なろうの売れ筋ってどうなの⁉
なろうの売れ筋はコンビニ弁当……とふと思い書いたものです。
なろうのジャンルで多くの読者を獲得しているのは「異世界恋愛」「ハイファンタジー」でしょうか。悪役令嬢・婚約破棄の組合せや、不遇職・覚醒からのざまぁ展開がズラッと並んでいるわけですが……多分。
面白いから評価されていると考えると、誰にとって面白いかという話になります。当然、多くの読み手が「面白い」と思う事が必要になるわけで、そうでなければ、ブックマーク・ポイントは集まらないことになります。
多くのポイントを集めたお話の類話が、ランク上位を占めるのは、ポイントシステムの有意性を示しているのではないでしょうか。
つまり「こんな話が俺達は好きなんだよ」って意思表示をするからポイントが沢山入って、似たような話が再生産されるわけじゃないですか。これってシステムとしては健全に機能していると思います。それが、大多数の幸福に繋がるということではないでしょか。
さて、「コンビニ弁当」というのお話ですが、これは、いくつかの意味を含んでいます。一つは、コンビニエンスストア、大規模チェーンであれば、販売管理の情報を各店にフィードバックしています。アルバイト経験のある方はよくご存じでしょうが、POSデータという奴です。
コンビニ弁当が美味しいかどうかは個人の評価として別にして、売れる弁当というのは特徴がいくつかあります。
値段……というのは当然ありますが、一つは「重たい」というものです。ずしっと重たい弁当はボリュームがあるという事でコンビニ弁当の主な購入者である現業系の男性や独身の若い男性に人気があります。
そして、この客層が好むもう一つの特徴が「味が濃い・しっかりしている」ということです。
つまり、安くて重くて味が濃いものは大体よく売れる……ということが「仮説」として成立するわけです。
年配の経営者が「俺好きじゃねえんだよ」と売れている弁当を増量せずに売り切らせることが良くあるのですが、お前の好みは関係ねぇんだよ!! という話です。
でもね、外食産業の「おいしい」と感じさせるテクニックには「味を濃くする」という簡単な方法が多用されがちなんですよ。これは、お菓子や冷凍食品、その他色々な加工食品に共通することです。
よく、「味がしない」とか言って醤油やソースを沢山かける人もいますが、濃い味にならされてしまうと、そういう体質になりがちです。味蕾が退化したりしてですね。亜鉛不足かもしれませんが。
本当においしいものは、薄味でもおいしいんですけどね。でも、そんなものファストフードや冷食に求めてはいけません。
さて、ここまでダラダラ書いてきましたが、言いたいのは「なろうの売れ筋は味の濃い、わかりやすいお話」ばかりであるということですね。
無料の、時間つぶしとして読まれるのであれば、細かな伏線や主人公の感情の流れを描くより、テンプレ展開でキャラもお馴染みの設定の方が読みやすいじゃないですか。隠れた能力が開花するってところも、なんだかゲームっぽいレベルとかパラメーターで説明する方が理解しやすいですしね。異世界転生で特典もらって、色々知ってるしチートで成長は特にありませんってのも出オチ最強で分かりやすい。
そうやって、今の流行が成立しているわけですから、その流れに逆らってポイント沢山貰おうってのは間違っていると思いますよ。だって、「売れ筋」の特性ってのはそういうものですから。
自分が好きなものが必ずしも「売れ筋」ではないと理解した上で、それでもそれが好きならこつこつ投稿する書き手と、それを認める読み手がいれば、そういう作品も細く長く続いていくことになります。
幕の内弁当みたいなお話も必要なんですよ。定番で、しっかりとバランスがとれていて、味もそこそこで値段も……手間暇かかる分ちょっとお高い。数は売れないけれど、欲しいってお客さんは必ずいる。
自分の作品が幕の内弁当的だと思えば、「お、評価少ないけど読んでくれる人がいるんだ。感謝」と思えると思います。
でもやっぱ、ポイントください。出来れば☆5でお願いします!!