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最初から決まっていた

 私たちを研究所に招いた時、シイは何を思っていたのだろう。私はケンカした時の表情は、嘘には見えなかった。協力すると言ってくれた。仲間になったと思った。めりかみたいに、仲直りとか、できたらいいのに。少し、寂しさが募る。

「ねえ、のぞみ。あんまりこんな事考えたくなかったんだけど…」

「めりか。何か思いついたの?わかったの?」

「うん。ヴェーって人さ、最初から私たちの事、知ってそうだったよね」

「本当だ。この子達だねって…シイに確認する様に」

「ということは、なんか、情報みたいなのが、こう、伝えられてたとか」

「え、でも最初あった時、そもそも私たちは壊そうとしてなかったよ?」

「そこなんだよ。理想って言葉。言ってたじゃん。だから、そもそも私たちがいることによって理想的なものが崩れるとか」

「えっ。理想?私たちがいることで?」

なんだろう。理想、シイ、ヴェー、メカ化した人たち。ヴェーは私たちがいると困ると仮定する。街のほとんどの人がメカ化している。そして私たちを追ってきた。あとは理想…?

「わかった、たぶんだけど、ヴェーは町、いや世界中をメカ化させたいんだと思う」

「それが理想って事…?」

「私の、お母さん…も、みんなメカになる前に、的な事を言ってたんだよね…」

「じゃあ、管理室にある機械を壊せば町のメカ化を防げるという事?」

「うん、たぶんそういう事だと思う」

あくまで予想だが、ヴェーの理想はこういう事だと思う。そして、シイは私たちを最初から消すつもりだった…ということになるかもしれない。

「ねえ、めりか、改めて作戦を立てない?研究所の機械を壊すための作戦」

「うん、立てよう。まず入る所からだよね。のぞみの力で入り口壊す?」

「いや、それだと派手すぎてバレるかも。遠くの方から地面を掘り進む方がリスクは少ないはず」

「エネルギー、待つかわかる?」

「わからない。でもメカが光ってる時は大丈夫だと思う。それに蓄積もされるだろうし」

「オッケー。じゃあそうやって侵入しよう。次は管理室だけど、場所は私が見ることにする」

「ありがとう。鍵とかは…」

「見てわかる様だったら解除できるけど複雑すぎたら鍵を探すことになるか、パスワードを探すかのどっちかになると思う」

「了解。管理室の機械は私の力で壊せばいいんだよね?」

「そういうこと」

「話もまとまったし、明日には作戦実行する?」

「えっ早くない?」

「私的には、遅く行っていろいろ対策される方がまずいかと…」

「うーん…焦り過ぎの気もするけど…まあ試してみようか」

「うん、じゃあ今日はしっかり休んだこうね」

 私とめりかは、布団を引っ張り出して、それぞれ隠れる様にして眠りについた。明日はいよいよ機械を破壊する作戦を実行する。あと、メカ化の真実とか、ヴェーの理想とかも確かめないと…。眠くなってきた。

 私の意識は眠りへと落ちていった。


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