受付嬢のお仕事-4
カウンターに戻ってきてからは、冒険者登録希望者の新規登録作業や、ギルドへ依頼をしに来た人たちの依頼受付業務、素材の買取業者との交渉と書面の対応、対応完了業務の依頼主への報告対応と、隙を見て昼食をとり、また、業務をせっせとこなしていく。
少なくなってきたポーションや解毒剤などの在庫確認と発注作業、掲示板に長く残ってしまっている依頼がないかを確認しながら、周辺地域の地図の在庫確認にその他更新された情報の追記作業。
そして、そうこうしているうちに夕暮れに差し掛かり、当日完了が必要な依頼を受けた冒険者たちが、続々とギルドに戻ってくるので、その、対応を行う。
…受付嬢って、なんでこんなに仕事が多いの!
なんてことを思っているとはおくびにも出さず、シエラはニコニコと笑って業務をこなしていく。
そして18時。
リンゴーン、リンゴーン、と大きな協会の鐘が鳴る。
その音色とともに、受付嬢の残業タイムがスタートする。
「おい、ふざけんな!そんなはずないだろ!ちゃんと鑑定しろよ!」
今日も定時に上がれなかったぜ、と思わず血を吐きそうになるシエラ。まだ残っている今日報告予定のはずのパーティー2組の戻りを待っていると、少し離れた受付カウンターで、声を荒げている冒険者がいた。
あれは、オーリのとこじゃない。
声の方を見ると、複数の冒険者と思しき男たちが、オーリに詰め寄っているところだった。
何事かと、隣にいたルーに声をかけて聞いてみると、どうやら、持ち込み素材の買取の件で、オーリの結果に不満があるとかで揉めているとのことだった。
あの冒険者たち、あんまり見た覚えないなー。ここの所属冒険者じゃないってことかな?わざわざ幼いオーリを狙ったようにも見える。第一、オーリの鑑定スキルなら、ダンジョン産のものじゃなかったら、買取に関してはほぼ適正値を出せるはず。
なんとなく気になったので、すっとカウンターに休憩中の札を出して、オーリの所へと移動した。