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境界防衛  作者: 蓑火子
プロキシファイトにて
99/131

第99話 空笑いの男

「翼人君」

「うす」

「上のやつと一緒におれとコイツを都市内に連れてってくれ」

「連れてってって……もう町は敵地だ。つまり危険手当が必要だが、今のアンタに払えるか?」

「払えるさ」

「どうかな?」

「ならお前らのボスに預けてる債権がある。報酬はそれでもいい。あと、おれたちを運び終わったらもうそれで帰っていいぜ」

「……」【黄】

「不満か?」

「まさか、報酬はそれでいい。だがアンタは追撃中の連中と合流した方がいいんじゃないか?」

「なによりもそいつらが戻ってくる場所を取り戻さにゃらん」

「……ワカった。仕事はキッチリこなしてやる」



 他の連中には川を戻っての帰還を指示し、おれは翼人二人に怪我人一人と都市上空へ。


「お前ら力あるな」

「人を運ぶこともざらだからな」


 ふと、ガキを拐おうとしていた翼人女を思い出す。最悪、こいつらに運んでもらってどっかに逃げるのもありだったのかもなあ。前言撤回はできんが……


シュッ


と、何かが側を通り過ぎていった。結構近かったがこれは、


「矢の音だ。見つかったな」


 この闇に、何処かへ流れていった矢の出先は見えないが、謀反人どもにはこっちが見えている。


「あそこの城壁スレスレに下ろしてくれ」

「おいおい、バレてんならすぐ敵がやってくるぜ」

「好都合だ」

「確認だ。あんたら置いたら、俺たちは逃げることになっている」

「ああ、よくやってくれた」

「健闘を祈ってますよ」

「おう!」


 飛び降り、着陸。そして素早く飛び去っていく翼人傭人二人。おれがクリゲルくんを背負って歩き始めると、前からトサカ頭数人がやってきた。


「タ、タクロ……さん?」


 トサカの声が震えてやがんよ。こりゃ叛逆確定か?が、完全に火が吹くまで多少の猶予はあるだろ。とりえあず自然に装うしかねえ。


「クリゲル君が負傷した。応急処置済だが療養所に連れてってくれ」

「……」

「おい、そっち、そっち持て」

「へ、へい」


 トサカ頭二本がクリゲルを抱き上げ連れて行った……よし。引き渡し成功。これでヤツも助かるだろ、おれのせいで死なれちゃ目覚めが悪い。


 身軽になったが、軍司令官の権限をまだ有効かな?


「戦況はどうだ」

「……」

「おい、戦況だよ戦況。外の連中からの連絡は……


シュン!


っと」


 飛んできた矢を避けた。斧大好き蛮斧人の中でこんな得物を使う奴は、 


「なんだ、言い訳を聞こうか無口君」


 やっぱり。トサカの群れの中に無口印のトサカがあった。


「この軍司令官様に矢ぁ投げるなんざ、言い訳が必要だぜ?」

「……」

「おい都市長官殿」

「……」

「お、お前。ホント無口だな」

「……無駄話をしないだけす」

「じゃあお前の話をしろよ」

「……自分の話もしないすね」

「噂話は?」

「……」

「まあいい、なんで裏切った?」

「……話すことなんかないすよ。かかれ!」


 意外にも大きな無口君の一喝。打たれたように動き出したトサカ頭たち。


ドスッ

ドスッ

ドスッ、ガッ!

ブンッ!


 殴る、殴る、殴る蹴る、投げる。


「ガキども、このタクロ様を囲むにゃ百年早い」


 手勢が僅かに引いた。大きく一歩前へ。


「今ならまだ、元に戻れるぜ」


 一歩下がる無口君。


「……無理すね」

「何が望みだ?」

「……あんたの命」

「む」


 背後に別のトサカ衆が来る気配。落ちている斧を手に取り、振るって威圧。


ビタッ!


と切先の先に見えた顔は、


「ナチュアリヒか」

「どうも」【青】


 こりゃ驚いた。なるほど、コイツも謀反に噛んでいたか。腐っても元組長。そこそこの統率力と顔はあるってことか。


「命令違反のナチュ君、誰に牢から出してもらったんだ、あーん?」

「……」【青】

「まあいい、で、チミが首謀者かね?」

「……首謀者なんて、いないですね」

「素直が取り柄のお前が謀反かあ」

「最初に謀反したのはあんたさ」

「あのよう。もう族長会議はおれを承認してるんだぜ?お前にゃ正当性ねえだろが」

「タクロさん、悪いが俺たちは既にその族長会議のボスから承認してもらった」

「承認……ああエリシバーからだな?お前ら族長を脅したろ」

「脅してなんかいない。説得したんです」

「他の族長たちが知らねえ話じゃ、トラブルが後の先になるだけだぜえ?」

「そいつらが無事生きてるかあんたにだってワカらねえんじゃないか?」

「あーあ、恨まれるぞお、おれとは違ってな」

「俺たちは上手くやる!あんたとは違うんだよ!」【青】

「……ナチュアリヒさん。もう会話は不要だ」


 ちっ、無口君め。


「ワカってる!全員謀反人タクロの首を取れ!殺せ!」【黒】

「な、てめえナチュ公!てめえみたいな青二才におれ様を殺れっか!こちとら叩き上げの軍司令官様だぜ!」

「……!」


 凄んでやると、ナチュアリヒが怯んだ。今だ!


ドガッ


 回転撃!斧で城壁をぶっ叩き、同時に投擲。


ブンッ


「うわ」

「ひぃ」


 さらに怯んだその隙に、城壁から都市内部へ飛び降りる。


「追え!殺せ!」【黒】

「野郎は袋の中のタクロだ!」【黒】

「城門も固めろ!絶対に逃すんじゃねえ!」【黒】


 ナチュ助の色、ありゃ本気だな……あーあ。



 都市を走りつつ考える。元五代目出撃隊長率いる追撃組と合流できるか?合流できたとして、都市内部に帰還できなければ、光曜軍に撃破されてしまう。東の森のヘルツリヒを加えても、数が足りない……反乱の首謀者どもにインエクをブチ込むしかねえのか。


 都市全体が裏切ったわけじゃない。庁舎でおれがどっしり構えていれば、あいつらも思い直すか?それに女宰相殿に会わないと……怒らせたのなら尚更。



「あれは」


 庁舎前に人だかりができている。


「どうなってんだ!」

「かえれ!」

「軍司令官に代わってその部下が指揮を執るって!?」

「かえれ!」

「戦争中なのに、なんでこんなことすんだよ!」

「かえれ!」


 大騒ぎだ。それにしても住民たちはおれを支持してくれてるんだなあ、うんうん。税金も下げてやったし、感謝してるんだなあ。


「光曜に包囲されたらどうする?」

「降伏するしか……それよりタクロはここにいないのか?」

「あるいは都市長官を捕まえて差し出すか?」


 おいおい、さすがは荒事大好き蛮斧市民。こりゃほっといてもアイツらの破滅は近いかな。どれ。


「私がタクロです」

「えっ?」

「呼んだろ?」

「……」

「……」

「……」


 あれれ。


「おい、おれがタクロだよ」


 反応が薄い。外したか?


「今、戻ったんだ。中入るぜ」


 無言で道を開ける住民ども。だが、蛮斧戦士はさにあらず。


「タ、タクロ!」

「そうとも。お前らの上司様だ」

「と、都市長官が誰も庁舎に入れんなって」

「おれ以外はな」

「あ、あんたもだよ」

「やんのか?」

「うっ……」


 道を開けるトサカ頭ども。


「そうだそれでいいんだ」



―庁舎エントランス


「戻ったぞ」


 シーン


「誰もいないのか?メイド長!」


 シーン……


「執務室、は誰もいない」

「会議室、いない」

「管理棟……」


 こんな時に女どもはどこ行った?ちっ。



―庁舎の塔 螺旋階段


 心というか頭というか、さっきから女宰相殿に問いかけているが、全く反応がない。面倒くせえ女め。これだから女ってのは厄介極まるってえのよ畜生め。よっはっと。


 階段を登りきりいつもの二重扉の前に立つ。


 ガッ


「あれっ?」


 鍵が回らない。


ガッ

ガッ


 つまり鍵が開かない。すなわち扉が開かない。


「閣下?」


 返事がない。


「閣下、おれです。もしかしなくても怒ってます?」


 相変わらず、返事がない。


「ねえ閣下。勘弁してくださいよ。思わぬ事だったんですよ、光曜の太子が女だったなんて。あんたは光曜人だから、戦場で女に手加減するなんざ下らん躊躇だと言いそうですがね、できねえモンはできねえですよ事前の心構えが無いと。そもそも戦場に女が不似合いだ。例えばもう白兵戦があって、足を踏み入れてまず鼻を突くのは湿った鉄の臭いで、敵も味方も同じで、見つけた敵の頭に斧を振り下ろすだろ?まず骨が砕ける音。当たりが良ければ兜なんて意味ないし。鉄と鉄がぶつかった音のあとは骨が潰れて皮膚が裂ける音と感触。血の噴き出す勢いが強い時なんか、こっちの目や鼻にも飛んでくる。たまーに脳みそが垂れ落ちることもあるんだ。しかも妙に甘ったるい匂いがするんですね。そんで斧を抜くと、肉が刃に絡みつく。引き抜く度だぜ、プチプチ筋とかが裂ける感触だよ。ある時なんか刃先がめり込みすぎて、引き抜けないこともある。そんなときはですね、足で敵の胸を蹴りつけて、力任せに引き抜くわけだ。その瞬間、血がドッパドッパですよ。刃が水平に疾ったら、 腕も足もブッ飛びます。こんなのは男どもの仕事ですよ。我ら蛮斧の男にとって女どもは獲物、景品の類です。戦意がわかねえ。まあ何が言いたいかっていうと女を戦場に出す光曜人は頭おかしいってことです」

「頭おかしいのはアンタだろ」【青】


 背後の声。この気配、振り向くまでもない。


「情けねえ」【青】

「エルリヒ。お前も出てたか。誰に出してもらった?」

「誰だっていい。やっぱアンタ、女に溺れやがってたんだな」【青】

「この都市のためさ」

「嘘つけ、女のためだろ」【青】

「それもある。まあ、何よりも迫り来る戦争に勝つためだな。というかお前だって女宰相殿嫌ってなかったろ。洞窟で世話んなったくせに」

「オ、オレは溺れちゃいねえだろ」【青】

「まあいいエルリヒ、この扉を開ける。手伝え」

「悪いけど、出来ねえよ」

「ブッ飛ばすぞコラ」

「オレはアンタを倒すって決めたんだ」【青】

「……」

「……」

「お前もかよ。おれのように成り上がりたいのか?」

「ざけんじゃねえてめえ誰が!」

「キレんな。だが図星だな?」


 大きく深呼吸するエルリヒ。震える唇が開いた。曰く、

「……タクロさん、良いことを教えてやる。上司がダメ、というかクソな程、下の人間は、団結するんだぜ」

「じゃあ団結しておれを超えてみろよ」

「ペ!」【青】


 インエク……コイツの心を操作する……やるしかねえ。


「いいぜ、このタクロ様が相手してやる。お前ら一般人とは違うってとこ見せてやるぜ。後悔の残らないようかかってこい」

「へっ」


 斧を持ち替え、構えるエルリヒ。しかし、


「あれ、後ろ……」

「なっ!」

「遅ーい!」


スパーン!


「おわっ!」


 ダブルの引っ掛け足払い。ド派手に倒れたエルリヒから斧を奪い、踏みつける。


「心の動揺がヒドイ。修養が足りん」

「ぐっ」

「……なあエルリヒ、誠実が売りのお前が謀反なんて、らしくないぜ」

「……」

「悪いようにはしねえ、戻ってこい。いや……」

「……」

「戻ってきてくれよ」

「うるせえ!うるせえってんだよ!うるせえ!うるせえうるせえ!オレはもう決めたっつったろ!」

「そうか、そんなら仕方ねえか」


 エル公の目を見る。後悔と怯え、あと怒りに満ちているっぽいが、その割にはコイツは憎悪の色を発しない……ナチュ公とは違って。


「……」


 色々制限はあっても相手を支配できる古代遺物。こんなに使い難いものなのか。誰かを思いの儘にすることの罪悪感を感じなければいいんだろうが。


 それよりも、だ。


 螺旋の陰に隠れているヤツに声をかける。


「それでさ。おれお前に何かしたっけ?」


 こっちも重大だ。


「勇敢女」


 ややあって、姿を現すメイドの一人。


「コイツを牢から出したの、お前だろ?」

「はい」

「ナチュ公も?」

「はい、私が鍵を開けました」

「無口君に脅されて?」

「いいえ。私が進んでしたことです」

「なんかそんな気した。だからさっきの質問なんだけど」


 この小柄なガキは、いつもと全く表情が変わってない。可愛くねえ。


「私の父ですが」

「親父さん」

「デバッゲン軍に参加し、閣下の軍と戦い、そして死にました」

「そう……だったんか?」

「正確戦車のアキュリシュスという者です」

「知らんかった」

「そうだと思います。閣下は族長衆についてあまり関心がありませんもの」

「そうか、気の毒にな」

「……」【青】

「おれがそんなに憎いか?」

「戦争ですから憎い、とまでは思いません。ただ許し難い、と感じていました」


 なんて言おう。言ってくれれば良かったのに、なんてとても言えないし。これかな?


「許して!」

「出来ません」

「どうしても?」

「はい」

「あの戦い以降、復讐の機会を狙ってたのか?」

「はい」

「その事情、無口君も知ってる感じだな」

「……」

「そうか」


 これは結構コイツの事気に入ってたんだなあ。実に残念。が、これは仕方ないか。


「もう一つ、マリス様の部屋の扉は開きません」

「なんかしたんか?」

「鍵穴に少し」

「んなら彼女出られんじゃないか」

「光曜屈指の魔術師殿なら、その気になれば出られるはず」


 それは確かにその通り。


「実は、閣下とマリス様の接触を妨害して時間を稼ぐ為のささやかな小細工でした。閣下はマリス様来蛮以降、大いに寛容と好意を示しておいででしたから」

「いや、普通だろ」

「この部屋を出る時、閣下はいつも嬉し気でしたし」


 げ……そんな風に見えてたのか。


「閣下とマリス様が、看守と捕虜という関係でないことは、クララさんが捕虜の代わりをしていたことに気が付いた時、確信に変わりました」


 やっべ。あの時か……


「今回の戦いでも陰に陽に彼女の助力を得ていたものと存じます。無論証拠はありません」


 勘の良いガキ。


「それなのに今、マリス様は閣下の前に姿を現さない。これが如何なることか?今、この場で私が至った推測はこうです。すなわち閣下とマリス様は仲違いに至った、と」


 ギクっ、やっぱそうかな。


「何のことかな?」

「マリス様は閣下に会う気がないのでは?つまり、助力をする気がない」


 ギクギクっ、何か嫌な予感がする。


「だ、だから何のことだよ」

「エルリヒさん、いいですね?」

「ア、アリシアちゃん」


 勇敢女の声に、なんとか声を返すエル公。その後、勇敢女の背後から、鉄仮面に連れられたメイド長と、


「閣下……」


 苦しげな視線を奥に向けるメイド長、


「んなっ」

「タ、タクロ……」


 また別の鉄仮面とともに見慣れた赤毛が。二人の女とも、それぞれ刃物を突きつけられている。


 人質。


「申し訳ありません閣下。これも私の発案です。閣下はこの蛮斧にあって、女性に対してまるで光曜人のようにお振舞いです。だから、こういった作戦が有効だと判断しました」

「……」


 エルリヒが無言でおれの手から斧を取り上げようとしてくる。


さっ


「アンタ随分素直だな……」

「勇敢女は仲間を刺したりしない、と思ってたがそうでもなさそうなんでな」

「閣下。私は本気です。現にこの状況、既に閣下を背後から刺したから、とも言えます」


 斧を持ち替えたエル公が再び構える。


「堕ちたなお前」

「……」

「非道なり」

「……」【青】

「非道なり!非道なり!」

「うるせえ!」

「どうせ死ぬんだから細かい事気にすんなってことだな?」

「だったら……」


 エルリヒ自慢の斧技の姿勢。気は進まねえが、目には目をの精神で行くか。


「望みを叶えてやんよ!」


サッ


 一撃を交わす。走る。詰める。何を?距離を。誰との?勇敢女の。そしてその目をインエクで射る。


「おれの言うことを聞け!」

「この後に及んでは」

「……」

「無理です」


 あ、あれ?


「……」


 効果無かった!なんで!?


「タクロおあああ!」


 突っ込んでくるエルリヒ。どうして!?しかもエル公今度は必中の斧体当たり攻撃か。変なポーズしてるから、交わせるか?


ドーン!


「ぐえっ!」


 あたっ、当たった。痛え。螺旋階段を転がり落ちていくおれ。視界が回る。石段、石壁、石天井、木の梁、燭台、落下が止まらない。ふと、ここ半年くらいの記憶の波が頭を駆け巡る感覚が。


 光曜の女太子の美形、クレアのツンデレスマイル、あいつの赤毛、勇敢女の仏頂面、因縁女のシニカル顔、腹黒のロリ顔、ピチピチ女のピチピチさ、暗殺女のしょぼくれた美形、突撃クソ女の狂い顔、自暴自棄になったメガネ女……この女どものパイオつとケツが入り乱れる。見たことあったっけ?あったかな?それにしても、おれは欲求不満だったのか。ここは肉感の海の浜辺か。なんだか急に眠くなってきた。意識が……


……


 そして女宰相登場。ああ、圧倒的にイイ女、マントの下に隠されたムチムチバディと笑顔の裏にある本音。この女とねんごろにならずして、いやいやこの秘密を暴かずして、おれは死ぬのか?蛮斧男として、そんなこと許されるはずもなし。これは間違いのない絶対の真理だ。


「閣下!」


バン!


 意識を取り戻し踏ん張り受け身で強引にバランスを得る。相変わらず女宰相から一切の反応は無い。頭から流れる血が目に入った。くっそ、目が回ってらい。足が震えている。


 来た。上から追ってきやがった。鉄仮面野郎二人。その手のナイフには血がついていないってことは、人質は解放したか。後ろからエル公も来ている。


 最初の鉄仮面の一突きを、負傷による変則動作で交わすなど、おれには朝飯前なのだ。そして関節を捕り組み倒して、螺旋階段を滑り落ちていく。


ずるっドドドド


「はっはっはっ!」


 そこには空笑いで階段を滑り落ちながら、インエクの失敗、勇敢女のこと、エルリヒの始末をどうするか、女宰相の助力なくこの後どうするかをぼんやり考えるおれがいた。

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