ある日の親子の会話
「で?僕達は本当は誰の子供なんです父上?」
「おや、なんだい急に……本当に知りたいのかい?」
「当然じゃないですか、王妃殿下って呼ばれてるのあれ影武者ですよね?」
「あぁ。早い時期からアレに見切りをつけてたのが良かったのか、結婚式までに立派な王太子妃になってくれたよ」
「でも、僕たちはホンモノから生まれたんでしょう?」
「いや、今の王妃だよ」
「えっ⁉ でも契約は?」
「婚約は破棄したら死ぬけど、婚姻しないと死ぬ契約じゃなかったから未だに婚約自体は続行されているね。それに他に妃を持ってはいけないという契約でもなかったし」
「じゃあ影む……母上は?」
「ふふ……実の母と分かって嬉しそうだね。王妃は書類上は公式に第二妃となっているよ。『契約』についてはどうしようもないのは、神殿も理解しているからね。
婚約者の女性が病死した時なんかの前例もあったから特例措置として承認させたんだ。だけど、公式発表された婚約者ではないものとの婚姻は王家と神殿両方の醜聞になるから、慣例通りに表向きは婚約者と結婚したということになってるね」
「では僕たちは……」
「うん。第二妃と私の子、正当な王族としてちゃんと神殿に登録されているよ」
「そうだったんですね……ところでホンモノ……婚約者の女性はどうしたんです?」
「北の塔で療養しているよ。塔からでたら様々な罪状で家族ごと罪に問われると理解してくれたようで、最低限準王族として部屋と身の回りの待遇だけは最低限保証してあるから出たいと騒いだりはしていないようだね」
「父上がそれで良しとされるなら……」
「母の立場が心配かい?」
「はい……病死などはまずいでしょうか……?」
「『契約』が反応する可能性がゼロじゃないから難しいね」
「そうですか……じゃあ我慢します」
「そんなことより、母上にちゃんと謝っておいで。実の母ではないと思ったのは仕方がないけど、お前の態度に表れてて陰ですごく落ち込んでで可哀そうだよ?」
「えっ⁉ 僕そんなつもりじゃ……今すぐ母上にお会いしてきます! では父上、御前しつれいいたします!」
「ふふ……行っておいで」
(終)
お読みいただきありがとうございました。
息子くんは、契約の話を聞かされた時にお母さんだと思ってた王妃様の子じゃなかったと誤解して、ショックでよそよそしい態度になってしまってました。
まだ10歳くらい設定でお母さん大好きっこなだけなんで、マザコンとは呼ばないで上げてください!
12月19日追記 沢山感想ありがとうございます!(感涙)
感想で前任者(転生者)は何者なのかという質問を受けましたので、せっかくなのでこちらへも。
建国に協力した存在は、ざっくりとですが精霊というか神霊みたいな存在に前人格がめばえちゃった感じの存在です。
調子に乗って建国に加担するために契約した時に、この世界の神(上位存在)が(コイツ野放しにしたらヤバイと思い)契約に介入して全部の力を使い果たして存在が維持できなくなって消滅しました。
書物は契約前に準備して王家に渡してあったのでおおざっぱな事情だけはなんか伝わった感じになります。




