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半メカ化少女の仲間とは

 飛び降りたあと、校舎の壁を垂直に走り降りる。これはメカの力を借りていない。最悪の場合も予想している。校舎の壁がもうすぐ途切れそうだ。そして、足が地面にぶつかる直前。

 私は、思い切りこけた。ズザァと音がして地面に仰向けになる。めりかも一緒にこけたようで、地面に転がっている。

「う……ゲホッ」

声が出ない。名前を呼ぼうとしたら咳が出た。どうしよう。めりか、意識なさそう。追ってきたやつはこちらの様子を伺っている。震える体でなんとかめりかを起こし、肩を組むようにして歩き出した。この状況ならさっきまでケンカをしていたとか関係ない。それに、人間的に放っていくのはだめだろう。

 なんとか裏門まで歩く。裏門を出たところで、めりかが目を覚ました。

「あえ、のぞみ。あの…えと…」

「さっきのケンカの事、かな」

「あ、うんそれもだけど、さっき、その、今助けてくれたのに、嘘つきって言って、ごめん」

「私も…なんかその、色々隠しててごめん…?」

「いや…いいよ。その、親友…でも言えない事はあるだろうし」

「うん…」

ここは、私の目的を言うべきだろうか。裏野研究所のこと。でもその前に一つ。

「めりか。私たち、ちゃんと親友だよ」

めりかはポカンとした。そしてその後、少し気まずそうに笑った後、

「ありがとう。ずっと親友だよ」

にっこり笑ってそう言った。


「さて、」

「仲直りはできたけど」

「逃げよう」

「うんっ」

後ろから追いかけてくる奴らがいる事を忘れてはいけない。私たちの様子を伺っていた奴らが、今わらわらと追いかけてきているからだ。どこに逃げたらいいのかわからないが、もと来た道を戻る。職員の人達も追いかけてきていたから病院には誰もいないはず。戻っても問題はないはずだと考える。

 二人で逃げて、病院までたどり着いた。そこからまた階段を上がる。高いところに行けば時間稼ぎはできるだろう。だが、最上階まで来たところで、人影が見えた。思わず後ずさりをする。だんだん人影が近寄ってきたおかげで正体が分かった。

「シイじゃんっ」

「貴方達、私を置いていくんじゃないわよ」

呆れたように呟くシイは、あまりにもいつも通りだ。

「シイはなんでこの状況でパニックにならないの」

「あんだけ時間あったら落ち着くわよ」

「あっ今思ったんだけど、」

「のぞみ、どうかした?」

「あー、いや実は」

私は裏野研究所の事を告げた。なんだか軽い感じになったような気もするが、仕方あるまい。できれば二人の協力が欲しいところだが、こんなことにまで巻き込んで置いて自己中だよな。と反省もしっかりある。二人の返事は、

「親友だもんっ協力したいよ」

「私はそう言う感じの事に触れる機会があったから役立てるかもしれないわね」

「ありがとう…っ本当にっ」

嬉しさのあまり二人に飛びつく。こうして、私はシイ、めりかの二人と協力する事になった。




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