蟻の駆除も、お仕事です-2
「足場がある出入り口ではないからか、見張りはいないみたいだな」
穴付近を索敵してみるが、特に魔物の反応がなかったので、トーカスはそのまま穴の中へと足を踏み入れた。
「思ってたより通路が大きめなのは、獲物を入れる都合か…?」
翼を広げて、通路をコンコンと叩いてみる。思っていたよりもしっかりとしたつくりになっているようで、ちょっとやそっとの衝撃では崩れなさそうだった。
「今回のミッションは、群れを率いてモンスターを倒せってことだったから…よし、お前とお前。まずはこの先に少し開けた場所があるみたいだから、様子を見てきてくれ」
「「コケ!」」
トーカスのすぐ後ろに控えていた二匹に指示を出す。二匹は音もなく、その場から消えていった。
「…あいつら、忍の才能でもあるんじゃねーか?」
自分でもあそこまで音もなく移動をするのは骨が折れるのに、と、少し感心した様子で、二匹がいなくなった先を見つめていたトーカスだったが、気を取り直して、探知できる範囲での索敵をし直すことにする。
「どれどれ…」
現在自分たちがいる場所は鉱山の中腹あたり。ここから横と下方向へと、巣は広がっているようだった。通路上には少し広めの空間がいくつもあり、ところどころに魔物の気配を感知する。
「今の俺のスキルだと、わかるのはざっくりとした相手の強さと数、それから位置くらいか」
現在のトーカスの索敵スキルレベルは3で、実はシエラの索敵スキルより低かったりする。
「コケコ」
「お、戻ったか。どうだった?」
偵察に出していたうちの一匹が戻ってきた。コッコッコ、と様子をトーカスに伝えると、トーカスは翼を広げ、コケ、と小さく答え、残りの数匹のコッカトリスとを引き連れて、もう一匹が待つ場所へと移動を開始した。
偵察から戻ってきたコッカトリスの話では、近くにあるのは卵だけで、特に成体のマインアントの姿はない、ということだったので、道中、卵を石化魔法で石に変えていきながら、巣の奥へと進んでいく。
(こんなところで卵を焼いて処分してたら、煙やら臭いやらで、気づかれる可能性があるからな)
順調に先に進んでいったところで、そのまままっすぐ進む道と、地下に潜っていく道に分かれる場所に出た。
(このまま横に進んだところは最終的に行き止まりになってるっぽいな。反応も、大量の卵と数匹のマインアントの反応だけ、か)
そのまま無視してもいいかと思ったが、万が一にも、下にもぐっていっている最中に、先のマインアントの卵が孵化してしまうと、挟み撃ちを食らう可能性もあるのでは、と、トーカスは考え、最初に偵察に出した2匹をそのまままっすぐ進む道の方へ行き、卵をすべて破壊するように指示を出し、自分と残りのコッカトリス達を連れて、巣の下へと続く道に進んで行くことにした。




