表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/281

テイムスキル

誰かがテイムしていたと思われるゴブリンだったが、このままにしておくわけにはいかないので、シエラはポチにお願いして穴を掘ってもらい、そこにゴブリンを放り込むと、持っていた火付けの魔道具で火をつけて燃やした。


「ただいまー」


周囲に飛び火しないよう注意していると、トーカス達も戻ってきたので、シエラはお帰り!と視線をそっちに移した。


「どうってことない相手だったが、数が異様に多くて面倒臭かったぜ。しっかし、あんな数いったいどこから湧いて出てきたんだ?」


トーカスはそう言ってシエラの隣にトコトコと近づくと、ほれ、と魔石を一つ落とした。


「これ…」


自分の持っていた魔石を取り出し、比べてみるとどちらも同じような色をしており、鑑定結果にもテイムが強制解除と出ていた。


「ゴブリンたち、認識票ってつけてた?トーカス達に渡してるようなやつ」


シエラが聞くと、トーカスは不思議そうな表情を浮かべて首を横に振った。


「んなもんつけてなかったぜ?というか…認識票ってあれだろ?従魔につけるやつだろ?ゴブリンなんてテイムするやついんのか?」


「まぁ…珍しいほうだとは思うけど、なくはないよ。ゴブリンってある程度テイムに慣れてる人なら失敗せずにテイムできることが多いし、人型だから、危険な場所での労働力として使ってる人もいるって聞くし」


とはいえ、従魔を増やすにはそれなりにスキルレベルが求められるため、結局、数人のゴブリンをテイムして労働力にするよりは、人を雇ったほうがいい、という結論になることが多い。実際、シエラも、そういう話を噂として聞いたことはあるが、実際に見たことはなかった。


「サクラとラピはどうだった?」


シエラが聞くと、二人ともふるふると首を横に振る。


「すみません、数が多かったので、石化で処理してしまったのですが…一体くらい、魔石を抜いてきたほうがよかったですね」


サクラの言葉に、シエラはとんでもない!と頭をぶんぶんと横に振った。


「石化対応で十分だよ!ちなみに、ラピはどうやって倒してきたの?」


シエラがドキドキしながら聞くと、「石化で」と短く答えが返ってきたので、シエラは天を仰ぎ、神は見捨てていなかった!と叫んだ。


「トーカスは!?」


シエラが期待に満ちた表情でトーカスに聞く。


「え?あぁ、とりあえず1体だけ魔石とるのに雷で焼いてやったけど、他は面倒だったから石化させといた。他を気にしなくていいときは石化が一番楽だからなー」


「神様ありがとう!」


「いや、そこはトーカス様だろ!?」


トーカスに突っ込まれて、シエラはごめんごめん、と苦笑する。


「まぁとにかく、処理に奔走しなくて済むことが分かっただけでも一安心だわ…」


最悪、このまま寝ずにゴブリンの死体処理に駆けまわらなくてはならなくなるかと思っていたので、心底ほっとした顔をする。


「とりあえず、ごはんの途中だったし、食べてて」


シエラがコーカスの横に追加で食べ物を出すと、トーカス達は一斉に野菜にかぶりついた。


「こっちももうそろそろいいかなー。ポチ、これ、堀った土で埋めてもらえる?」


「ワン!」


ポチがあっという間に穴を埋める。


「さすがポチ!えらいねー!」


ポチの頭をわしわしと撫でてやると、目を細めながら、嬉しそうにワン!と尻尾をぶんぶんと振りながら吠えた。


「さて、私たちもご飯を食べよう!」


ポチにご飯を出してあげ、その隣で自分の分の干し肉を取り出して、かじる。


「お、この干し肉あたり!」


塩気がいい塩梅でここ数日で一番美味しい、とシエラはちょっと泣きそうになる。


「それにしても、こんな真っ黒な魔石、見たことないなー。やっぱり、従魔から魔石を取り出したらこんな色になるのかなぁ?今まで見たことないからわかんないけど」


強制解除とは、魔物などが使役状態の時に死亡した際に出る表示だと、シエラはギルドで習っていた。だが、強制解除された従魔から取り出した魔石の状態が、通常と異なるのか否かについては、ギルドでは習わなかった。

そのため、普通の魔石と何ら変わりはないだろう、とシエラは思っていたのだが、強制解除となっている状態の魔石が手元に2つもあるとなると、色が変わってしまうのは、それが原因なのではないか、とシエラは思ったのだ。


「死んだ従魔の素材とか、売りに来るやついなかったのか?」


トーカスが不思議そうに聞いてきたので、シエラは苦笑しながらうん、と答えた。


「大抵の人は、従魔をそのまま埋葬することが多いからね。お葬式とかする人もいるんだよ?」


「え!?」


シエラの言葉に、トーカスは驚いたような顔をする。


「家族みたいに扱ってる人が多いからねー。特に、素材を売れるくらいの強い魔物や珍しい魔獣なんかをテイムしてる人はほとんどそうだし」


「葬式ねぇ…でも、みんながみんな、そうってわけじゃねーんだろ?雑な扱いというか…ひどい扱いするやつも中にはいるんじゃねーのか?」


トーカスが器用にマイスをバリバリ!っと一気に食べて聞く。シエラは苦笑しながら頷いた。


「まぁね、そういう人もいるにはいるんだけど…テイムスキルってね、ちょっと特殊スキルだってギルドでも言われてて。実は、スキルの成長方法がわからないスキルの1つなんだよね、これ」


「成長方法がわからない?どんどんいろんな魔物とかをテイムしていけばいいだけじゃねーのか?」


聞かれてシエラはこくんと頷いた。


「うん。テイムスキルってね、スキルの取得自体は割と簡単にできるんだけど、いくら頑張っていろんな魔物とか魔獣をテイムしてスキルレベルを上げようとしても、人によっては全然レベルが上がらないっていうことも多いらしいんだよね。で、スキルレベルが上がらないから、当然、強い魔獣や魔物をテイムできないし、テイムできる魔物なんかもよく見かける魔物を1・2体くらいっていう、ね。ただ、かと思えば、スキルを取得した後、スキルレベルが低かったはずなのに、珍しい魔獣と契約ができて、スキルレベルを確認してみたら上がってた、なんて話も聞くし…正直、高レベルの人はみんな、穏やかな優しい性格の人が多いから、性格に依存するスキルじゃないかって噂まであるくらいなんだよね」


「なんだそれ…まるでレベルが従魔に合わせて後付けで帳尻合わせに上がってくみたいじゃねーか」


トーカスが呟くと、シエラは苦笑しながらそうなんだよね、と頷いた。


「まぁだから、あんまり強制解除状態になった素材って持ち込まれることがないんだよね。実際、私も見たことないし」


そこそこ大きな都市の受付嬢となってそれなりに経っているが、今まで一度も、強制解除ステイタスの素材の持ち込みを受けたことがなく、モルトのギルド全体でも、そういった話は聞いたことがなかった。


「とはいえ、攻撃してくる魔物を全部鑑定してから対処するわけにもいかないし…とりあえず、認識票がもしも見えたら、絶対に、殺さないようにだけ注意してね?認識票を持っているのがわかってて攻撃したりするのは犯罪だし、その上で殺しちゃったりしたら重罪だから。やばそうなときは、とにかく逃げる!傷つけたりしてもまずいし…いい?」


「ん、わかった。…ん?それなら、シエラもテイムスキル取れば?」


トーカスの言葉に、シエラは干し肉を口に運んでいた手が止まる。


「テイムスキルが簡単に取れるなら、取っちまえば俺らとのテイム契約の説明ももっと楽になるんじゃーの?」


言われてシエラは、おぉ!とまるで目からうろこが落ちたかのような表情になる。


「ほんとだ!確かに!バタバタしててそんな暇も全然なかったから、そんなこと、考えたこともなかった!」


「なら、明日は調査と一緒に、テイムスキルの取得も目指してみたらいいんじゃねえか?」


トーカスの言葉に、シエラは頑張るぞ!と意気込んだ。

冒険者のみんな!こんにちわ!

元気に依頼をこなしているかな??


他の魔物たちが集まってきたり、疫病の原因になるから、ということで、討伐して解体した後の死体はすべて焼却or土に埋める、ということを口をすっぱ~くして、私たち受付嬢が教えてあげてたと思うんだけど、ちゃんと忘れずにやってるかな?


――忙しくてやる暇がなかった?

うんうん、忙しいとか、理由にならないからやれよ?


――魔物に追われててそれどころじゃなかった??

うんうん、魔物を処理するか、逃げ切った後でいいから、戻ってちゃんとやって来いよ?


――数が多すぎて対処できなかった?

数がどうのなんて理由にならないからね?処理終わらせて来なかったら依頼達成扱いにしてやらねぇぞこのヤロウ☆


というわけで、どんな理由があっても、解体後の放置はダメ、絶対!


放置したら、ギルド職員からのキッツ~いお説教と講習、そして報酬の減額が待っているぞ☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ