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捏造の王国

捏造の王国 その66 ニホン国に春は来るのか?無能、無策に聞かない力を大発揮!国民の悲痛な声に耳も貸さずに予算決定!

作者: 天城冴

3月間近というのに寒波が襲うは、ウイルスは猛威をふるいまくるニホン国。大多数の苦しむ国民のためにならぬ予算可決にほっと一息のキジダダ総理のもとに、地獄の書記官のいやーな声が…

2月も終わりに近づくも、北の地域では氷河期が来たのかと思える大寒波に、西の大都市ではマスコミやら芸能事務所やらの首長ヨイショにもかかわらず新型肺炎ウイルスの感染者、死者激増という大災害に見舞われているニホン国。ここ、官邸でも人災だか天災だかに見舞われていた。

「ああ、この梅の香りがほっとする。このところ米ロ対立やら国会関係で頭が痛い。ウクライナへの侵攻で、ロシアに制裁するっていったものの、効果はあるんだろうか。というかニホンだって結構打撃なんだ。アメリカからはガスをヨーロッパに回せと言われるし。こっちはガソリン高騰でいろいろ突き上げが、…」

と、飾られた梅の花に顔を近づけるのはキジダダ総理。本当なら心安らぐアロマオイルを優雅に香らせるはずが、品不足で手に入らず、生花のわずかな匂いをかぐことにしたらしい。

“あ、いいですね、梅の花。しかし、各所で新型肺炎ウイルスの関係で梅まつりは中止、延期。ひな祭りも危ういというのに、いい御身分ですねえ、キジダダさん。さすが世襲、無策でも、こんなに優雅なことができるんですねえ”

とガラスの花瓶の表面に浮かび上がったのは地獄の書記官。ニホン国の荒廃のために地獄行き死者激増の責任がだれにあるのか調べるため、閻魔大王ほかにせっつかれ、現世に出張中。本職である現世での罪を調べ暴くという能力を使い、罪がありそうなニホン国の与党ジコウ党の面々やら、太鼓持ちの学者、芸人やら、マスコミやらに顔をだしていたのだが、やはり現トップのところに出現したようだ。

「何か、いやな声が聞こえたような。いや、きっと空耳だ。レイワンのヤマダノタロウだのか国会で騒いだから、それをきっと思い出したのだ、ハハハ」

“あのー、あの方は質問時間が不足とちゃんと届け出だしたのに、なんのかんのと難癖付けて与えず、しかも予算の審議をロクにしないで、可決しちゃったから、抗議したんですよねえ。決めちゃえば、なんでもいいんですかあ?投票権がない私どもが言うのもなんですけど、地獄行きの亡者がさらに増えそうな予算案なんで、こっちは困るし、ニホン国民の皆さんにもよくないんじゃないんですかあ”

「あー、いいんだ、ミンミン党のミンコク派のタマギギ一派だって賛成したんだし。彼らは野党…」

“タマギギさん、すでに野党じゃないとか言われてますけどお。金の亡者、訴訟他で相手をビビらせれば勝ちとか勘違いしているメイジの党の方々からも、あの予算案では―とか言われてますけど。そのお、ガソリン代下げるったって、売る会社に金やっても、ため込むだけで、利益削って安くしようなんて考えてませんしー、ニホンの会社でもニホン国民への社会的貢献なんて一ミリもないんですねえ、あの方々。CMなどで貢献するフリはうまいですけどお。広告会社を利用したイメージ戦略とかあ、テレビ出演でウケ狙って、感染状況が最悪、医療崩壊しつつあるのを誤魔化すメイジの党さんのやり方は、ああいうのを見習ったんですかねえ”

「あー、と、とりあえず、予算は可決したし、も、もう国会も閉幕するし」

“あのーウクライナ関連でしたっけ、これから本番ですけど。いろいろ審議とかしなくていいんですかあ。まあ、もっともロシアのプータン大統領とマブダチとかいってたアベノ元総理は、この危機に麻雀とかやって、関係ないみたいな顔してますけどお”

「あ、アベノさん…。なにかと文句だの茶々だのいれてくるくせに、肝心なところでは全く役に立たない。こんなときこそ、その友情だのを利用してプータン大統領との橋渡しをしてくれれば。やはり、名前を呼びあった仲とかいうのは、アベノさんの独りよがり。やはり、本当に無能…」

“確かにそうなんですけどお、キジダダさん、あなたもですよねえ。結局ワクチン100万回は無理だしい、だいたいきちんと検査もしない”みなし陽性“とか、科学的にありえないそうですねえ。内閣府が検査抑制とかいわれてますけどお、検査しちゃって、感染者激増になったら、緊急なんたらしないといけないからあ、それをしたくないんですかあ。ひょっとして、外出自粛とかしたら、補償金とか給付金の話がまた出てくるからですかあ?国民に配る補助金を節約というか、ケチりたいんですかあ”

「そ、そんなことは…。いや、私への誹謗中傷など空耳だ。医療は足りてるし」

“あのー、それじゃあ自宅療養というのはなんですかあ?重症じゃないってことにしてもお、死者の数はごまかせないんですけどお。それともお、死んだ方々から直接聞き取りしたほうがいいんですかねえ。時間がかかりそうですしい、政権の無策でさらに増えるとキジダダさんたちの罪もますます重くなるんですけどお”

「わ、私が何の罪を。だ、だいたいアベノさんとかガースさんとかが無理に国際大運動大会にこだわるとか、アベノさんが贔屓の役立たず官僚を重用したりするとか、ガースさんが気に入らない連中を排除するとかのほうが酷い」

“それは、そうですけどねえ。そのガースさんに返り咲いてもらったほうがいいという案もあるらしいですねえ。ガース派ができるとかできないとか”

「な、何を言うんだ。私はまだロクなことをしていない。い、いや大きな失策はないんだ、新型肺炎ウイルスが凶悪になったせいで、事態が悪化しただけだ。が、ガソリン代だって、ウクライナとかの件のせいで…」

延々と言い訳をするキジダダ総理を眺めつつ、“そういう不測の事態に国民のために迅速に対処するのも総理大臣とか内閣の役割ではないんですかねえ”と、思う地獄の書記官であった。


どこぞの国では、北では氷河期かと思えるような大寒波、西では医療崩壊ともいえるウイルス蔓延、そんななかでも首長が訴訟をおこしたり、抗議する野党に難癖つけたりしてるそうですが、この先どうなるんですかねえ。問題を直視せずに誤魔化し続け破局したら、ご破算で誰も責任とらず、ためた金をもって為政者やら権力者がひそかに逃亡もしくは、ほとぼり冷めるまで頬かむりというおなじみのパターンを狙っているのでしょうか。

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