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ボーイ・ミーツ・ボーイ  作者: ピリカピリララ
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十四話 勉強会2


 日は少し流れ、テスト一日目。の時刻は放課後ーーーー。


「おいっーー!なんだよっ!あれぇっ!ダメだ。確実に赤点だ。補習だ。」


「いやはや確かに難しかったねー、数学は。一年最初のテストは簡単に作るのがセオリーなんだけどなー。」



 嘆くタイガと楽観的な天音がいた。


 ーーー僕の部屋に。




 ほんとにこいつらは…。いちいち僕の部屋で勉強会を開かないでほしいのだが。というかなんのセオリーだよ。


「なによ、そんな不思議そうな顔して。もしかしてこの天音さんに惚れちゃった?」


「うるさいぞ変態。なんのセオリーだか知らないけど、舐めてかかるから失敗するんだぞ。」



テストまでの三日間、タイガは天音の指導のもとテスト対策をしてきた。三日という日数でいい点を取ることはできない。


 しかしタイガは赤点で補習行きとなることを回避しようとしてきた。天音も削げるところは削ぎ、必要最低限の箇所だけをタイガに覚えさせ、堅実に点数を取らせようとしてきた。


 しかし数学のテストは結構難しかったのだ。基礎だけでは得点の取れない応用問題も多く、重箱の隅をつつくような問題も出た。実際、僕も結果に自信はない。



「高校教師のセオリーよ。中学からあがりたての勉強習慣のできてないガキが、難易度の上がった高校のテストを受けていい点取れるわけ無いじゃん?まぁ高校の範囲が難しいだけで今回は中学の範囲もあったけどね。高校数学の最初は中学数学の復習とかその延長でしかないから簡単なんだけどなー。」


「まぁ、確かに。そう考えると難しく作るのほうが難しいのに無理矢理難しいテスト作ったような。テストを作った先生の気概を感じるな。この登竜門をくぐっていけー、高校の洗礼を受けろー、みたいな。」


「そう!きっとテストの制作者は柳田だよ。数学の柳田。こんな意地の悪い問題出すのは性格も顔も悪いあいつしかいないね。顔を思い出すとなんかムカムカしてきた。」



 意地はともかく顔て。失礼にもほどがあるぞ、天音よ。



「お〜い…せいしろぉー、あまねぇー、俺はどうすればいいんだ〜。あと二日あるのに初日からこうだと俺は持たなそうだぞぉ〜…。」



 そう、テストは三日間。そのうちの一日である今日は数学を含む二教科が執り行われた。


 しかーし、ここで朗報!今日は金曜日。明日以降は土日。つまり休みである。テスト初日は金曜日に行われるが、二日目と三日目は休み明けの月曜と火曜に行われるのだ。


 この金曜の午後と土日休みをフルに使えば相当量の勉強時間が確保できるのだ。



「まぁまぁタイガ。過ぎたことは悔やんでも仕方ない。今更なにをしたって数学の点数は変わらない。そうやって時間を無駄にするくらいなら次の勉強しようぜ。」


「そうね。今日と明日、明後日の土日、少し基礎以外も取り入れて勉強しましょう。」


「はぁ〜〜い…。」




 そんなしょんぼりとしたタイガの声とは裏腹に明るくほんわかした声が聞こえてきた。


「せいちゃーん。お茶とおせんべいもって来たわよ。タイガくんも天音ちゃんもどうぞ食べて〜。」



 わが母親、近藤明美(あけみ)である。


「母さん。まだお昼食べて一時間も経ってないし、お腹も減ってないよ。お茶もお菓子もいいから部屋から出てって。」


「もう、せいちゃん。お客さんにはまずお茶でしょ。そんなことも教えない親の顔が見てみたいわ〜。」


「いや、生みの親も育ての親もあんただよ。」


「そうだった。わたしだった、てへっ。」





 このバカ親、この数日間の勉強会のときには何かと理由をつけて僕の部屋に入ってきた。





「いやー、嬉しいっす!こんなきれいな方にお茶をついでいただけるなんて。」


「あらもう!嬉しいこといってくれるわね〜。せいちゃんったら!いつの間にこんないい友達作ったの〜?」


「うるさい。いいから母さんは早く出てって。タイガも人の母親を口説くな。」


「もう、せいちゃんったら。この前までは一人でヒーローごっこしてたのよ、この子。母さん、なんて無粋な呼び方じゃなくって前みたいにマリア、って呼んで。マリアって聖母のことじゃない?せいちゃんが母さんのことそんなふうに思っていてくれたなんてすごい嬉しかったんだから。」


「あぁぁーーうるさい、昔のことはいいから。ほら出てって、シッシッ。」


「あっ、ちょっとまって〜。押さないでせいちゃん〜〜。」




 よし、悪は去った。勉強会を続けよう。




「それにしても明美さんいつになってもきれいよねー。なにか美の秘訣とかあるのかしら。」


「そうだな!ほんとにきれいだな。誠士郎の母ちゃんは。全てを包みこんでくれそうな優しさがありながらも大人の色気が感じられるいい女性だぁ〜。」


「おい。人の母親で発情するなサル。」


「誰がサルだぁー!」


「いいから勉強再開しようぜ。やばいんだろ?二日目と三日目の範囲も。」


「そうね。再開しましょう。金曜の午後というだけでも十分な時間がとれるわ。休みの日をあてにしないでやれるところまでやっちゃいましょう。」


「はーーい。」



 テスト二日目まであと三日。タイガはどれだけ点数を伸ばせるのだろうか。僕も観客として見ているわけにはいかないな。僕は僕の勉強をしなければ。



 そうして僕とタイガと天音。勉強漬けの三日間を送るのだった。



少し前にも記載しましたが、本業が忙しくなるので今後は不定期にアップします。見てくださっている方には申し訳ありません。

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