表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/96

第70話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

早番だった今日、原さんと一緒に純喫茶「純」へ。

「あら、ゆりちゃん原君、おかえりなさい」

笑顔で出迎えてくれた純子さんは、なるちゃん達と一緒だった。

いつもはカウンターの側で待機してるんだけど…

「あは、ただいまです〜…ところで、みんなで集まって何を…」まで言いかけて、すぐにわかった。

純子さん、ミズエさん、なるちゃん、そして、あゆみちゃんの女性陣は、編み物をしていた。

「わあ、編み物ですか」

それぞれの手に綺麗な色の毛糸と編み針。

「あのねえ、保育園でねえ、今やってるの」となるちゃん。

どうやらなるちゃん達の保育園では、今、大きい子達のクラスで編み物を習っているそうだ。

指に絡めて編んでいく指編みから始めたそうだけど、なるちゃんはもうそれでは足りず、かぎ針で編むやり方を練習中なんだとか。

「へ〜え、編み物かあ…ちょっとやってみたいけど…」

「ゆりちゃん、編み物はやらないの?覚えると簡単だよ!」

そう言うミズエさんは、赤い毛糸でなるちゃんの帽子を編んでいるとのこと。

「私は…のり君が…この前、ちらっと彼女から手編みの物もらったことないって言ってたから…それで…」

あゆみちゃんは綺麗な青い太めの毛糸を使って初めて編むので、先ずは1番簡単そうなマフラーに挑戦しているようだ。

なるちゃんは白い太めの毛糸で、パパさんにマフラーを編んでいるんだとか。

純子さんは、なるちゃんやあゆみちゃんに教えながら、緑色の細い毛糸で男物の手袋を編んでいる。

へ〜え、そうなんだあと思っていたら、

「あ〜、僕も、今まで一度ももらったことないから、そういうの羨ましいなあ」と原さんが少し照れながら続けた。

え!え?

原さん、今まで一度も手編みの物もらったことないの?

そんで、そういうの羨ましいってことは、欲しいってこと?

さりげなくそう言ってた?

すると、隣のテーブル席でクリームソーダを啜っていたヒデさんもしみじみと、

「あ〜、わかる!なんか今時の若者は、手編みとか手作りの物を重たいとか言って敬遠しがちらしいけど…でも、僕なんかもらいたいタイプなんで、原君や赤瀬川君の気持ち、すんごくわかるなあって…」と付け加えると、原さんが更に、

「ですよねえ…好きな女の子が一生懸命作った物だから、嬉しいですよねえ…」と興奮した様子で賛同してきた。

そこになるちゃんパパが加わってきた。

「ああ、だよねえ…なんか、今時の人は、バレンタインの手作りチョコは食べるし、嬉しいって、確か、どこかで見聞きした様な…でも、手編みのセーターとかはダサいからもらっても困るだの…よくそんなこと言えるよなあって、僕なんかは思っちゃうけどねえ…僕も手編み大歓迎だから…」

「そうなんだあ…」

ボソッと自分にしか聞こえない小声でそう呟くと、聞こえていないはずの原さんと目が合った。

「あっ!だからって、あのさ、ゆりちゃんに作ってって強要してる訳じゃないからね…だ、だからさ、あの…なんつうか、無理して作ったりしないでね…」

なんか慌ててる原さん。

そうだよね、「欲しいから作って!」って言われて作ってあげるのもいいんだろうけど、でも、どちらかと言えば、自発的に作ってプレゼントするという自然な形が理想だよね。

でも…原さんから言ってもらえて、なんとなく嬉しかった。

正直、クリスマスプレゼントどうしようって、ものすごく悩んでたから。

どういう物をあげたら、喜んでくれるだろうかって、ずっと考えてたから。

原さんが何かしらの「手作り品」が欲しいとわかったから、プレゼントの方向性が見えてきた。

編み物にも挑戦したいけれど…ん〜…どうしよう。

とりあえずまだ、慌てている原さんと一緒に、オムライスとレモンソーダでお腹を満たした。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ