表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/96

第74話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

「ごちそうさまでした」

お腹が膨れると、心も体もぽっかぽか。

すっかり暗くなった外に出ると、すぐさま原さんを捕まえた。

「ん?どしたの?」

「ううん…なんでもないの…」

なんて言ったけど、本当はなんでもあるの。

だって、だって、大好きな原さんが辛い目に遭ってたって、知っちゃったから。

川島さんから偶然聞いちゃったなんて、絶対に言わない。

…きっと、原さん、嫌なことをぶり返して、落ち込んじゃうかもしれないもの。

そんなのダメ!

ダメだもん。

両腕で原さんを捕まえたまま、今度はゆっくりと背中をさすった。

「…ゆり…ちゃん?」

原さんはキョトンとしたまま、動かないでいてくれた。

心の中で、辛かったねえ、大変だったねえ、哀しかったねえ、でも、もう大丈夫だから、私はそんな酷いこと、絶対にしないからって、何度も繰り返した。

こんなことで、原さんの過去の傷が癒える訳じゃないってわかってるけど、今はこうせずにはいられない。

両腕を振りほどくと、今度は手を伸ばして原さんの頭をゆっくり優しく撫でた。

「え?あはは…なに?なに?」

少し驚きながらも嬉しそうに、じっと私に頭を撫でさせてくれている原さん。

今までよく頑張ったねえ。

偉かったね!雄大さん。

前の彼女にメッタメタに深く傷つけられたってのに、こうして今は立ち直って元気にやってるなんて偉い!

まだ、心の傷は完治していないかもしれないのに、偉すぎ!

素敵過ぎ!

こんなこと、私ごときが偉そうに言える立場じゃないけど…

声には出さず、心の声でいっぱい褒めた。

「終わり!」

「え?もう終わり?」

「あれ?雄大さん、もうちょっとなでなでされたかった?」

「ええっ?まあ…そ、そうだねえ…なんか、気持ちよかったから…」

「じゃあ…おまけ!」

そう言って、今度は少しイタズラっぽく、原さんの髪をぐしゃぐしゃにする感じで撫でた。

「えーっ!それはないよ〜!も〜う!ゆりちゃんったら…」

今度は私がやり返された。

こんな風にふざけ合えるのが、くすぐったく嬉しい。

それまでは、お互いちょっと堅かった気もするから。

「やったな〜!」

「きゃあ〜!はははは」

アパートの駐車場で逃げ回っていたけれど、どうにも捕まってしまった。

「捕まえた!」

「にゃっ!」

「ゆりちゃん…」

そして、そのままチュー。

キスのまま、何故か涙がポロリ。

「え!あれ?ご、ごめん!勝手にチューしちゃったから?ごめんね、なんか嫌だった?」

あわあわしながら、原さんが必死に謝ってきた。

ううん、違うの違うの、そうじゃないの。

なんかわかんないけど…原さんの顔を見ると、なんだか涙が出てきちゃうの。

それを声にできたらよかったんだけど…

その後、しばらく慌てて謝る原さん。

私はいつまでも泣きながら、大好きな男の人を見つめ続けた。

私の大好きな人。

大好き過ぎて、また涙。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ