半メカ化少女の役目
さて、決意を固めたのはいいが、この後どうしよう。そもそも裏の研究所ってどこだ?管理室にある機械って何?…わからない。思考停止。
そのまま教室に到着して、二限あたりまでそのままだった。しかし、我に帰る。私は何やってんだ。何にもわからんまま決意固めて何するつもりだったんだ。なんにもできないだろう。いや、やる事を決めたら動けるかもしれない。よし、やる事を整理しよう。
一、裏の研究所の場所を確認する
ニ、管理室にあるらしい機械について調べる
三、管理室にある機械を壊す手段を手に入れる
こんな感じだろう。裏の研究所というくらいだから家の裏にでもありそうだ。というか、「裏の」という言葉はどこかで聞いた事あるような。まぁ、下校時まで待つか。
そして、待ちに待った下校時。私は速攻で家の裏にまわった。しかし、そこには、建物はなかった。
「いや、じゃあ裏の研究所ってどこなんだよ」
思わず声に出してしまった。とにかくお母さんに聞こう。
「お母さん、裏の研究所ってどこ?」
「裏の、ではなく裏野、研究所なの」
「おおう、了解」
まさかの裏野研究所という名前。私は勘違いをしていた。顔が少し熱くなった。でも結局どこかはわからない。スマホで調べてみようかな。裏野研究所。
「あっ、あった。えーと」
◯町の三丁目のなんとかかんとか。ここに行ってみよう。中に入れたりするかな。
歩く事十数分。来たのはいいが、明らかに引っ掛かったら死ぬ系のセキリュティの様な物がある。これは下手にいじったら取り返しのつかないことになるだろう。私は肩を落としてもと来た道を戻って行った。明日は休日だから、もっと詳しく作戦を練ってこよう。しかし、
「一晩中考えても駄目ダァぁ」
日付も変わり、様々な案も出たが、一向に解決の糸口が見つからない。第一、私は焦りがちなので、それが先行して、頭が回らない。
「お母さんの頼み、どうしよ」
もういっそのこと無理だと言ってしまうか。しかし、あんな涙ながらに懇願されて真剣に了承したのに、一つ問題が発生したからといってほっぽりだすのは根性がなさすぎる。
「もうちょい考えてみるかな」
今までの案の中で使えそうなものがないかとノートを睨む。すると、
「これ使えるかも」
上手く応用すれば使えそうな案があった。しかしこの案の実現には破壊兵器の様なものがいる。自分の体のメカに便利機能ついてないかなあ。でもそんなことはあったら困る。手作り爆弾…。とか。もう頭から湯気が出るほど悩んでいたその時。チャイムがなった。ドアを開けると、毎度お馴染み、めりか。だけでなくシイもいた。
「二人ともお揃いでどうしたの」
「どーしたもこーしたも。病院いってコーティング張り替えるよ」
「暇だからついて行ってあげるわ」
そういえばコーティングがいるんだった。保険証を引っ掴んでポケットに突っ込む。そして三人揃って病院に歩いて行った。最寄りの病院、待ち時間長いんだよな。
そう思っていたのだが、コーティングを張り替える機会はあまりないらしく、混んでいなかったので、すんなり病室に行くことができた。瞬く間にペタペタコーティングを張り替えられる作業中。何やら私の左腕、コーティングをさっき貼った所が煙のようなものを出しているではないか。びっくりしているまもなく、せっかく貼ったコーティングは溶けてしまった。これには一同空いた口が塞がらない。
「溶けました…ね」
これはおかしいぞといろいろ検査を受けて分かったのが、
私の左半身は、エネルギー蓄積性の武器機能付きメカだということだった。