ゴブリン…?
久々の更新となりました。遅くなりすみません。
また、少々更新ペースが落ちてしまいます。申し訳ありません。
動かなくなったゴブリンのもとにポチと一緒に近づいてみる。木にぶつかった衝撃で頭部部分が潰れたようで、ピクリとも動かなくなっていた。念のため、ゴブリンが持っていたと思われる剣を手に取り、軽くつんつんとつついてみるが反応がなく、索敵にも引っかからないことを確認すると、シエラはホッと一息をつき、ゴブリンを解体し魔石を取り出した。
「…あれ?色が……」
魔石は本来、色の濃淡はあれど赤い色をしている。だが、取り出したゴブリンの魔石は、真っ黒な色をしており、ただこれだけを渡されたら、魔石だと見ただけで判断ができなかった可能性がある状態だった。
「…念のため、鑑定をっと……」
鑑定結果:ゴブリンの魔石(小)
含有魔素:なし
テイム:強制解除
魔石を鑑定結果に、テイム内容が出てきたことに、シエラは小さくため息をついた。
「ゴブリンたちがいなくなってたのは、誰かがテイムのスキルの練習でもしてたからってことかな。…ゴブリンなんて連れて歩きづらいのに、珍しい」
基本的に、テイム登録を行えば、どんな魔物でも連れて街に入ることができる、という規則になっている。だが、魔物によっては、他の人が怯えたり、パニックになる可能性がある、ということでテイムしていたとしても、街中に連れて歩けない魔物が存在する。その代表格がゴブリンだった。
「ていうか、強制解除での表示ってことは、誰かがテイムしてる状態の時に、殺しちゃったのが原因だから…あー、しまった。やっちゃったかー…」
ゴブリンのどこにも、認識票がついていなかったので、ほっと胸を撫で下ろす。
「もめるかも、だけど、とりあえず、こっちがテイムされてることに気づいてたわけじゃない、ってことはちゃんと言い張れる。うん」
もちろん、従魔を殺したりしてはいけない規則になってる。そして、その規則を破った場合、人を殺した場合と同じくらいの罪に問われる場合がある。
だが、従魔かどうかを見分けることなど、ほとんどの人ができないため、従魔であることがわかるよう、認識票を身に着けさせることが義務付けられており、これを怠っていた場合、もし従魔を殺されてしまったとしても、よほどのことがない限り(例えば、かなり珍しい従魔で、且つ、有名であり、明らかに認識票がなくても、○○さんの従魔である、というのを誰もが判断できる等)は事故として片づけられる。
今回の場合は、従魔として選択されることが滅多にないゴブリンである上に、認識票も着用させていなかった以上、シエラが罪に問われることはまずない。
「…でも、このゴブリンの主人はどこにいるんだろう」
シエラは探索スキルで周辺を確認する。だが、どこにも主人らしき反応は見当たらなかった。
「おっかしいなー…」
従魔である以上、主人となる人物は必ず存在するはず。なのに、その反応が確認できない、というのはどうにも状況として、おかしいと判断せざるをえなかった。
「…とりあえず、コーカス達が戻ってくるのに少し時間がかかりそうだし、先にジェルマさんに連絡を入れとこう」
さっきの索敵で、ゴブリンと思われる反応がかなり減っていたのがわかったので、ポチに周囲の警戒をお願いし、シエラは連絡用の通信魔石を取り出して、ジェルマを呼び出した。
『どうした、シエラ』
「あ、ジェルマさん。ちょっとご報告です。オークに遭遇したわけじゃないんですが、先ほどゴブリンの襲撃を受けました」
『一応聞くが、怪我は無いな?』
ジェルマの確認に、はい、と短く答える。
『だよな、よし。続けろ』
促されてシエラは話を続ける。
「現在、コーカスたちが殲滅にあたっているですが、ちょっと気になるゴブリンがいたんです」
『気になる?』
「はい。遭遇した時の様子がなんかおかしくて、こう、虚ろな感じだったというか…意識がちゃんとあるのかどうかが少し怪しいというか。ただ、それが急に襲い掛かってきて、ポチが倒してくれたのですが。解体して魔石を取り出してみたところ、その魔石の色が真っ黒だったんです」
『なに?』
ガタガタ、とジェルマの声の後ろで音がした。何かを落としたのか、ガシャン、と壊れるような音もした。
「大丈夫ですか…?」
『あぁ、悪い、大丈夫だ、続けてくれ』
「あ、はい。…それで、魔石を鑑定してみたところ、使役状態が強制解除と出てきました。おそらく、誰かがテイムしてたんだと思うんですが、辺りに主らしき人の反応はなくて…」
『…少し心当たりがある。その辺については、こっちで確認をとるから任せとけ。とりあえず、周辺のゴブリンを殲滅したら、引き続き、調査を頼む。確認が取れたらまた、こちらから連絡をする』
「わかりました、ってちょ、ジェルマさん!?」
シエラが答えるとほぼ同時くらいに、ジェルマが通信をぶちっと切ったことに気づき、シエラはもう一度ジェルマヘ連絡をしようと試みる。だが、反応がなく、ジェルマに通じることはなかった。
「ひ、ひどい…!まだ話はあったっていうのに…!!」
シエラがわなわなと通信機を見つめながら震えていると、くぅーん、とポチが足にすり寄ってきたので、シエラは深呼吸をして、ポチの頭を撫でながら気持ちを落ち着かせることにした。
「はぁ…ポチってば慰めてくれてるのかな?ありがとうねー」
シエラが話しかけると、ポチはワン!と嬉しそうに鳴く。
「ほんと、最後までちゃんと人の話聞けよってねー…。まぁ、状況が状況だし、わかるんだけどさー…」
「ワン!」
ポチが一吠えする。愚痴を止めてポチの視線の先を確認すると、事も無げな様子で戻ってきたコーカスの姿があった。
「あ、お帰り」
「食べ物をくれ!」
戻ってきて開口一番に食べ物を要求するコーカスに、特に問題はなかったようでよかった、と一安心しつつ、苦笑を浮かべながら、野菜をマジックバッグから取り出して渡した。
「すべて石化させて砕いておいたから、後始末は心配せんでもいい」
「さすがコーカス様!!」
シエラは思わずその場で、流れるように土下座した。
「結構な数の反応だったんで、下手したら寝れないかもと思ってたから助かります!」
魔物や魔獣の死体はそのままにしてしまうと、その臭いにつられて、別の魔物や魔獣が寄ってくることがあったり、その死体から疫病が発生したりすることがあるので、必ず燃やすか埋めるかして、処分までする必要がある。
そう、さっきジェルマに伝えられなかったこと。それは、大量にあるであろう、ゴブリンの死体の処理をするための応援人員手配のお願いであった。
ゴブリンの死体をそのまま放置するわけにもいかないので、もちろんその処分は必須。だが、コーカス達が向かった時に確認した反応だけでも、軽く30体以上はあったし、トーカス達がまだ戻ってきていないことを考えると、トータルそれ以上の数が出ていたということが容易に想像ができた。
だが、それらをすべて1人で処分していくとなると、かなりの手間と時間がかかってしまうのだが、コーカスのように石化させ、それをそのまま破壊してくれていれば、ただの石としてそのまま自然に帰るだけなので特に処分の必要がなくなるのだ。
「ゴブリンの処理を怠った冒険者どもが、シエラ含めた受付嬢らに説教されている姿を何度も見ていたからな」
コーカスはそう言ったあと、少し遠い目をし、軽く身震いした。
「うぅ…本当にありがとう……コーカスですらできることをほんと忘れるとか、あいつらやっぱりもうちょっときっちり教育しておくべきだったか…」
ブツブツと何かを呟くシエラの姿に、コーカスはそっと視線をそらし、気づいていないふりをしながら、食事を始めた。
いつもお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字につきましても、適宜修正いたします。ご報告いただきありがとうございます。
できるだけ、週1ペースでは更新をしようと思っていたのですが、少々体調を崩して寝込んでおりました。。。
復活して、いざ、と思ったら、今度はPCが起動しなくなり、現在修理に出していて、携帯から更新しようとしてたのですが、なんだかうまくいかず(投降したと思ってたのに、反映されてなくて、書いたのが消えてしまってた時にはちょっと軽く落ち込みました…)な状況のため、更新速度が劇遅になるかと思います。
PCが復活すれば、また更新速度が戻せるかと思うのですが、もうしばらくかかりそうですので、頑張って携帯から更新しようとは思うのですが、想像以上に使いこなせていないため、更新スピードが遅くなってしまうかと思います。
ごめんなさい(´・ω・`)




