表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/281

新人冒険者‐8

報酬を用意して、スミレに確認をしてもらい受領書にサインをもらったところで、そういえば、とスミレがシエラに話しかけてきた。


「今日、薬草の採取をしてたら、何人かの男の子が、森に入っていくのを見たんです」


スミレの言葉に、提出用書類をまとめていたシエラの手が止まった。


「…もしかして、スミレちゃんと同い年くらいだった?」


シエラの言葉に、たぶん、とこくんと頷くスミレ。


「同い年くらいなのに、もう森に入れるなんて、すごいなって思って。私もいつか、討伐依頼もこなせるようになれたらって思ってるから、少し羨ましくて」


「スミレちゃん、それ、見かけたのどのくらい前だった?」


「え?」


スミレの声を遮るように聞いてくるシエラに、少し驚いた顔をするスミレ。


「え、と。スズナ草を見つけて採取してる時だから…たぶん、1・2時間くらい前だったと」


「わかった、ありがとう!」


そういうと、シエラは席を立って、職員専用の更衣室へと走っていき、しまってあった作業着に急いで着替えた。


「あれ?シエラ、どうしたの?」


すれ違ったルーに聞かれて、外出するから、仕事、置いておいて、と伝えると、駆け足で2階へと続く階段を昇って行った。


「ギルドマスター、すみません。ちょっと緊急の要件なので、失礼します」


コンコン、とドアを叩くと、相手の返事を待たずに、ガチャッと扉を開け、シエラは中に入った。


「急に入られて困ることはないんだが、せめて返事くらいはまってくれよ」


ため息をつくジェルマに、シエラは緊急事態なので、とだけ答え、部屋にあるゲートに魔力を注ぐ。


「おいおい、どこ行くんだ?」


いきなりゲートを起動させるシエラに、ジェルマは思わず立ち上がる。


「…まだ、戻ってきていない子供の冒険者が5名いるんですが、森に入っていった、という情報を受けたんです」


シエラの言葉に、ジェルマは眉を顰める。


「とりあえず、一度森に行って確認をしてきます。申し訳ありませんが、ゲートを使用させていただきたいのですが、いいですか?」


ギルドから歩いて森まで行こうと思うと少なく見積もっても30分以上はかかってしまう。そうなると、日が完全に沈んでしまい、子供たちにも危険が及ぶ可能性が高くなってしまう。


「はぁ、お前、そういうのは起動させる前に言うもんだろうが。まぁいい。行ってこい」


ジェルマの言葉に、シエラは頭を下げた。


「行ってまいります」


シエラは白く光るゲートをくぐり、森に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ