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第81話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願いします。

「みんなさ、ゆりちゃん来るからって、練習したみたいだよ。」

「そう…なんだあ…」

楽しすぎた宴の後、すっかり暗くなった帰りの道中、車内でそう聞いた。

ありがたい。

そんでもって、すんごく嬉しいな!

私は結構お酒を頂いたから、不意のカラオケも原さんとそんなに照れずに歌えたけれど、原さんは帰りの運転のこともある為、ノンアルコールで参戦。

すごいなあ、雄大さん。

あの状況でシラフであのノリができるなんて。

妙に感心してしまった。

聞くと、いつもあんな感じで集まっては、みんなでカラオケ大会をやっているそう。

特にお父さんは、「なによ!ケンイチ」(これは「毎度の2人」に出てきます。)として活動していることもあり、日々の練習に余念がないらしく、勤めている調剤薬局に「なによ!ケンイチ」のコーナーまで設置しているようだ。

お父さんの弟で原さんの叔父さんは叔父さんで、演歌界の重鎮カモメ大三郎(これは「毎度の2人」に出てきます。)のモノマネをしていたけれど、それで活動はしていないらしい。

叔父さんのモノマネは結構似ていたので、お父さんよりも「イケる」のになんて、ちょっぴり残念に思ってしまった。

後、原さんのお兄さんの「イズム」も。

叔父さんの息子さんで、原さんの従兄弟のお兄さんと奥さんのデュエットも素敵だった。

そして、彼らの小学生の子供達も、歌と踊りが上手で。

今ドキの子供達なんだなあって思った。

帰る間際、お母さんからこそっと「雄大が1番モノマネが上手なのよ!」と聞いた。

けれども、今回それは披露されず。

残念。

今度、雄大さんにお願いせねば!

それはさておき…どうしよう、うちの家族達。

原さんちの皆さんの様な、明るい雰囲気の特技じゃないよなあ。

あ、でも、うちのお父さん、アコーディオン弾けるぐらいだから、伴奏に丁度いいかもしれない。

昔、会社のお花見や社員旅行、忘年会に新年会などの行事ごとの時、お父さん引っ張りだこだったって自慢してたものね。

今は会社でそういうイベントはめっきり少なくなったから、もうすぐ定年だし、お父さんの出番も随分減って寂しいってぼやいてたな。

お母さんは若い頃から三味線のお稽古してたみたいで、今は月に2度だったか、市民センターのカルチャースクールで人に教えたり、年に一度、公民館で発表会があるから、まあ、イケるか。

弟のみつおは確か友達とバンドやってて、ギター弾けるはず。

私と妹のまりは、そういう特技は特になくて。

…あ!まり、楽器は演奏出来ないけど、あの子、テーブルマジックできるか。

そうだった、そうだった。

本人は「あくまでも趣味だから」って言い張るけど、まりのマジックはなかなかのもんだと思う。

姉の目とか無しに、普通にすごいから。

タネとか全くわからないものね。

あ…うちの家族、結構すごいんだねえ。

改めて、そう思った。

それに比べて私…洋裁ぐらいしか特技ってないかも。

みんなみたいな「隠し芸」、ないもんなあ。

「あれ?ゆりちゃん、どうしたの?具合悪くなっちゃった?大丈夫?ごめんね、僕の運転、ちょっと乱暴だったかな?」

慌てて動揺している雄大さん。

「あ!ごめんなさい!違うの!違うの!あの…なんて説明したらいいのか…」

とりあえず、コンビニの駐車場へ。

「大丈夫かい?ゆりちゃん…」

「心配かけてごめんなさい…あの…大丈夫なの…体は全然問題ないの…」

「でも、元気ないねえ…あ…もしかして、うちの家族になんか嫌なことでも言わ…」

「ううん!ううん!そんなの全然、全然言われたりしてないよ!むしろ皆さん優しくて優しくて、本当に嬉しかったの…ただ…」

「ただ?」

「私ね、皆さんみたいな披露できる特技ってないなあって思って…それで…」

原さんに自分の家族の特技を教えると、「ええ〜!すごいねえ!」と仰け反るほど驚いていた。

「…だけど、私…洋裁ぐらいしか、得意なことないから…」

「え〜!いいじゃない!洋裁なんてなかなか出来ないよ!普通…それが出来ちゃうんだから、ゆりちゃん、すごいじゃない!」

「…ありがとう…でも…なんて言うか…みんなみたく披露する場がないから…」

「…それは…ゆりちゃんが縫ったバッグとか、結構見てるから…ああ、この人、自分で作ったんだ、すごい!ってわかるから…そんなに落ち込まなくても、全然大丈夫だから。」

「ホント!雄大さん、ありがとう…………あ!そう言えばね、雄大さんのお母さんがね、雄大さんが1番モノマネが上手なのよって教えてくれたんだけど…」

「えっ!母さんが?…ん〜、もう、ヤダなあ…」

「さっき、見せてもらえなかったから…見せてもらいたいなあって…思ってるんですけど…」

「え?今?ええ〜!さすがに今はちょっと…」

「そこをなんとか!お願いします!」

運転席の雄大さんに向かって、両手をあわせて拝んだ。

「どうか、どうか、お願いします!ちょっとでいいんで!お願いします!」

しつこく食い下がると、「もう…じゃあ…ちょっとだけだよ」と、原さんは渋々承諾に応じてくれた。

「ん〜、ん〜…あ〜…あ〜…コホン!んすう〜すあんでゅあ〜、んこんのん、くいむおつい〜うお…」

うわあ、ものすごいクセの強い歌い方!

でも、確かに原さんのお母さんが言った通り、似てる!

似てるわあ!

ディーズのケンヤ、そっくり!

ケンヤもクセが強すぎて、歌詞の字幕が出ないと何歌ってるか全然わからないものね。

それにしても、原さんにこんな特技があったとは…

「ちょっとだけだよ」と言っていたけれど、ノってきちゃった原さんは、結構長々とモノマネを見せてくれた。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞ宜しくお願いします。

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