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sleeping world

作者: はさら

僕は、泣いている。

べっどの上でどうしようもないくらいに....

「なぜなんだ。どうしてこんなにも上手くいかないんだ」


そうして、その少年、双生龍馬はまた、夢の中へといざなわれる。


「今度こそ、必ずどうにかしてみせる」

龍馬にしかできない。その力、意志の力のみで嫌なことが起きたら、文字通り、断りを願うだけで自分の部屋のベッドに横たわることができる。


とりあえず、この力を使うのは後何回できるかもわからない。

しかし、龍馬はまた、ベッドの上で意識を奪われる。


「あそこからだ。もう一度、今度はなにかが変わるかもしれない。だが、記憶は最後のあの瞬間しか戻らないどうすればいいのか?」


そう、龍馬は今、あの世界へと行く方法がある、その目の前で立ち止まっていた。

この先に行けば、もう一度あの世界へ行くことができる。

しかし、なぜか記憶ももってかれてしまう。


「でも、後何回あの世界へ行けるのかがわからない」

何度も、行けない。それは、いつも寝てるときに夢を忘れてしまうように、このこと自体を現実世界の僕が忘れてしまう危険もあるから。


「とりあえず、行くしかない」

3回目のお話がはじまる。


だが、その内容は本当にどこかに消えてしまって....



現実世界の僕が朝になって起きてみてしばらくして、ときどき思い出すことがある。この世界と向こうの世界で似ていることは思い出せるみたいだ。

しかし、ほとんどの場合は思い出せない。寝ている間のあの夢の中の世界が覚えていないはずなのに、なぜか胸が躍る。


だから、学校で『どこか行きたいところはあるのか?』という作文を英語で書かされたときに、どこか外国に行きたいとは思わず、どこか違う世界に行きたいと思って、そこを書こうとする。

しかし、今まで様々な世界を見てきたはずというだけで、その記憶がない。

だから、そこの世界のことを書くことはできなくて、結局、『他の惑星に行きたい』みたいなことを書くことになる。


その英作文の先生のコメントには

「どこか、外国では行きたいところはありませんか?」

っと、英語が苦手な僕のためにご丁寧にも日本語で書かれていた。


そもそも、外国に行こうがどうしようが、一度も行ったこともないところに行きたいと思うものなのだろうか?

確かに、「わぁ、この場所面白そうだなぁ」とは思うこともあるがそこから、行ってみたいなとはなったことがない。


そういえば、「わぁ、この人、きれいだなぁ」とか「かわいいなぁ..」とか思っても付き合いたいなとは思わないなと、ここ最近感じる。


この場所とは違う場所に行きたい。そう思えるのは、一度、例え、夢の中でさえ、行ったことがあるからで、面白そうという感情と行ってみたいという感情は全く別だと僕は思う。


とりあえず、今日もよく寝ようと思う。

睡眠時間が短くなればなるほど、あの体験はできないのだから。


自分が作ったものなのか、他人が作ったものなのか、それすらも曖昧なあの世界に今日も行くことにする。

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