本日はお休みです-5
「すいません、ゲート借りてもいいですか?」
来客用のソファに横たわっているジェルマを無視して、シエラはゲートに魔力を注ぐ。
「お前、いいかダメかの答え聞く前に起動してんじゃねーか」
視線だけをシエラの方に向けて答えるジェルマに、シエラは肩をすくめた。
「あ、起きてましたか。一応、声だけはかけたという事実が必要かと思って言っただけなので、許可はぶっちゃけ求めてません」
シエラの答えに、特大のため息をつくジェルマ。
「いいじゃないですか。コッカトリスさんのご機嫌伺いを、自分の休みを使ってしに行くんですから。私用じゃないんですし、ゲートくらい、使わせてください」
「はいはい、わかったよ。気を付けて行ってこい」
「はい、行ってまいります」
シエラは小さく頭を下げると、ゲートをくぐった。
森に到着したシエラは、取り合ず、と索敵を開始する。
と、見覚えのある反応を見つけたので、シエラはその反応の方へと足を進めた。
「コーカス様、トーカス様。シエラです~」
白銀の巨大コッカトリスと漆黒の小さめサイズのコッカトリスを見つけると、シエラは声をかけた。
「おぉ、シエラ。やっと来たか、遅かったな」
シエラの姿に気づいたコーカスは、踏みつけていた何かにグッと力を込めた。
「ぎゃぁ!!」
踏みつけられたそれは、大きな声を上げて、絶命する。
「…すみません、もしかして、狩りの最中でしたか?」
シエラが聞くと、コーカスは気にするな、ただの暇つぶしだ、と答え、シエラの方へと寄ってきた。
「で?何を持ってきたのだ?」
シエラの方に顔を近づけ、ふんふん、と何かを嗅ぐしぐさをする。
「あぁ、はい。これです」
シエラはマジックバッグから、マイスを取り出した。
「お肉よりマイスの方がもしかしたら食べられる機会が少ないかな、と思って」
シエラが差し出すと、コーカスよりも先に、トーカスがマイスを奪い取って、黄色い粒粒の身をつついて食べていく。
「シエラ、もしやあれだけか?」
コーカスの言葉に、シエラは慌てて首を振る。
「いえ、もっと持ってきてます!ただ、ここで全部出していいのかわからなかったので、取り合えず1本だけ出したのですが…コーカス様もここで食べられますか?」
シエラの言葉に、コーカスは頷く。
「早く出せ!」
「は、はい」
シエラが慌ててバッグから取り出すと、コーカスはすかさずそれを奪い取り、つついて食べる。
「いかがですか…?」
二匹の様子から察するに、問題はないだろうと思いつつ、念のため確認をする。
「うむ!気に入った!」
コーカスの言葉に、シエラはほっと一息をついた。




