表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/96

第48話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

細すぎず、ゴリ過ぎない、程よいマッチョの原さん。

その程よい加減がまた、絶妙で絶妙で。

丁度いいのよ!

それを維持できてるのは、こうした地道なトレーニングのおかげなんだね。

もうラグビーはやっていないらしいけど…

そんでもって、原さんのびっくりしちゃう食欲は、ラグビー時代の名残のようだ。

あ〜、それにしても、こんな形で原さんと港が見える公園で、パンをはむはむ食べてるなんて。

これって、一応、ピクニックだよね、うん。

外で食べてるんだもん、ピクニックでいいんだよね。

パンを挟んでベンチに腰掛ける。

うふふ。

さっき、パン屋さんでいっぱいパン買って良かった。

こんな偶然な出会いが起こるなんて、わからなかったのに…

「あ〜、美味しかったあ〜、ゆりさん、ご馳走様でした…なんかごめんね」

「え?」

「だって、折角買ったパン、僕がいっぱい食べちゃったから」

「そんなの…全然…一緒に食べられて、逆に嬉しいです」

今、「逆に」って言ったけど、なんの「逆」?

まあ、いいか、そんなのどうでも。

すっかり全部食べきっちゃうと、パンのスペースが空いた。

すすす、すすすと、港を見ながら、体は徐々に原さんに近づく。

肩が触れるほど隣まで来て、その距離で原さんの顔を見つめた。

「…あ…あのさ…あのね…この間からさ…なんとなく…ゆりさん…近くない?」

「へ?」

「その…なんと言うか…その…ほら…なるちゃんが家出した時からさ…ゆりさん…その、積極的って言うか…その…え〜と…どうしたの?」

「…ああ…ええ…まあ…」

だって、原さんが好きなんだもん。

ちゃんと言葉に出してないけど…原さんのことが好きなんだもん。

だから…

曖昧に返事らしい返事はしないまま、また、原さんの手を勝手に掴んでしまった。

…あ、これって、もしかしてセクハラ?

男の人からその気もない女の人に勝手にこういうことしたら、完全にセクハラだけど、この場合もそうなのかな?

「あ…ご、ごめんなさい…あの…これって…セクハラ事案ですか?だったら…あの…」

そう言うと、慌てて手を引っ込めた。

「…や…その…セクハラ…では…ないかな…別に…嫌じゃないから…」

「じゃあ、じゃあ、あの、手、繋いでもいいですか?」

「う、うん…いい…よ」

甘い気まずさのまま、原さんも私もとりあえず前を向いた。

前方には大きすぎる外国の客船。

一体何人ぐらい乗ってるんだろう?

少し経ってから…

「あの、あの…寄りかかってもいいですか?」

「え…あ…うん…どうぞ」

「うふふ…ありがとう、ございますう」

じゃあ、遠慮なく。

原さんのガッチリした肩に寄りかかってみた。

うふふ、うふふ。

幸せ〜。

もう少し経ってから、再び…

「あの、あの…雄大さん…」

原さんの顔を見つめた。

「ん?」

「あの…あのね…今度…あの…腕に顔をつけても…いいですか?」

「え?え?どういう?」

「あ、あの、こういう感じで…」

ニヤニヤと言いながら、原さんの腕に顔を埋めた。

「…ダメでした?」

「…いや…ん〜と…ダメじゃ…ない…けど…汗臭いと思うけど…それは大丈夫なの?かな…」

原さんの焦った様な表情も素敵!

こんな間近で見られる幸せ。

大丈夫なの。

大丈夫だから、顔つけてるの。

犬や猫に顔を埋める様に、私も原さんの腕に顔をつけて…吸ってる…原さんの匂いとか…

あ〜、幸せ〜!

原さんの優しさにつけ込んで、調子こいてる私。

心の片隅では、申し訳ない気持ちも少しはある。

だけど、「いい」って言うから…

じゃあ、宜しくお願い致しますって感じで…

「やだ!」「やめて!」なら、即座に止めるよ!そりゃあね。

でも、いいって、私を許すから…

腕の後、「胸板、触ってもいいですか?」とお願いすると、原さんなんだかズルい表情をした。

「いいよ!」と言いながら私の手を引っ張ると、自分の胸を触らせた。

「これで…満足?」

私はコクンと頷いてから、大きめの声で「ありがとうございま〜っす!」と体育会系の部活みたいな返事で返した。

服の上からだけど、温かい原さんの胸。

そのまま何も言わず、勝手に耳をつけた。

ドクンドクンドクンドクン。

原さんの心臓の音が聞こえる。

くっついたままそっと目を閉じると、彼に優しく髪を撫でられた。

嬉しい。

幸せ。

原さんに髪、撫でてもらえた。

そすと、何故かわからないけれど、勝手に涙が溢れてきちゃった。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ