番外編 彼女「あんた元勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」
続編・「雨も止まないし」シリーズがございます。
彼女「てかー、最近盗賊団?とか出てるって噂じゃん?」
彼女「あんた最近また引きこもり気味だしー」
彼女「せっかく強いんだから退治してきなよー」
元勇者「いや俺はお前がやらない家事をしっかりとこなしているんだが・・・」
彼女「いいじゃーん じゃあさ、ウチもついていくからー」
元勇者「お前はこの街の教会任されてるだろ、そう簡単に・・・」
彼女「いーのいーの、うちの教会の子達みんな優秀だし そろそろウチも出歩きたいし」
元勇者「お前・・・第5の街から異動した理由、実家から通えてのんびりできるからじゃなかったか?」
彼女「んー あきた」
彼女「神様ぁー 今から出発するんで見ててくださーい」
元勇者「あいも変わらず適当なお祈りだな・・・」
彼女「でもー このお祈りで今まで無事にこれたしー」
元勇者「・・・・・」
彼女「ほら、いくよー」
<第2の街にて>
彼女「うわーひさびさに来たー あんたなんかうまいもん奢れよー」
元勇者「はぁ? お前の方が断然稼ぎいいんだからお前が奢れよ」
彼女「あ、あのパスタの店うまそー」
元勇者「聞いてないし」
彼女「うまー」
元勇者「この街の料理は相変わらずうまいよな」
「おい、この街に今夜現れるらしいぞ・・・」「予告上が・・・」ザワザワ
元勇者「なんだなんだ?」
彼女「なんかー、今夜盗賊団が現れるんだってーこの街に」
元勇者「なんで聞こえる」
彼女「んー? 雑音除去魔法つかったー」
夜
<宿屋にて>
元勇者「街中警察だらけだなー」
彼女「警察ってー、魔王が倒れてからできた組織なんだよねー せっかく平和になったのに人間の犯罪が多いなんてやだよねー」
元勇者「!!! あれは・・・」
ドゴォォォォォォォン
街の中央で大きな火柱が上がる
盗賊A「この街に伝わる伝統のパイ生地は全て頂いた 次は第3の街へ向かう!」
盗賊B「わたしたちのことぉ 恨まないでねぇ」うふんあはん
盗賊C「ずらかっちゃうぞー それー」
盗賊Cは呪文を唱えた! 盗賊団たちは姿をくらませた!
元勇者「盗賊団、魔法を使うのか・・・ 一般人の警察じゃ敵わないよな」
彼女「それにー、肉弾戦も強いらしいよーあいつら」
元勇者「やっかいだなぁ」
彼女「とりあえずー、第3の街にいってみよー?」
元勇者「そうだな、そうしよう」
<第3の街にて>
彼女「わぁーやっぱ服とかカバンはここだよねー あんたも服買いなよー」
元勇者「いや、俺は間に合ってるから・・・」
彼女「勇者やってるときはそれでよかったかもだけどー 今は引退して一般人なんだからさー」
元勇者「いいんだよ・・・ってあれ?」
女勇者「女戦士ちゃん可愛いです♪」
女戦士「そ、そうか・・・女勇者殿がそう言ってくれるのなら嬉しいが・・・」
女勇者「女戦士ちゃんスタイルいいからなんでも似合っちゃうね♪」
女戦士「そんなことは・・・///」
彼女「おーきゃわたん二人組じゃーん おひさー」
女勇者「そ、僧侶さん!!」
女戦士「ご、ご無沙汰しております!」
彼女「そうかしこまらないでーwww」
<宿屋にて>
元勇者「俺は結局荷物持ちかよ・・・」
彼女「いーじゃん、力持ちなんだからー」
元勇者「荷物を運ぶために鍛えたのではないんだが・・・」
彼女「どー? これ似合う?」
元勇者「似合う やっぱり意外と胸が・・・」
ドシュッ
彼女「しっかしこないねー盗賊団」
彼女「ほんとに来るんかなー」
彼女「ほらーあんたも寝てないで見張れよー」
元勇者「・・・・・・」
ドゴォォォォォォォオ
元勇者「来たか!!」
彼女「よーしいこっかー」
タタタタタタタタタッツ
盗賊A「この街伝統の刺繍糸、頂いた 次は第4の街へ向かう!」
盗賊B「ここのお洋服ぅ わたし好きよぉ」うふんあはん
盗賊C「さ、ささっとずらかるぞー それー」
元勇者「まてぃ!」
元勇者の拳は空を切った
彼女「なんであいつらー、これから行くとこ言うんだろー」
<第4の街にて>
元勇者「さすがにここはセキュリティーが頑丈だな」
彼女「ねー」
元勇者「飛行魔法で空から監視してるし」
彼女「今度はなに狙ってるんだろーねー ここの有名なものってー」
彼女「形になるものじゃないよねー、娯楽って」
元勇者「だよなぁ」
夜
「出たぞ!!!」 「盗賊団だ!!」バタバタバタ
元勇者「俺たちも行くぞ!」
彼女「はー? 今メイク落としたとこだったのにーさいあくー」
元勇者「はいはいスッピンでも可愛いからダイジョウブダヨー」
盗賊A「我々はここ最近巷を賑わしている盗賊団である」
盗賊B「皆さぁん わたしの体よく見てぇ」うふんあはん
盗賊C「ずらかりたいけど ずらかりたいけど ずらかりたいけど注目嬉しい!」:
「今度は何を盗むんだ・・・」「金か・・・ここは金が集まるからな・・・」
盗賊A「今回はお前たちの視線を頂いた 次は第5の街へ向かう!」
元勇者「・・・・・・」
彼女「・・・・・・・」
<第5の街にて>
元勇者「そろそろ捕まえなくては」
彼女「だねー あ、みんなおつー」
僧侶見習い「僧侶様がいらっしゃったわ!」 「きゃー僧侶様よー!」キャピキャピ
元勇者「なんでお前こんな人気あるんだ?
僧侶「さー?」
彼女「ってかー、こんなとこ来て盗むものなんてないよねー」
元勇者「ああ、病院と教会、孤児院くらいしかないからな」
彼女「なんの用があるんだろうねー」
元勇者「だなぁ」
彼女「しっかし、寒いねー」
夜
盗賊A「さて、そろそろ行くぞ」
盗賊B「待ってぇ 登場のポーズまだ決まってないのぉ」うふんあはん
盗賊C「すでにずらかりたーい ずらかりたーい」
元勇者「おい」
盗賊団「!!!」
元勇者「こんなところでなにを盗もうとしてるのか知らんが、捕まえさせてもらうぞ」
盗賊A「ここでは何も盗む気はない だが、今お前に捕まる訳にはいかないのだ」
盗賊B「あぁん。。。 体が熱いわぁ。。。 誘惑魔法。。。」うふんあはん
元勇者「おぉ・・・いい胸だ・・・ぐふっ」
僧侶「まんまとかかりやがって」
盗賊C「さーてずらかりタイムー」
僧侶「周囲に結界展開」パシュシュシュシュシュシュ
元勇者「さぁて、ここからは逃げられないぞ」
盗賊A「仕方がない 手荒なことはしたくないのだが」
盗賊Aは懐から短刀を取り出した
シュッ シュッ
元勇者「危ない危ないっ うわっ」
盗賊B「あらぁ あなたいいおっぱいしてるわねぇ」うふんあはん
僧侶「うぜー」
元勇者は大きく息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!
盗賊A「ごほぉぉぉぉぉぉぉおお」
僧侶「捕縛魔法大! これで逃げられねーよ」
盗賊B「あぁん。。。 縛られちゃったぁ。。。」うふんあはん
元勇者「そこで空気になってるつもりだろうが」
盗賊C「見つかったー見つかったー」
元勇者「うるさい」ゴン
盗賊C「げふっ」
元勇者「で、なにが目的だったんだ?」
盗賊A「・・・我々はもともと勇者の一行だったんだ」
盗賊A「ただ、我々の勇者様は旅の途中で酒と女に溺れ 我々を解雇した」
盗賊A「我々は一夜で職を失った」
盗賊A「まだ、モンスターがうろついていた時代ならまだよかったが」
盗賊A「平和な世の中で我々に職はなかった 簡単に言えば金に困ったからだ」
盗賊A「次第に我々も罪悪感が芽生えてきた」
盗賊A「そして、最後は派手に目立って捕まってしまおうと考えた」
盗賊A「そして、自己満足ではあるが最期の悪巧みを考えた」
盗賊A「ここは病院と教会と孤児院の街 平和になった世の中で唯一恵まれない街」
盗賊A「俺たちの最後の悪事は・・・これだ!」
ドゴォォォォォォオォオォォオオ
盗賊Cは火柱の呪文を唱えた!
火柱が結界に穴を開けた!
盗賊B「あはん。。 いい縄だったわよぉあなた」うふんあはん
盗賊Aは盗賊B・Cを連れ大空に舞い上がった
盗賊A「街の皆!!! 盗賊たちからのプレゼントだ!!!!」
ふわふわとゆるやかに落ちるプレゼントには、ほかほかのパイとあたたかいセーターが包まれていた
包みに混じり、空からは雪が降ってきた
プレゼントに気づいた子供たちは
大喜びで外に飛び出し
塞ぎ込んでいた病人は手を叩いて笑顔になった
盗賊A「我々は今から自主する」
盗賊B「いつかちゃんと、盗んだもののお金払うためにもぉ」うふんあはん
盗賊C「ずらからずにーずらからずにー働く!働く!」
元勇者「なんか・・・俺たち別にいらなかったような・・・」
彼女「だねー」
翌朝には雪は積もり
一面の銀世界であった
彼女「うわーきれいだねー」
元勇者「花とはまた違った綺麗さだな」
彼女「昔は季節もなにもなかったからねー」
彼女「ねーあんたさー」
元勇者「ん?」
彼女「なんていうかー ありがと」
元勇者「なんだよいきなり」
彼女「あんたといるとやっぱし楽しいやーw」
元勇者「ははは」
彼女「これからもよろー」
元勇者「はいよー」
二人は手を繋いで歩き始めた
楽しげに話していたかと思えば突然喧嘩をしたり
それが二人の寄り添い方のようだった
降り積もった雪の上には
ふたつの足跡がどこまでも続いていた
この冒険の勇者一行
・引きこもり元勇者
・ギャル僧侶
番外編 <完>




