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スカビオサ

 目を覚ました。確か私は、流されて…。ここはどこだろう。さっきの様な何もない部屋ではなく、どこか保健室の様な雰囲気すら漂っている。保健室の様な道具はないが。服も変わっていて、うすい水色のワンピースになっていた。この部屋には私だけ。めりかもいない。とりあえず部屋の外に出てみようかな。そう思って、立ち上がった。そのタイミングで、扉が開いた。女の人が入ってきた。

「あ、目覚めたん?」

「はあ…まあ、はい」 

「ほんなら良かったわあ。私、ちょっと心配したったねん」

「あなたが私をここに?」

「そうなんよ。ヴェーに捕まったら大変やろ?」

「えっと…知り合いなんですか?」

「知っとるも何も、私、ここで働いとる職員やねんから」

「じゃあ、なんで…ですか?」

「あんたは倒れとる人見てほっとけるんかいな」

「できない…と思います」 

「そう言うことや」  

 悪い人ではなさそうだ。私を助けてくれたと言っているし。でも、職員と名乗っているから作戦のことは話さない方が良さそうだ。それにしても、ヴェーは職員の中でもやばいと認識されているのだろうか。危険な研究所の中でも特に危険な奴だなんて…。出会わないよう気をつけよう。

 「あの…ところであなたは誰ですか?」

「ん?私はスカビオサって言うねん。覚えといてくれたら嬉しいんやけど」

「…覚えておきます」

スカビオサ…さんはそれだけ言うと、めりかのところにも行ってくると言って部屋を去っていった。めりかの場所も聞いたが、そのうち会えると言うだけで、場所は教えられなかった。でも、心配だし、こっそりめりかを探してみよう。

 廊下を覗く。誰もくる気配はない。部屋に窓がついているから、一つ一つ覗いて回る。部屋のドアには数字が振ってあって、下にはパスコードのようなものを入力する欄があった。パスコード…考えなきゃならないのが面倒くさい。ものすごく難しかったらどうしよう。窓を覗くうちにめりかの部屋を見つけた。でも、中にスカビオサはいなかった。もう別の部屋に行ったのだろうか。めりかは目を閉じている。やはり、パスコードがある。入力する欄は『 ×  × 』とある。ドアの数字は『63』だ。たぶんこれが関係しているんだろうけど。…思いつかない。このバツのようなものはなんだろう。かなり頭を使っている時、隣の部屋の数字も関連があることに気がついた。


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