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第90話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

昨日のイブまではきっちりクリスマスの飾り付けだった店内も、クリスマス本番の今日25日は何故かもうお正月モード。

遅番だった私達は、少しばかり疲れた顔で仕事に励んだ。

「今日が本当のクリスマスなのにねえ…」

なんとなくがっかりした形でそう呟くと、原さんも「本当、そうだよねえ」と。

一緒に帰る車の中、2人とも若干疲れちゃっていた。

「昨日、いっぱいご馳走食べちゃったねえ…僕はお酒も結構入ったし…」

原さんの台詞の続きは、だいたい想像がつく。

だから、今日はちょっとあっさりした物にしようと言いたいんだと。

「…じゃあ…雄大さんが嫌じゃなかったら…あそこのおうどん屋さんに行ってみない?」

私が行った「うどん屋さん」とは、原さんがいつもトレーニングしている港の公園の傍にある「真っ白屋」

そこで2人、冷たいうどんと揚げたての天ぷらを、ネギと大根おろしたっぷりで食べた。

私は卵とエビと茄子の天ぷらを。

原さんはイカとピーマンと鶏の天ぷらで。

お腹いっぱいで外に出ると、頭上にキラキラと星が瞬いていた。

「あ!こっちもいいよ!」

原さんに促されるまま、後ろを振り向くと、山の斜面に建つ家々の灯りなどが星空の様に見えた。


大晦日の今日は、普段よりもだいぶ早い6時閉店。

そして、今日で赤瀬川君はこのスーパーでのバイトを辞める。

わかりきっていたことだけど、なんだかとても寂しいと感じた。

でも、いつでも牧場に行けば会えるからと思えば、いくらか気持ちが明るくなった。

帰りは赤瀬川君も一緒。

到着した純喫茶「純」では、ついこの間のクリスマスイブに集まった面々がまた勢揃い。

けれども、今回はここ「純」での最後の年越しパーティーと、明日の元日にフランスへ旅立ってしまうヒデさんの送別会。

だもんで、若干寂しさが漂う形となった。

私達のスーパーで買って来たお刺身大舟盛は、ちょっと多いかなと思ったけれど、やはり3つで丁度良かった。

わいわい騒いで、みんなカラオケで合唱した。

常連さん達は年越しまで楽しむそうだが、なるちゃん家族や明日旅立つヒデさん、あゆみちゃんと赤瀬川君と私達は、途中で家に戻った。


「はあ〜…今年ももうすぐ終わるんだねえ…」

「なんか色々あったから…」

本当にそう思った。

憧れの原さんとこんな風になるなんて、去年の今頃は想像もつかなかった。

改めて原さんの顔をじっと見つめた。

すると、原さんも同じく私を真っ直ぐ見つめ返した。

「…ゆりちゃん…明日さ…婚姻届…出しに行こうか…」

「へ?」

忙しすぎてすっかり忘れていたけれど、確か休みに何回目かの家具屋さんの帰り、市役所に寄って婚姻届の用紙を3枚もらってきて…

最初に書いたのは書き始めた前半で私が失敗して、2枚目は慎重に慎重に書いたのに、原さんが最後のあたりで失敗、そして、ラストの3枚目は、2人とも全身の神経を集中させて、慎重に慎重に、ゆっくり丁寧に30分以上かかって書いたんだった。

あれは流石に疲れちゃって、書き終えた後、2人ともバターンって倒れちゃったんだった。

私達の仕事初めは3日から。

元旦と2日はお休み。

「…そ、そうね…じゃあ、そっか…私達、元旦が入籍記念日になるんだねえ…」

なんとなくしみじみしちゃった。

最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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