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第37話

前回の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。牧場から帰って来たのですが…

お昼から自家製のアイスクリームを食べたり、バター作りや牛の乳搾りなどをさせていただいた。

空が黄色みがかってきた頃、帰ることになった。

「今日は本当にありがとうございました。」

「また、いつでもおいで〜」

「おじちゃんおばちゃん、なるね、今度パパとママも一緒に来てもいい?」

「もちろん!今度3人でおいで〜!なんだったら、泊まってもいいんだよ〜!」

「わ〜い!」

行きと同じく、車に乗り込み、窓を開けて手を振った。

おじさんと酪農ヘルパーさんは笑顔で手を振り返してくれてたけれど、おばさんはエプロンで顔を覆って泣いていた。

それがなんだか切なかった。

「バター、パパとママ、喜んでくれるかなあ」

生乳からのバター作りで、腕が痛くなっても頑張って瓶を振ってたなるちゃん。

途中、おじさんが代わろうとするも、「大丈夫!なる、1人でできるの!」と張り切ってたっけ。

「絶対、喜びますって!ねえ!」とあゆみちゃん。

そんなあゆみちゃんも、動かせる右手で必死に瓶を振るも、途中で棄権。

見かねた赤瀬川君が代わりに、ブンブンと瓶を振ると、あっという間に生乳の中にバターの塊ができていた。

窓の外を1人眺めた。

空が徐々に暗くなっていく。

それと同時に街の明かりがチラチラ、キラキラ。

「パパとママ、いっぱいお話できたかなあ?なるいたら、大人のお話できないから」

なるちゃん…

やっぱり、やっぱりヒデさんが言ってた通りだったんだね。

なるちゃんなりに気を遣って。

「なるちゃん!きっとさ、大丈夫だよ!うん!」

「あゆみちゃん、ありがと〜…手手、痛い?辛くした?」

「ううん、もう大丈夫…なんじゃないかなあ…ほら、それよりも、猫ちゃん、可愛かったねえ〜!」

「うん!猫のシェリーちゃん…また会いたくした〜」

「僕も!」

「私も!」

「私も〜!そんで、うしこさんとうしえさん達にもまた会いたいね〜!」

あゆみちゃん、本当にいい子だ。

なるちゃんも。

でも…私は…


純喫茶「純」に到着する頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。

「ただいま〜!」

元気いっぱい「純」の扉を開くと、中に大家さん夫婦となるちゃんパパママ。

「おかえり〜!どうだった〜?楽しかったあ?って、あゆみちゃん、手え、どしたの?大丈夫なの?」

事情を何も知らない大人達に、お土産話とバターや野菜類などのお土産いっぱい。

なるちゃんは、早速パパとママに一生懸命瓶を振って作ったバターや、自分で握ったおにぎり、もうすっかり冷たくなっちゃったけれどお昼の残りのピザを見せた。

「あらあら、お疲れだったでしょ〜?みんな、クリームソーダとチーズケーキでいい?ご馳走するわ!」

大家の純子さんの嬉しい提案に、全員「ありがとうございま〜す!」と答えた。

今日のことをわいわい話している隙に、赤瀬川君の姿が消えた。

あれ?

もう帰っちゃったのかな?

そう思いつつ、みんなで楽しく話しながら、ゆっくりとクリームソーダとチーズケーキをいただいていると、急にお店の扉がガバッと開いた。

あれ?

そこにいる全員でそちらを見ると、さっきまで一緒だった赤瀬川君がはあはあ言いながら入ってきた。

手には大きなレジ袋。

なんだろう?

どうしたんだろう?

「あら、赤瀬川君…」

大家の純子さんの声がけに応じ、軽く会釈をすると、つつつとあゆみちゃんの傍に腰掛けた。

「これ」

「ん?何?」

「さっき…家に包帯も、消毒液も、痛み止めもないって言ってたから…これ、使って」

そう言って、あゆみちゃんにレジ袋を渡した。

「え!いいの?」

コクンと頷く赤瀬川君。

「あ、じゃあ…お金…」

「いい…」

「でも」

「いいから…」

「あ…ありがと…」

「手…あんまり痛かったらさ…明日でも、ちゃんと病院に行ってよ」

「あ、うん…わっかりました…わかったんだけどね…あのさ、なんか怒ってる?」

あゆみちゃんだけじゃなく、そこにいる全員が同じことを思った。

「え…いや…別に…あの…怒ってはない…です…」

「そっかあ…よかった…なんか怒られてるのかと思っちゃった…ははは」

そう言って普段通りに左手で頭を掻こうとしたあゆみちゃんは、「イッ!」と一瞬大声を出した。

「あ、ほら〜、気をつけて!」

すぐさま赤瀬川君に言われて…

「お母さんみたい」なんて、あゆみちゃんに返されてたっけ。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。

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