向かわなければならない。

普通の家ではありえない光景だろう。

でも、ここではありえる。ここは普通じゃないから・・・。


暁家は、平安時代ごろから簡単にいう忍者の家系だった。

忍者そのものの存在は、ほとんどいなくなっている。

しかし、暁の性を持つ僕は、忍者の末裔なのだ。

そして暁家は、忍者としてではないが、いまだにこの国の秘密機関で暗躍してたりする。

僕は後継ぎとして修行を受ける必要があった。

今までの刃物は修行だったのだ。


「・・・父上、ただいま帰還いたしました」

「・・・ごくろう」

父の声がする。

父こそが僕の師である人間だ。

僕には母がいない。僕が小さい時に離婚したと聞いている。

その日から、僕は毎日のように父親に刃物を向けられてきた。

そのたびに自分がボロボロになっていっている。

毎日、服で隠しているのだが傷跡の数は半端ではない。

「・・今日はどういたしますか?」

いつものように今日の予定を聞く。

「・・・・そうだな・・」

相手の返答を待っていると、急に背中に違和感を感じた。

ゆっくり振り向くと・・・背中に刃物が刺さっている。

「――――っ!!」

悲鳴を挙げることが出来ない。

「・・・後ろには気を配れと言ったはずだ」

その声と一緒に刃物が抜かれる。

「・・・す、すみま・・せん」

激痛で呼吸が乱れる。

でも、こういうこともよくあることだ。

それこそ毎日のように。

だから僕は家に帰りたくない。

殺されるかもしれないから。

助けを呼ぶこともできそうにない。

そんなことをすれば、僕は即死だ。


―――――誰か助けてくれ


こんにちは。蒲沢公英子たんざわぽぽこです。

更新遅れてすいません。

でもこれから、かなり遅いスピードの更新になりそうです。

なるべくがんばりますが・・・


さて、今回は少し長めになってしまいました。

新キャラさんもかなり出たうえに、1人はいきなり主人公という・・・。

不親切ですいません。

一応この話の主人公は楽斗君ですが、彼は今回2言しかしゃべってません。前回に関しては、登場すらしてません。

こんな感じでこれからも進んでいきます。なので主人公の出番が少ないのは承知の上でお願いします。


それにしても、キャラクターも大体そろってきて(まだいますが)そろそろ本格的にスタートです。

それにしてもこの話、普通に30話超えしそうです・・・。

長いですかね・・・・??

では、今回はこの辺で、また会える日を楽しみに。

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