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第86話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

このアパートに越して来てすぐの時、慌てた形でカーテンを購入してしまったので、若干サイズが合わない。

だもんで、ベランダの窓のは長くて、床に余った部分がだらっとなっているし、逆に寝室の窓のは丈が下部分が2センチほど短いもんだから、寒い時期はその僅かな隙間から冷気がヒュ〜ッと入ってしまう。

なので、その部分に100円ショップで購入した大きなフェルト生地を、安全ピンで留めている為、見た目ものすごく貧乏臭い。

折角ミシンで縫えるのだから、自分でサイズぴったりなのを縫えばよかったのだろうけど、昼間は特に気にならないし、目につくのは夜だからと、ずるずるそのままにしていた。

そんな失敗があったので、新しい部屋のカーテン選びは慎重に慎重に。

やっぱり原さんも失敗したことがあるそうで…

これって「あるある」なのかなあ?と、1人考えてしまった。

休みや早番の帰りに何度も何度も、最初に2人で訪れたインテリアショップに行くからか、馴染みの店員さんもできた。

その方にあれこれ相談し、様々なアドバイスをいただいたおかげで、まだ誰も住んでいないあの部屋に少しづつ家具や、カーテン、ラグマットなどが増えて、私の部屋で今すぐ使う訳じゃない物も少しづつ運び込むと、段々と生活感が生まれてきた。

そこに今回の休みに家電量販店で購入した、新しい家電が到着。

と言っても、2人暮らしになるからと冷凍庫が広い冷蔵庫が届いただけ。

テレビや洗濯機、炊飯器や電子レンジ、掃除機などは、今、私が使っている物が割と新しいから、これでいいよねとなった。

もういつでも引っ越せる体勢ではない様な、ちょっと手伝ってもらってちょっとだけ頑張れば今すぐにでも引っ越せる様な、そんな感じ。

だけど、12月だからやっぱり仕事が忙しくて忙しくて。

私も原さんも少々疲れ気味。

なので、純喫茶「純」での食事が多くなってきた。

なるちゃん家族とヒデさんも、やはり同じ理由らしい。

「あれ?なるちゃん、その絵本なあに?」

「あ〜、これねえ、今ね、テレビでやってるの!」

「あ〜!これかあ!知ってる!知ってる!それの絵本なんだあ!」

それはスーパーのクリスマス用のお菓子詰め合わせセットにもある、ソフトクリームの上の部分の様な形の茶色い髪で髭を生やした、メガネのおじさんキャラクター「ベンデール博士」の原作本。

テレビアニメにもなっている、今子供達の間で大人気のキャラクターだ。

「小部屋探偵ベンデール博士」

まるでトイレそのままの様な小部屋でいつも何かしらの研究をして過ごしているベンデール博士が、助手のションベと共に、巷を騒がせている難事件をスルッと解決するという痛快アクションミステリー!

年末から公開される映画「小部屋探偵ベンデール博士 とどのつまりは魔法のペーパー」を、冬休みになるちゃんは見に行きたいそうだ。

「星矢くんはね、ベンデール博士の帽子、持ってるんだよ〜!だからね、なるもね、ちょっとね…欲しくしてるからね、サンタさんにお願いのお手紙書いたの…」

そっかあ。

なるちゃんは、ベンデール博士のグッズが欲しいんだね。

…あ、でも、サンタさんの気持ちを察すると、微妙だよねえ。

ベンデールって、便出〜るって漢字あてたくなっちゃうものねえ。

そうだよね…ベンデール博士…こう言っちゃなんだけど…うん…あ、ダメだ!ダメだ!これ以上は言えない…まるで排泄物の様ななんて言えないよ…言えないけど…大人からしたら、そんな物…ヤダよねえ。

なんかもっと可愛らしい、夢のある物をあげたいものねえ。

だけど、絵本は買ってもらえたんだね、なるちゃん。

…それはいいとして、ベンデール博士の帽子って、どんなの?

想像してみた。

茶色いソフトクリームの上の様な形の帽子。

それって、頭にう○こをかぶってるみたいじゃないの?

大丈夫なのかなあ?

私にはわからない。

もう大人だから、それの良し悪しがわからないのよ。

ごめんね、なるちゃん。

そして、星矢くん。

私がよほど戸惑った様子だったのか、原さんも苦笑いしていたっけ。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

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