本日はお休みです-6
「では、ここに置きますね」
コーカスに案内され、二匹の巣に持ってきたマイスをどんどん積み重ねていく。
「おぉ、中々の量じゃないか」
シエラが置いていくそばから、コーカスとトーカスはマイスをついばんでいく。
購入したマイスを全部置き終わると、シエラもここでお昼を食べていいか、コーカスに聞き、了承を得たので、買ってきた串焼き肉とサンドイッチを食べ始めた。
「む、それも何やらよい匂いがするな」
マイスを食べていたはずの二匹がいつの間にかシエラの前に立っていた。
「えと…あまり数はありませんが、良ければこちらも召しあがられますか?」
串焼き肉とサンドイッチを差し出すと、二匹はそれぞれを1つずつついばんだ。
「む、これも悪くないな」
「加工品だったので、正直、コーカス様たちが食べても問題がないのかがわからなかったので、今回、選択肢に含めていなかったんですが…もしかして、こちらのほうが好みでしたか?」
シエラが聞くと、コーカスは少し考えた後、フルフルと頭を振った。
「いや、マイスの方が良いな。こちらもたまに食べる程度ならばよいが、味付けが少々濃すぎる」
コーカスの言葉に、なるほど、とシエラは頷いた。
もってきていたマイスの3分の1程度がなくなったあたりで、コーカスもトーカスも、マイスを食べるのをやめた。満足げなコーカス達に、シエラは安堵する。
「コーカス様にも、トーカス様にも、満足いただけたようで、良かったです」
シエラが笑うと、コーカスはククっと笑った。
「くだらない物でも持ってくるようであれば、シエラを獲物にしてやるつもりだったがな」
コーカスの言葉に、シエラは顔を青ざめる。
「ほ、ほんとによかったです。気に入っていただけて…」
あはは、と乾いた笑いを浮かべるシエラに、トーカスがすりすりとすり寄ってきた。
「心配はいらん。どうやらトーカスはお主を気に入っているようだしな。悪いようにはせんよ」
「そ、そうなんですか?」
ちらりとトーカスを見ると、目を細めて、シエラにまた、すり寄ってくる。
シエラは小さく笑い、トーカスを撫でた。
「トーカスが成長するまでの間、しばらくここにいるつもりだ。シエラはいつでも来るがいい。マイスを持ってくるなら、歓迎するぞ?」
コーカスの言葉に、シエラは頭を下げた。
「ありがとうございます。また、いいマイスが手に入ったときは、お持ちしますね」
お礼を言い、シエラは来た道を戻り、ゲートを使って、街へと戻った。




