第23話
前回の続きです。これでバザー編は終わります。
「ふ〜、お腹いっぱい、もう無理〜!」
食後、余った食べ物を袋に入れ、テーブルの上を片付けていると、タタタとちびっこが駆け寄って来た。
「な〜るちゃん!」
「あ!星矢くん!」
それは保育園のお友達の星矢くん。
ニコニコ少し照れた顔で、なるちゃんの髪に「手作り品コーナー」で売っていたお花のピン留めをつけてあげてプレゼント。
「えへへ、ありがと〜!」
なるちゃん、嬉しそう。
「星矢くんね、そろばん習ってるんだよ!」
多分、なるちゃんは「そろばん」がどういうものなのか知らないと思う。
けれども、なんか星矢くんがすごいんだよ!と、私たちに教えたかった様だ。
可愛い2人は手を繋いで、中庭の先にある保育園のグラウンドへ遊びに行ってしまった。
目で後を追うと、あっちで違うちびっこ達も合流して楽しそう。
そうしていると、中庭で突然バイオリンやウッドベース、ギターの演奏が始まり、マイクを持った真ん中の女の人が綺麗な声で歌い始めた。
懐かしい様なジャズの曲に、みんなうっとり聴き惚れた。
そろそろバザーも終わるので、私達は最後にもう一巡りしてから帰ろうということに。
「いやあ、いっぱい買っちゃったねえ、持って帰れるかなあ」なんて話していると、お昼の後も一緒に行動してくれてた赤瀬川くんが「僕、車で送りますよ!」なんて、ぺろっと言った。
「えーーーーっ!いいの〜!すんごく助かるう〜〜〜〜!」
私もヒデさんもなるちゃん親子も、このバザーでいいだけいっぱい買ってしまった。
みんな帰りの上り坂のことなどまるで考えずに、本能の赴くまま思いっきり買いまくっちゃって、丁度ゲンナリしていたところだった為、赤瀬川くんの申し出が嬉し過ぎて、「赤瀬川くん!天使〜!」「神〜!」だの叫んでしまった。
これも全ては「教会」が成せる技?だったりして。
とか思った。
赤瀬川くんの大きなワゴン車は、牧場を出る時は無料配布の牛乳とバザーに出すバターとチーズでいっぱいだったそうだ。
けれども、全て配って、全て売り切った為、帰りは赤瀬川くんが買ったバザーの品だけ載せるだけだったとか。
「全部1人で?大変だったでしょ?」
「いや、あの、バターとチーズは水島さんのところの焼き菓子コーナーにお願いしてたから」
水島さんと会えた嬉しさで、ちゃんと見てこなかった。
あそこで「赤瀬川牧場」のバターとチーズも売ってたのかあ…
まあでも、買わずにタダでいっぱい貰っちゃったから。
ちょっぴり申し訳ない気持ちになった。
車だからあっという間に到着。
アパートの駐車場ではなく、お隣の純喫茶「純」の駐車場に停めてもらった。
とりあえず一旦「純」の中に入った。
丁度お昼のランチタイムが終わり、お客さんが誰もいない時間帯でよかった。
店内に今日の戦利品を運び込んで、仕分け。
大家の純平さんと純子さんは、詰め放題の野菜2袋と、赤瀬川くんから貰ったバターにチーズなどのお土産をたいそう喜んでくれた。
「みんな、好きなの1つどうぞ!じゃあ、まずはなるちゃんから」
そう言って、水島さんの焼き菓子コーナーで1つづつ買った焼き菓子とパンを、みんなに配った。
最初からこうするつもりで買ってよかったと思った。
なるちゃんは自分で買った腕時計型の腕輪やスノードーム、星矢くんに貰ったピン留めなどを披露。
「まあまあ、みんなありがとうね!」
落ち着いたところで、純平さんと純子さんから「お礼」ってことで、クリームソーダとチーズケーキが振舞われた。
「うっわ!美味しい!これが噂の!」
赤瀬川くん、何やらひどく感動している模様。
そうなのよ!
ここのクリームソーダもチーズケーキも、すんごく美味しいのよ!
こうして純喫茶「純」のファンが1人増えた。
「いやあ、ご馳走様でした!じゃ!また今度!」
みんなで外に出て赤瀬川くんを見送った。
今日は本当に楽しい1日だった。
ヒデさんは今度、赤瀬川牧場を見学させてもらいに行くそうだ。
そこで牛の絵や、牧場の様子なんかを描きたいと言っていた。
なるちゃん親子は赤瀬川くんのことを、「のりちゃん」と呼んですっかり仲良くなったみたい。
私も…手芸屋さんでコスプレ衣装の材料を買ってた赤瀬川くんと、その後なんとなくギクシャクではないにしろ、なんとなく話してなかったから、今日はこういう形で普通に話せる様になって嬉しかったな。
それはさておき…
バザーで買った額縁に、ヒデさんに描いてもらった絵はがきを入れて壁に飾ってみた。
わあ!なんかおしゃれ〜!
そんでもって、てっきりフランス製だと思っていた石鹸は、全部ポルトガル製だった。
まあ、どちらでも全然オッケー!
だって、ものすごくいい香りなんだもの。
最後ま読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




