表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/26

破壊の妨害

 管理室の中に入った。溶けたのは入り口付近だけで、他は無事らしかった。部屋の奥にあったのは三つの機械。

「この中のどれかが管理室の機械ってことだよね」

「そうみたい。どれも見た目は同じだけど、中身は少し違うみたいだよ」

「めりか、すごいっ。もうわかったの?」

「まあね、だいぶメカのところの扱い方に慣れてきたよ」

「ここの機械、とりあえず全部壊す…かな」

「頑張れのぞみっ」

ヴェーたちが来る前にさっさと壊そう。まずは真ん中の機械からやってみることにした。爆発したりしませんようにと願って、赤いボタンを押した。左腕の青い光が強くなる。助走をつけて機械に向かい、腕を振り下ろそうとした。

 視界が回って、背中に半分痛みを感じた。私は地面に仰向けになっていて、振り下ろしたはずの腕は、何故か上げた姿勢のままだった。

「なんで…?」

 「なんでやろな?あかんことするからこうなんねん」

入り口に目をやると、スカビオサがいた。その手には、正方形のコントローラーらしきもの。一体何をしたのだろう。ぽかんとしている私をみて、スカビオサはくっくっと笑った。

 「ほんまおっかしいなあっ。あんたずっと気づかへんのやもん。シイと喧嘩した時も、職員を前にした時も、手足が勝手に動いとるのに気づかへんっ」

そう言って、大声をあげて笑った。ということは、あのコントローラーで私の左半身は…。

「ふふ。その顔、やっと気づいたんやなあ。そう、あんたの左手足は私に操られんねん」

「そんな…!でも、そのコントローラーさえっ」

「あんたにそれができるんかいな。自分の首締めることもできるねんで?」

「ぐ…」

そう言われてはうかつに動けない。降伏するしかないのだろうか。そうだ。めりか。めりかは、助けて欲しい。

 だが、私の考えは甘かった。めりかはシイとヴェーによって拘束されていた。

「めりかっ」

返事がない。意識がないのだろうか。

 もう終わり?…いや、違う。まだ私には右半身があるじゃないか。諦めるのは早いんだ。重い左半身を起こして、右半身で体を支える。

「おや、諦めへんの。しぶといな」

「ここまできて、そう易々と諦めるもんですか」

「ふうん…」

スカビオサから笑顔が消えた。おそらくこちらを全力で止めに来る。でも、スカビオサ一人なはず。だって、あの大量の職員と、ヴェーは、機械を壊したしまう危険があるから。

「真剣にやるよ。メカにずっと頼りきりじゃ勝てないからね」

「勝てるわけないやろ?私の方が優勢やもん」

スカビオサの目に私の顔が写っていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ