『2章1節からでも読める設定紹介』
2章1節からでも読めるように、あらすじ、設定をまとめました。蔭の世界をご堪能あれ・・・・・・
1、2章1節からでも読める設定紹介: ここ
2、2章1節までのあらすじ : https://ncode.syosetu.com/n5947ez/81/
設定紹介(現地点での公開情報)・・・2章1節からでも読めるようにそれまでの設定をある程度まとめたものです。随時更新します。初公開となる情報もあるかもしれません。
概念紹介
魔法・・・
一言で言えば、超科学現象を引き起こす神秘の力の総称。魔法には火炎魔法、水魔法、土魔法、風魔法、植物魔法、量子魔法など様々な種類がある。
蔭・・・
魔法には系統がある。蔭とは正体不明な魔法の一つであり、その存在を知るのは蔭人等、蔭の力を操る者たちに限られる。
草蔭 ・・・
蔭を宿した奇跡の植物、その存在を知る者はそれを草蔭と呼んだ。現在、蔭についての知識は、その存在を知る関係者たちによりひた隠しにされている。
草蔭には共通の性質がいくつかある。
1、草蔭には最低一つ、超自然現象を起こす能力がある。例えば、煮ても焼いても無限に再生する(生えてくる)、接触した物から魔力を吸い取る、同一空間内に存在する二地点にワープを作る、心身を引き裂く及び霊魂を融合する等々。
2、草蔭を操ることができる者は、後述する蔭妖、あるまじ木忌の二種に大別される。
蔭妖・・・
草蔭を操る植物魔法使いや魔物。通常の植物を操る植物魔法使い等とは区別される。
蔭妖には共通の性質がいくつかある。
1、蔭妖自身の草蔭が同一世界上に一株でも存在する限り、蔭妖は周囲の草蔭を起点として、その肉体を何度でも一定時間後に再生する。(例えば、蔭蔓の場合は三日程度で蘇った。)ただし、再生時間は蔭妖ごとに異なる。
2、中には、植物魔法とは関係のない独自の魔法を用いる者も存在する。(例えば、霞は自分の生み出した植物をダイヤモンドにすることができる。また、彼女の生み出した植物は枯れたりすると自動的にダイヤモンドになる。)
3、人間であることが多く、人間の姿をした蔭妖を蔭人と呼び区別する。多くの蔭人は蔭衣という衣装を身体から生やすことができる。これは、蔭妖術の一つで、後天的に獲得できるものである。
あるまじ木忌・・・
草蔭を操る魔法使いや魔物という点では蔭妖と同じ。人知を超えた大きすぎる力を持つため、古代人にはあってはならない忌むべき草木の者、あるまじ木忌と呼ばれた。
あるまじ木忌には共通の性質がいくつかある。
1、常時から蔭妖と比べ絶大な魔力を誇る一方で、蔭妖のような無限再生能は必ずしも確認されない。(ただし、幼体の頃はそれほど力を使えない場合も多い。)
2、妖壊期のあるまじ木忌はしばしば自然災害そのものに変化する。自然災害は台風、洪水、地震、地殻変動、爆発、干ばつなど多岐にわたる。例えば、鬼の姿のあるまじ木忌が大嵐を引き起こす、蛇のあるまじ木忌が大蛇へと変化変化し大洪水を引き起こすなどがある。
3、その姿は、人間、猛禽類、蛇、魚など様々で、鬼、鵺、龍等妖怪や伝説上の生き物の姿をしたものも多い。人間にその存在を知る者がいなくなった今でも、一部の蔭人からはその名で呼ばれている。
登場人物紹介
蔭蔓(分裂前)・・・
日陰蔓、鱗木の二種の草蔭を操る蔭人。皮肉屋で慎重だが大胆に行動することもある。幼少時にクルカロス北植物魔法研究所で蔭妖の人体実験サンプルだった。同じく実験体だった、紅羽、霞の2人と研究所脱出計画を画策、実行した。しかし、研究所を脱出する際、引き裂きの実、すなわち、草蔭N.アンプラリアの種子を飲まされ、二人に分裂してしまう。この二人が今日の蔭蔓と茂蔓である。
日影 蔭蔓(分裂後)・・・
クルカロス北植物魔法研究所脱出の際、引き裂きの実の分裂現象により生み出された蔭蔓の半身。分裂後は恐怖心に囚われ、一人で逃げ出すも川に落ちて記憶を喪失。その後、下流で将器に助けられてから、二人でアミテロス魔法学校に保護される。約十年の安定を得るも、その頃、引き裂きの実の成体であるN.アンプラリアの草蔭が蔭蔓のからだを苗床に成長を始めていた。蔭蔓は、このことに気づいていた茂蔓、霞に誘拐され、クルカロス北植物魔法研究所へ再び収容される。十年前を再現するような収容生活を送る間に、研究所時代の記憶を取り戻した。そののち、草蔭N.アンプラリアの捕食袋にて引き裂きの実の効力を打消し、事なきを得る。
日陰蔓、鱗木の二種の草蔭を操る蔭人。どちらの草蔭もそれ自身が無限再生能を持つ(枯れたり、燃えたりすれば特定地点に再生する。)ため、非常に高い個体維持能力を持つ。また、あるまじ木忌の白蛇、白と草蔭N.アンプラリアの捕食袋にて魂を融合した。皮肉屋で臆病だが、鋭い直観力、強い探求心も持ち、ほぼ独力で自身が蔭人であることや草蔭の種類を突き止めた。
日影 茂蔓(分裂後)・・・
引き裂きの実の分裂現象により生み出された蔭蔓の半身。分裂後は追手を一掃し霞と共に逃げ延びた。知り合った蔭妖の個人投資家、繋木氏のもとに霞を預け、自らは蔭妖の集団である蔭妖寮に入り、紅羽に関する情報を収集。蔭妖である紅羽の生存を仮定したうえで、十年がかりで救出計画を立案、実行した。蔭妖寮で作り上げた腐植社は茂蔓の計画の賛同者で構成されている。
蔭妖寮入寮後、戦闘力を手に入れるため大鎌の力を手に入れた。これは草蔭に直接作用するメタ魔法の一種でそれ自体草蔭の一種である。その性質は、まず、自身の草蔭を黒色化するというもの。黒色化された草蔭は、魔力供給が停止すれば跡形もなく消えるというものになる。一方で、この大鎌は触れただけであるまじ木忌以外の大抵の生物、魔物を〇すことができる。(ただし、相手が蔭妖の場合は蔭妖の性質に従い、相手は基本的に再生する。)なお、黒い剣とすることもでき、この場合、剣が折れるとそこから再生するというだけで鎌の力はもたないため、通常の戦闘ではこちらを用いる。大鎌の力は茂蔓に、自身の再生の要になる草蔭を自分で増殖させることができないという弱点を与えた半面、高い戦闘能力を与えた。冷静な判断力、長期的な計画性、そして、大胆不敵な行動力を兼ね備え、仲間(主に腐植社の面々)からは慕われている。
両星 神那
元白銀寮の魔法使い。白銀寮時代には、隊長の武沢に指示されるがまま任務を遂行し、汚れ仕事も完璧にこなしていた。しかし、しだいに自らの在り方の誤りに気付き白銀寮への不信感を高めていった。アミテロス魔法学校襲撃事件が起きた際、黒ローブとの関係を疑われた蔭蔓の監視の任務に就いていたが、最終的に白銀寮を裏切って蔭蔓らとともに国外逃亡し、共に旅路を歩むことになった。
一ッ葉の草蔭を操るあるまじ木忌。一ッ葉の品種名は葉の先端が鬼の角のように二つに分かれるため鬼ッ葉という。光の魔法を白銀寮時代に一から習得しており、通常ではありえないほど高い魔法の才能を誇る。これもあるまじ木忌である故か。
正体は鬼と呼ばれる妖怪に酷似しており、恐らくそのものである。鬼としては青鬼の姿をしている。父親同様、妖壊期には嵐そのものになる。魔法だけでなく、剣術、武術に優れるが、これは白銀寮で培われた技能と人間とは組成の異なる屈強な筋繊維の二つによるもの。趣味は箏。豆大福が好物。
源 将器・・・
蔭蔓の親友。十年前の魔法大戦終結の頃、銀箔川を流れてきた蔭蔓を助け、二人で都市リプロスを目指して旅をし共にアミテロス魔法学校へ保護された。アミテロス魔法学校では青寮の寮長を務めた。あずさの彼氏で、二人の間には秘密があるようだが、今までは将器は言いたがらなかった。しかし、最近はその秘密の一端が見え始めているようである。
水の魔法使い。代々、水を操る魔獣狩りの家系であるため武術にも魔法にも秀でる。将器は真水を変幻自在に操ることができる。特に、水を高圧で圧縮したり膨張させたりすることができ、魔獣狩りの際役立っている。しかし一番の強みは、彼と旅を同行するものは、例え千里の砂漠においても渇きを覚えることはないことだろう。仲間思いの正義漢。剣術、魔法の修行に余念がなく、刀の腕は神那も認めるほど。
清砂 あずさ・・・
蔭蔓の数少ない昔からの友達。蔭蔓、将器とはアミテロス魔法学校の同期。将器の彼女で、二人の間に秘密があるのは将器の欄で述べた通り。才色兼備な切れ者で、アミテロス魔法学校では常に五本の指に入る成績だった。優等生であるのと同じぐらい、天真爛漫でもある。参謀役は蔭蔓と二人で手分けをするが、奇策妙計を立てるのは大抵あずさのほう。
相手の神経を直接操作する珍しい魔法使い。対人、対魔獣の医療系魔法も自在に操る。戦闘時は、感覚の遮断、増幅、運動の阻害、操作等々を行う。彼女の魔法は限定的だが非常に強力である。最近、蔭蔓が皮膚に蛇の鱗のようなものが生えているのを目撃しており、神那には自身は蛇人であると明かしている。趣味は読書。ラルタロス魔法学校では文学サークルに所属していた、医学系文学少女だが歴史書も読む。
白芦原 霞・・・
蔭蔓とはクルカロス北植物魔法研究所に収容されていた時からの仲間。研究所脱出後は茂蔓と共に投資家繋木創に接触し養子になる。繋木邸では忙しい繋木に代わり家事を一任されていた。趣味は工作とお菓子作で、植物コンピュータの扱いも得意。菓子はジャンルを問わずに好むが羊羹が特に好き。地頭が良い。特徴的な銀髪に藤紫色の瞳を持つ。
蘆木の草蔭を操る蔭人。草蔭ではないが木賊等も操る。独自の魔法として自分の生み出した植物をダイヤモンドにすることができる。この能力のため、蔭人の中では(茂蔓に続き)かなり攻撃的な力を持つ。
蘆木の草蔭 ・・・ 再帰シダと呼ばれる草蔭の一つで、草蔭の一株一株が消滅すると特定地点に再生する性質を持つ。これと、草蔭の共通性質により、蔭蔓、茂蔓と同様に個体維持力が非常に高い。
繋木 創
蔭人で個人投資家。蔭人ではあったが、蔭妖寮には所属せず、商才と蔭妖魔術を駆使して独立を保ってきた。十年前にはクルカロス北植物魔法研究所から逃げてきた茂蔓、霞を一時的に匿い、霞はそのまま繋木創の養子になった。繋木邸に住んでおり、外の世界に商機を求めて、茂蔓の計画に加わった。
ヘリアンフォラの草蔭を操る蔭人。(ヘリアンフォラは冷涼湿潤な地域に自生する食虫植物である。)種名はヘリアンフォラ・ダークマジョール。人より大きな黒い捕食袋が特徴的で、同一空間内の異なる二地点をワープでつなぐことができる。このときは捕食袋が出入り口となり、出口と入口は正体不明の液体で満たされる。
凰柳 紅羽・・・
蔭蔓とはクルカロス北植物魔法研究所に収容されていた時からの仲間。当時は、蔭蔓、霞の姉のような存在で、優しく勇敢で二人に慕われていた。しかし、残念ながら研究所脱出時、研究員に首を刺され即〇。ただし、蔭妖であるため、ほぼ確実に蘇っているはずであり、研究員が貴重なサンプルだった彼女に刃物を突き立てたのも再生することを見越してのことと考えられる。このほかにも、彼女の生存を保証する状況証拠は複数存在する。
松葉蘭の草蔭を操る蔭人。松葉蘭の栽培品種名は紅羽鳳凰柳。研究所脱出計画立案時、どこからか銃を含め様々な道具を入手するなどの能力を発揮したが詳細は彼女と共になぞに包まれたままである。
アンプラリア博士・・・
蔭妖寮の擁するクルカロス北植物魔法研究所の元研究者で、数々の卓越した研究成果を出していた。魔法大戦の間、蔭妖に関する非人道的な研究を行っており、蔭蔓、霞、紅羽はその元被験者。現在は消息不明。研究所に残っていたファイルは茂蔓、霞、蔭蔓によってもれなく回収され、これから分析が開始される。
N.アンプラリアの草蔭を操る蔭人。巨大な食虫植物のウツボカズラの草蔭で、朱殷の捕食袋は高さ2メートルを超す。種子は引き裂きの実そのものであり、蔭蔓と茂蔓を苦しめた。反対に、捕食袋は心身融合器と呼ばれ、同時に入った生物を、原則、強制的に魂ごとすべて一つに融合してしまう。出来上がる合成獣は鵺やキメラの身体の物理的接合を伴う場合もあれば、蔭蔓と白のように、体の独立をある程度保つ場合もある。