表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/281

密談

「それにしても、彼女はいろいろと持ってるね」


くつくつと笑いながら話しかけるクロードに、ジェルマは舌打ちを睨みつけた。


「で?うちのあれを巻き込んだんだ。どう落とし前をつけるつもりなんだ?」


ジェルマの言葉に、クロードは小さく肩をすくめた。


「実はそのことで相談があって、今日は来たんだ」


ジェルマは小さな声で、やっぱりか、と呟いた。


「とりあえず、お前はどうするつもりなのかを教えろ」


言われてクロードは、少し困った顔をしながら答える。


「うーん、それなんだけどね…結論から言うと、()()()()()つもりだよ」


その答えに、ジェルマは眉を顰めた。


「正直なところ、彼女のことを、あまり外部に漏らしたくない、というのが本音かな」


言われてジェルマは表情を変えることなく、続けろ、と低い声で促した。


「あのギミックボックスについては、ミッシェルに何かしらの返事はしないといけないから、文を返す予定ではあるんだけどね?そこで抗議を…彼女が巻き込まれたことを書いてしまうと、なぜ巻き込まれたのかの説明を求められる可能性が出てくるだろう?そうなってくると、彼女のことを、ミッシェルが調べるかもしれない。下手をすれば、さっきのフェンリルのことまで、知られてしまうかもしれない。そんなことになったら…」


「下手すりゃ、シエラの身が危ないな」


ジェルマは頭をガシガシと掻きながら、クロードの言葉の後を続けると、彼は困った表情を浮かべながら頷いた。


元々、シエラはその能力が高いがゆえに、王都のギルドから異動要請が何度かあった。その度、本人にその意思はあるかを確認しているのだが、

「王都に憧れもなければ、今以上に忙しくなりそうな場所への異動なんて希望するはずがないじゃないですか」

と、本人も断わってきていたので異動の話について毎回断わっていた。


だが、ここ最近、コッカトリスという高ランクの魔獣を2匹もテイムし、さらに今回、その存在すら幻だと思われていた、フェンリルをテイムしているということになっている。


王都のギルドが欲しがるほどの能力を持ち、さらには珍しい魔獣を3体もテイムしている。この事実にミッシェルが気づいてしまったら、どんなことをしてくるかわかったものではなかった。


「だから、無難に、ギミックボックスは鑑定が得意な知人に見せて、転移陣を解除したうえで開かせてもらったよ、ありがとう、とだけ、返事を出そうと思ってる」


納得がいかない、という表情を浮かべるジェルマに、クロードはにっこりと笑って続けた。


「もちろん、今回の件については、ミッシェルに返事をするだけじゃなくて、ウィルク候にも合わせて手紙を出すつもりだよ」


そういったクロードの表情は、確かに笑顔なのだが、目が笑っていないように感じられたジェルマは、思わず顔をひくつかせた。


「今回の件に関しては、俺もさすがにやりすぎだと思うんだよね。結果として、彼女は無事に戻ってこれたわけだけれど、逆に言えば、彼女がトーカスと一緒に転移したのでなければ、生きて戻ってこられたかわからないってことでもある」


その言葉に、ジェルマは大きく頷いた。


「…まぁ、とりあえずお前がうまく対処して、こっちに被害が出ないようにさえしてくれれば、俺はそれでいい。あ、あと、もうちょっとギルドへの予算増やし」


「そういうわけだから、彼女のことは頼んだよ?あぁ、フェンリルのことに関しては、僕の胸の内にとどめておくから」


「あ、おい!」


クロードは話は終わったとばかりに、ジェルマの言葉を遮ると、いつもの笑顔を浮かべて、そのまま部屋を出て行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ