【プロットタイプ】絆の赤
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
三人とも、口にはあんまり出さないけど、創作部の活動を大切に思っていたら良いな。
「鏡花、お前の髪借りるわ」
自作のイラストを書いていた瑠衣が鏡花に声を掛ける。鏡花は珍しく黙って筆を進めていたが、その声に顔を上げる。
「何? 切った方が良い? 君になら、この超ロングヘア上げちゃうぞ〜?」
そう言いながら、鏡花は鞄の中から文房具の鋏を取り出した。
鏡花の髪は非常に長い。この間髪型を変えて下ろしていた事があったが、腰まで届くストレートだった。其れを今、サイドテールに纏めているのだが、その付け根に鋏を入れようとしている。
「ちょっと!!」
私が止める間もなく、瑠衣が立ち上がり、冷ややかな声を浴びせかける。
「その必要はない。切ったら意味が無い」
瑠衣は鏡花の高い位置に纏められたサイドテールを解すと、四方八方から鏡花の様子を観察する。時に鏡花の体を指を当て、目処を立てる様に視線を動かした。
「束ねると意外と短くなるんだな。まぁいい」
そうして飛び出したのは真っ赤なリボン。長さは鏡花の髪の二倍近くある。其れを鏡花の髪に括り付け、編み込みを始めた。
「鏡花の髪はとても綺麗だよね」
鏡花の髪は色素が薄く、艶がある分、光の加減によって大きく色を変える。薄暗いと黒、夕陽を浴びると茶、強い光だと銀。ただ眺めているだけでも、部分部分によって色が変わる。
「もっと褒めるが良いぞ〜? ゆらりぃ〜」
そうして完成したのは、リボンが混ざった三つ編みだった。メッシュでも入れた様なアクセントが彼女の髪によく映える。
「やっぱ原本があるとやりやすいな」
そう言いながら、瑠衣は鏡花の髪を元にイラストを上げていく。見たまま、あるがまま、リボンの部分だけに色を添えて、完成した。
「やるじゃん、瑠衣たん。ただでさえ可愛い私が更に可愛くなったぞい」
「そうだね。やっぱり鏡花は赤が似合う」
「瑠衣たん、学生時代にさー、私に三つ編みしたの、覚えてる?」
すると瑠衣は眉間をぐにゃりと歪めて、こめかみに指を当てた。どうやら記憶に無いようで、思い出そうと躍起になっている様だった。
「私、今でも持ってんだよ。私にとっての黄金時代は創作部の活動だから」
例え三者三葉、互いが互いに連絡を取り合わなくなっても、あの時交わした会話を忘れないように、今でも持っている。
「ま、離れるどころか結婚して、ゆらりぃとも頻繁に連絡取ってるから、残しとく必要も無くなったけどね」
「次は淡い恋愛小説か?」
「いいねぇ。湿度マシマシ。感情クソデカで行こうか〜」
創作部、ガチ勢。
最初(主に諭羅)と、鏡花が瑠衣にガチ恋した時だけ湿度高そうだけど、それ以外はカラッとしてそう。
大抵、除湿かけるの瑠衣たんですが。
三者三葉、あの時が何よりも大切な黄金世代だと良いと思います。
そうして、なけなしの鏡花の人格も、其れを忘れないようにリボンはずっと持ってて欲しい。
明日は湿度高めの恋愛小説でも良いですね。
プロットタイプの鏡花が書いてそうですが、プロットタイプ関連の人々は出なさそうなので、タグ付けは考えます。