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初日ー4

「つ、疲れた……」


「本当にすまなかった、助かったよ!」


シエラがカウンターに突っ伏していると、シャオが駆け寄ってきて何度も頭を下げながらお礼を言った。


「正直、こんな大事になるとは思わなかったよ」


「まぁ、確かにそうですね」


今だにバタバタと慌ただしく走り回っている職員を見つめながら、シエラがシャオの言葉に同意した。


「しっかし、こんな事なら魔物の生息地が変わったかもしれない、って事で現地調査って結果の方がマシだったな」


トーカスの言葉に、シャオがそうですね、と頷いた。


シエラが持ち込まれた魔物の素材の毛皮を鑑定したところ、魔物が生まれたのはスティル迷宮ではなく、サングリア迷宮であることが発覚した。そこでさらに、一緒に持ち込まれた魔石も、シエラが再鑑定を行ったところ、その魔石は人にテイムされていた魔物のものだったことが発覚。しかも、毛皮と魔石は同じ魔物から採取したものであると持ち込んだ冒険者からは言われていた為、現場は一時騒然となった。さらに、持ち込んだ冒険者から詳しい話を聞いている最中、他部署との会議で席を外していた職員の担当冒険者に、現在スティル迷宮に潜っていて、サーベルウルフ(今回の魔物)をテイムしている冒険者がいることがわかり、現場は大混乱。


「急なこととはいえ、鑑定作業をお願いしてしまって、本当にすまなかった」


中央ギルドの担当冒険者はBランク以上で、一般的に高位冒険者に位置付けされている。


「高位の冒険者なんて、数が少ないのに、しかもその冒険者がテイムしている魔物から取れる素材が、これまで目撃された事がないはずの迷宮で取ってきたものとして持ち込まれた、なんて事になったら、仕方ないですよ」


冒険者の安否確認と、今回の事の経緯の確認が最優先事項とされたため、そちらに人員を回した結果、通常業務に支障が出てしまい、定時で上がる気満々だったシエラが急遽、鑑定業務の対応をする羽目になった、と言う事だった。


「それにしても、大丈夫なんですか?」


とりあえず、今日は特例という事で、定時までに受け付けた鑑定分が終われば上がっていい、という事だったので、受付の終わっていた数十件の鑑定処理と対応を終え、どっぷりと陽は沈んでしまったものの、いつもよりは早い時間で帰れる事になったシエラは、今だバタバタと走り回っている職員達をチラリと横目で見ながら、シャオに聞いた。


「うーん、まぁ、大丈夫か大丈夫じゃ無いかで言えば、大丈夫じゃ無いんだけど、研修で来たばかりの君を、これ以上、残業させて付き合わせるわけにはいかないし」


シャオの言葉に、シエラはなんて良い人なんだ!と感動する。


「それに、宿泊先の方から迎えも来るみたいだから、待たせる訳にはいかないしね」


「…………へ?」


シャオの指さす方を見て、シエラは愕然とする。


「今日はお疲れ様。残業までさせてしまってごめんね。それじゃ、また明日」


シャオはそう言って、ひらひらと手を振ると、バタつく面々に加わって行った。


いつもお読みいただきありがとうございます。

誤字脱字につきましても、適宜修正いたします。いつもご報告いただきありがとうございます。

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