表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/281

新人冒険者-6

「シエラねーちゃん!見てみて、すっげーたくさん狩れたぜ!」


日が傾いてきて、外が赤くなってきたころ。バタバタと子供たちがギルドの中に走って入ってきた。


「こら!ギルドの中じゃ走っちゃダメだって、いつも言ってるでしょう!」


シエラがしかると、ごめんごめん、とターナーが苦笑いした。


「それよりほら!見てくれよ。こんなに狩ってきたぜ!」


カウンターに討伐証明部位であるしっぽが詰められた麻袋をぼん、と置く。


「わぁ、すごいじゃない!ちょっと待ってね、数を数えるから」


そういって袋からしっぽを出すと、シエラはその数を数えていく。


「すごい、この短い時間で合計37匹も倒してるじゃない!」


「へへ、だろ?なぁなぁ、これ、今日の報酬はどうなるんだ?」


目をキラキラと輝かせる子供たちに、シエラは苦笑しながら、少し待ってね、と依頼書を取り出す。


「討伐依頼はラージマウスを5匹だったから、まずは達成報酬として銅貨30枚ね。それと、5匹以上討伐した場合は、追加報酬として、1匹あたり銅貨5枚だから、追加報酬分が銅貨160枚。合計で、銅貨190枚分だから、今日は銀貨1枚と銅貨90枚が報酬になります」


『やったぁー!!』


はじめて、依頼の報酬が銀貨1枚を超えた嬉しさに、子供たちは大はしゃぎする。


「5人で報酬はわけるよね?どうする、全部銅貨で渡したほうがいいかな?」


シエラが聞くと、ターナーは頷いた。


「うん!それでお願い!」


「わかった、それじゃちょっと用意してくるから、待っててね」


にっこりと笑うシエラに、ターナーたちは嬉しそうにうん、と頷いた。


「どうなることかと思ったけど、ちゃんと早めに戻ってきたし。何より、思ってたよりたくさん狩れたみたいだし。罠がうまくいったのかな?」


少年冒険者たちが無事に帰ってこれたことと、しっかりと依頼を達成できたことに、シエラは嬉しくなる。


「はい、それじゃこれ、数えてくれるかな?」


彼らの目の前に、銅貨を10枚ずつにした束を、19本置く。


「うん、大丈夫!ありがとう!」


ターナーが言うと、シエラは、受領書にサインをさせて、それを回収する。


「それじゃ、今日はお疲れ様。ゆっくり休んで、また、頑張って依頼を受けにきてね」


シエラが言うと、彼らは大きく頷き、はしゃぎながらギルドを出て行った。


「杞憂だったね」


ルーの言葉に、そうだね、とシエラは笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ