表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/96

第62話

前回の続きです。どうぞよろしくお願い致します。

「…私…原さんからプロポーズされてて、それで、僕のところに来ませんかって、一緒に暮らそうって誘われてるんですけど…でも、その…なんて言うか…結婚したくない訳じゃないんです…もちろん、彼のこと、大好きだし…でも、ちょっと、早いって言うのか…なんか、その、まだアパート取り壊されるまで時間はあるんですけど…その、なんて言ったらいいのか…」

「あ〜、わかる!わかります!ゆりしゃん…私ものり君と婚約したけど…でも、なんとなく、心が落ち着かない様な…ねっ!そう言う感じですよね!」

「そ、そうなの…」

ごめん、あゆみちゃん…ちょっと違うかもしれないけど…まあ、似たような感じではあるかな…うん。

「ん〜…そっかあ…」

ミズエさんは腕組みをして考え込んでいる。

「ゆりちゃん、ごめんね、続けてもらえる」

「ああ、はい…で、なんて言ったらいいのか…今の生活が、すご〜く満足しちゃってるから…だから、急にアパート取り壊しますから、出て行って下さい、はい、わかりました…じゃあ、結婚しますって言うのが…なんか、違うんじゃないかって…そんな流れでいいのか?って思ってしまって…」

「ん〜…そうかもねえ…」

「かと言って、すぐ新しいとこ探す意欲もなく…で、彼のマンションなんですけど…駅の向こうの中古のマンションで…それは別に全然平気なんですけど…」

「…けど?」

「5〜6年前に付き合ってた彼女と同棲してたマンションなんですって…それで、そのまま、その彼女と結婚して、そこで一緒に暮らそうと思って買ったって言ってて…」

「…そっかあ…」

「はい…で、もう当時の彼女の物とかは一切ないって言ってるんですけどね…でも、一緒に使ってたダブルベッドとかは、そのまんまで…あと家電類とか…細かいことなんですけど、カーテンとかラグマットとか、ソファーは違うって言ってたか…まあ、でも、そんな感じで…物は物だからってわかってるんですけど…でも、前の彼女と一緒に暮らしてた時のだって聞いたら…なんとなく…ちょっと…や…かなあって…彼のことは大好きなんですけど…大好きだけど…それはちょっとって思って…だからと言って、処分してとも言えず…言える訳ないですよね…だから…だから…まだ、結婚は一旦置いといて…それで…ここ、いいなあって思ったんです…」

「あ〜…なんかわかるなあ〜…ゆりしゃんの気持ち…心がちょっとしんどいですよねえ…彼のこと大好きだったら、余計に…」

あゆみちゃんの言葉が、やけに沁みる。

「じゃあ、ゆりちゃんもなる達と一緒に住もう!いいよねえ!ママ!」

なるちゃんからのお誘いが嬉しい。

でも、なるちゃん、私の話、ちゃんとわかってるのかなあ?

「うん、そういうことならさ、ゆりちゃん、ここ、出来たらおいでよ!今、工事してる部屋だけどいい?大丈夫?」

「え!いいんですか!よかったあ〜…よかったあ〜…」

「…じゃあ…私も、ゆりしゃんと同じく、ここに住みたいです!」とあゆみちゃん。

「え?でも…赤瀬川君と結婚するから、牧場で暮らすんじゃないの?」

「あ、ええ、まあ、そうなんですけどお…それはおいおいって感じで…実はまだ正式なことって、決めてないんですよね」

「え!そうなの!」

「はい…だから、銀行もまだ辞めないですし…結婚はのり君とするつもりではいますけど…でも、それもいつとか決まってないですし…もしかしたら、牧場で暮らさないで、ここで2人で暮らして、牧場へは通いでもいいかもしれないですし…あ、そうだ…あの、ミズエさん…ここを貸すとなったら、あの…家賃って、どれぐらいで…」

私もそれ、聞きたかった。

「…ん〜…今と同じでいいんじゃないかなあ?ねえ、なる!」

「うん!いい!」

なんだか私の前に、パーッと一直線に光る道ができた気がした。

「ゆりちゃん…あのさ…ここに引っ越して来るのは全然構わないけどね…でも、やっぱりさ、原くんともちゃんと沢山話さなきゃダメだよ!それからだって全然大丈夫なんだからさ…焦って決めることないから…ゆりちゃん、ゆっくりね!ゆっくりじっくり考えたらいいよ…それで、やっぱり彼のところに行くなら行くでいいし…応援するし…ね…ゆりちゃん…あゆみちゃんも、しっかり赤瀬川君と話し合ってさ…それから決めても全然遅くないから…ねっ!」

「はい!」

ミズエさんの言う通りだ。

私、もっと原さんと話さなきゃいけない。

お互いのこと、それから将来のこと。

でも、その前に一度、原さんには今の私の部屋に来てもらわないと。

私の今の部屋、そして、私も原さんのマンションへ。

きっと原さんが私の「運命の人」なんだと思う。

だけど、だからって、すんなり結婚なんてできないよ。

はい、そうですか、お願いしますなんて、簡単に言えないよ。

だって、結婚って、そういうものじゃない気がするから。

もっと、こう、大事に大事に扱わなくちゃいけないことだと思うから。

今は彼のことが好き過ぎて、何も見えなくなっちゃってるかもしれない。

それはそれで、そのままの勢いで結婚しちゃう手もあるんだろうけど。

その後、彼のあんなところが嫌いとか、こんなところが受け入れられないとか、絶対出てくるだろうから。

それが他人と一緒に暮らすってことだと、十分理解している。

そこを許せるか、妥協できるか、それとも絶対に許せないか、妥協なんてできないなのか。

許せなくても、妥協できなくても、それでも好きだから離れたくないって思えたら素敵だと思う。

ただ、私にそういう気持ちがあるかどうかだよね。

それとも、今はそんなことどうでもいいって考えた方がいいのかな。

その時はその時。

その時になったら、深く考えたり、腹を割ってお互いの正直な気持ちをぶつけ合ったり、時に傷つけあったりすればいいんだろうけど。

でも…原さんと…喧嘩なんかしたくないけど…結婚したら、いつかはしちゃうんだろうか?

そんな先のことを考えるだけ、無駄なんだろうけど…

だけど、やっぱり考えちゃうよ〜〜〜!

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ