モコモコ芸術家
これは何となく見上げた夏空を現したお話です。
人の気配がちらほら出てきた朝、いつものように身体に纏わりつく暑さがじわじわとやってくる。
しかし彼らの芸術には、この夏の暑さと湿気は芸術を高めるチャンスである。
「今日そっちは、沢山モコモコになりそうだな〜」
「ありがたいことに、キャンパスは真っ青だ。最高の条件だよ。だがよ、最近芸術家が増えてキャンパスを広々使えねぇや」
「愚痴言ったり、心がこもってないと納得行かねぇで、モコモコが黒くなるぞ」
そうだなと言い彼は白いモコモコを集め始めた。
彼等の使うモコモコは集め過ぎると黒くなるみたいだ。
最近じゃこの芸術家が沢山いる。
芸術家の失敗作はモコモコが黒くなり、ひどい失敗作だと、私達の住んでいる所に被害すら与える。
困った芸術家もいる。
しかし、大成功すると、見たものをひきつけ感動すら与えてくれる。
だいたい自分達が作りたい分だけ集めたら、さぁ開始だ。
彼等に与えられた時間は日が暮れるまで。青いキャンパスじゃ分からなかった作品は、赤いキャンパスでわかる時もある。
イルカが楽しそうに泳ぐ作品ができあがれば、亀がゆっくりと動く作品が出来上がる。
あれは、竜だ!格好いい
あれは、靴かぁ〜
なんだかわからないよりましかな
あっちじゃ「時間が足りないよー」一人は思うように行って無いみたい。
あらら、ここの芸術家は、モコモコが全然入らず泣いているみたい。
あれっ、あそこの芸術家は何かに心をうばわれ、ハートを作ったよ。
あそこ!?
すごい芸術家がいたもんですね。街の人の似顔絵だ!
っと思ったらここの芸術家は大失敗。
キャンパスが真っ黒だよ。今白いモコモコに戻そうと必死に洗ってるみたいだ。日暮れまでに間に合うのかな?
さて、朝出会った彼はどんな作品を作ったかな。
「ちょっと足りないな〜」
おや、すごい大きな作品に挑戦中みたい。でも隣りの芸術家のモコモコを盗っちゃダメだよ。
でも、作品が出来たみたいだよ。
宝船だ。今日は良いことありそう。
見せてくれてありがとう。
日暮れに近くと芸術家のほとんどがあきらめちゃったみたい。
黒いキャンパスが目立ってる。
今日の芸術家達は終わりみたい。みんなで、黒いキャンパスの清掃だ。
「さぁ、水をかけろー」
ようやく、キャンパスが綺麗になったと思ったら、赤いキャンパスが広がって行くよ。
疲れた芸術家達は赤いキャンパスを見て、お疲れ様。
みんなは今日どんな芸術家の作品を見たのかな。
明日は、どんな作品が出来るんだろうね。
今日はどんなモコモコ芸術家の作品が見られるのかな。
いつまでも奇麗な空でありますように