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第20話

前回の続きです。たこ焼きを食べ終わって、礼拝堂へ向かう3人を待ち受けていたのは…

全ては教会のバザーが成せる技。

と言っても過言ではないと言い切れる程、どれもこれも安い!

安すぎる!

そして、売られている全てのものが、素晴らしすぎる。

これもやっぱり「神さま」絡みゆえ?

なんて強く感動している最中。

夏が終わり、やっとこ涼しくなってきたこの季節、過ごしやすいけど、今日は雨がちょっぴり心配。

今度は礼拝堂に向かおうと歩き出すと、たこ焼きを山の様に買った部活の朝練帰りと思われる若者達が、テーブル席でハフハフしながら美味しそうに頬張っている。

若いとお腹空くよね。

良かったね、安くていっぱい食べられるね。

心の中で彼らにエールを送った。

礼拝堂の正面玄関前の白い大きなテントで、「野菜詰め放題1袋200円」をやっていた。

わあ!

私と前田さんがやろうと言うと、なるちゃんも「やりたい!」と言い出した。

「う〜ん…なるちゃん…これさ、お得だけどさ…200円なんだって…200円だとね、なるちゃんのお小遣い、急にすんごく少なくなっちゃうよ、それでも大丈夫?まだ、他のところも見に行ってないからさ、もしかしたら他のところでなるちゃんが欲しいものとか、食べたいものとかあるんじゃないかなあ?その時、お金が少なくなっちゃてたらさ…」

私なりにわかりやすく、丁寧に説明したつもりだ。

けれども、なるちゃんはどうしても「やる!」と言い張る。

「…だってね、ママ喜ぶかなあって思うから…」

なるちゃん!

なるちゃん!そうだったの!

だったら…

私だけじゃなく、前田さんも「いいんじゃない」と思った。

「やりま〜す!」

お店の方にお願いすると、大きな紙袋を1枚もらった。

「これに詰めてね!袋が破けちゃったらダメでやり直ししてもらうけど、上からはみ出すのはOKだから!あ、そうそう、最初にジャガイモとか玉ねぎを詰めて、上の方は人参を縦に入れてくと、結構入りますよ!」

ジャガイモ、玉ねぎ、人参の3種類。

私と前田さんは大人だから自分達でせっせと詰めていった。

「そうかい、そうかい、お母さん、喜ばせたいもんねえ、じゃあさ、お嬢ちゃん、おばちゃんに手伝わせて」

「うん」

「ありがとうね、じゃあ、そうだねえ、まずはジャガイモと玉ねぎ、とってくれる?」

「はい、これ」

なるちゃんのはお店の年配女性が手伝ってくれている。

私と前田さんは2袋分詰めた。

1つは自分ち用で、もう1つは喫茶「純」のオーナーこと、大家の純平さんと純子さん夫妻用。

大家の純平さんと純子さん、このバザーにものすごく来たがっていたけれど、「お店があるから」と泣く泣く諦めていたので、「お店で使って下さい」と私と前田さん、それぞれ1袋づつ持って行くつもり。

「いっぱい詰められたのはいいけど…なかなかの重さだねえ、ははは」

前田さんはそう言うと、背中に背負ってた大きなリュックに全部詰め込んだ。

「おまけ」で大きなさつまいもを3個もらったなるちゃんの分1袋と、エコバッグに入れた私の分2袋まで。

「あの、ごめんなさい、重たいでしょ?あの、私、やっぱり自分のは自分で…」

多分、相当な重さだ。

けれども、前田さんは何食わぬ顔でヒョイと背負った。

描く絵と同様、線の細い男の人だから、正直持てるのか不安だった。

でも、そんな不安は何処へやら。

なんだかとっても頼もしいと感じた。


礼拝堂に入ると、すぐさま甘くて美味しい匂いでいっぱい。

「あ〜!ゆりちゃ〜ん!」

声をかけてきたのは、店番をしていた水島さん。

クッキー、マドレーヌ、スコーン、パウンドケーキ、シフォンケーキなどの焼き菓子が、広いテーブルの端から端まで綺麗に並んでいたけれど、それと同時に人気があるのか、目の前でどんどんと売れてスカスカになっていく。

「あ!これ!」

水島さんの食パンも。

「今日はね、くるみのパンと、レーズンとりんごのパン、それと何も入ってないプレーン」

どれもこれもやっぱり安い。

「いいんですか?この値段で…」

思わず本音が漏れると、「うん、いいの、いいの!だって教会のバザーだもの…それに毎週って訳じゃないから」と水島さん。

「そうなんですねえ」

クッキーとスコーンは、それぞれ10個入りで70円。

マドレーヌとパウンドケーキ、それにシフォンケーキは、1切れ50円。

水島さんの食パンは、1センチ幅ぐらいにカットされたのが3枚入って50円。

こうして水島さんとお喋りしている間にも、並べられたものがどんどんとなくなっていく。

ヤバい!早く買わなきゃ!

慌てた私は「あの、全部1つづつ下さい!」と、お願いしてしまった。


「ごめんなさい、お待たせしちゃって」

エコバッグいっぱいの甘いものを持って、前田さんとなるちゃんの元へ。

こういうこともあろうかと、エコバッグ5枚持って来て良かった。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。お話はまだ続きますので、引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

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