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本日はお休みです-3

一度宿舎に戻り、朝食を取り終えたシエラは、ギルドへと向かった。


「あれ?シエラちゃん、おはよう。今日は休みじゃなかったっけ?」


ギルドに入ると、ちょうど出ていくところだった明けの明星の二人に出くわした。


「あ、ダエルさんにエマさん。おはようございます。今日はお休みなんですが、ちょっとギルドに用事があったので。お二人はこれから依頼ですか?」


シエラが聞くと、二人は小さく頷いた。


「どうも、ゴブリンが森の奥に集落を作ってるかもしれないって話が出ててね、調査の指名依頼が来てたから、今から森に向かうところだったのよ」


ふぅ、と少し困り顔でエマが答えた。


「あぁ…そういえば最近、ゴブリンスカウトを見たっていう冒険者の方の情報がいくつか上がってきてました。なるほど、集落、か…」


「ああ、だから今から、事実確認に行ってくるよ」


「はい、お二人とも、お気をつけて行ってきてください」


シエラがペコっと頭を下げると、二人は手を振りながら、行ってきます、と言って、門の方へと向かって行った。


(ゴブリンの集落、か。…できてたら、厄介だなぁ…)


ゴブリンは基本的にFランクの初心者冒険者が討伐依頼を受けることが多い。そのことからもわかるように、そもそも、ゴブリン自体の脅威度は高くない。

だが、稀に、ゴブリンが群れを作ることがあり、その群れが大きくなると、集落として、ゴブリン達が村のようなものを作ることがあるのだが、これができると一気に脅威度が跳ね上がってくる。

まず、ゴブリン達をまとめている上位種の存在。上位種の中には、魔法を使ってくるゴブリンメイジや、ゴブリンを指揮し、戦術まで使ってくるゴブリンキングなどがおり、これらを相手にするのはかなり厄介になってくる。さらに、当然、ゴブリン達も餌を求めてくるため、周囲の村や町を襲撃する可能性が高くなる。ゴブリンスカウトが目撃されているということは、その可能性は極めて高い、と言わざるをえず、こうなってくると、ギルドとしても、いち早く状況を確認し、集落ができているのが事実であれば、集落をつぶしにかからねばならない。


(まぁ、明けの明星の二人なら、とりあえず、状況確認であれば問題ないか。

報告を待てばいいや)


うんうん、と頷き、シエラはギルドの中へと移動する。


「あれ?シエラ。今日はお休みじゃなかった?」


シエラの姿に気づいたルーが、声をかけてきた。


「ルー、おはよう。ちょうどよかった。マジックバッグって今、まだ予備が残ってたよね?あれの貸し出し手続き、お願いしてもいい?」


「いいけど…マジックバッグなんてなんに使うの?」


首をかしげるルーに、シエラは笑って答えた。


「マイスをちょっとね、大量に運ばなくちゃいけなくなったから」


「は?」


シエラの言葉に、さらに首をかしげるルーだった。


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