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きっと何も考えてない

作者: 北風陣

今まで、苦しかった。

人の事を気にしすぎるばかりに、あの人にそんな事言ったら傷つくじゃないかとか、あの人はこんな事もできないのかと、人の事ばかり気になっていた。


ある日、そんな自分を辞めてみた。

あの人はあの人。自分は自分。

危害を加えてこない限り、他人を気にするのはやめようと。

自分が気にしたあの人は、気にしない事によって、一歩前へ前進してる。


自分は気にする事によって、後ろへ下がっていっている事に気付いたのだ。


だから、仕事も自分の範囲は守って、他人の範囲まで入る事を辞めた。

他人から、ヘルプを求められても、その人が本当にできないから頼んでるのか、判断してから手を貸すか決めるようになった。


相手が怒っていても、何でこの人こんなにも、わがまま言ってるのだろうと、冷静に客観的に見えるようになった。


今まで、理不尽な事を突きつけられても、謝るか、ムキになって、反論するかのどちらかだった。


でも、気付いたのだ。

相手を変えようとか、相手を助けようとかおせっかいなのだと。


女の子がアパートに逃げ込んできた時、女の子を助けて、自分を犠牲にした事がある。大学も中退した。

だが、相手からは壮絶に、恨まれた。


今なら分かる。おせっかいだったのだ。

自分の域から出た事をすると、それは称賛ではなく、おせっかいなのだ。

仕事を頼んでくるその人も、あなたがどんな苦労をして、その仕事を片付けているかなど、考えもしない。

まるで当たり前に出てくる食事のように、相手は何も考えてない。

その事に気付けて本当に良かったと思う。

苦しかった過去は、気にしないというたったそれだけの事で救われた。


今仕事や私生活、学校で疲れている方々。

そのせいで日々、苦しんでいる人を見て、心底思う。

貴方達は優しすぎるのだ。

世間は厳しいというが、その意味は優しい人に配慮してくれる世間ではないという、意味で厳しいのだ。

貴方の頑張りを見てくれる人は、果たして世界の人口の何億分の一だろうか。

それよりも、周りへの優しさを捨てて、他人に危害を加えない限り、自分の中で、日々を過ごした方が良いのではないか。

度々言うが、貴方は優しすぎる。

周りはその優しさには気付いてくれない。

その事実に気付いて欲しい。

これは優しすぎるが故の、優しさ病である。

否定しているのではない。

貴方が身体を張って守った相手が、貴方が受けたダメージを全て返してくれるか??

貴方が期待しているのは、それ以上の優しさが帰ってくる事だろう。

だが、相手が刃を向けてきた時には、もう遅い。貴方の優しさが仇になって、憎しみを募らせて、苦しい日々を過ごしているのではないか。

それでは、損ではないか。

せっかく人を思いやる気持ちを持って産まれたのに、傷つけられてばかりで、損ではないか。

思いやりは自分の片足、片手でできる範囲でいい。

優しい貴方がこれ以上、悩み苦しむ時代でなくなりますように。

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