表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/281

鑑定の結果

「なんでギルドの職員を呼ぶ必要があるんだ?シエラ」


エディが訳が分からない、という顔で聞いてくるので、シエラはそうですね、と前置きして説明を始めた。


「ギミックボックスは基本的に、魔力を特定の順番で、ボックスに仕込まれている回路に流し込んでいけば、解除ができる代物で、その手順は鑑定を行えば確認することが可能です」


ギミックボックス、と一言で言っても、小さな子供がちょっと魔力を込めてやるだけで簡単に開くものから、1度も間違えずに数百の手順をふまなければ開かないものまで、幅広く存在している。元々、このギミックボックス自体はダンジョンで発見されたのが始まりとされているのだが、その構造に目を付けた魔術師達が、貴族向けに知恵の輪に変わる新しい玩具として開発し始めたことによりその技術は爆発的に成長を遂げた。今では平民から貴族まで幅広い需要があり、男性が女性にプロポーズするときに、簡単なギミックボックスに指輪を入れて渡す、という使用方法まであるほどだった。


「解除方法でも難しかったのか?」


コーカスに聞かれて、シエラは首を横に振る。


「ううん、解除方法はそこまで難しくなかったよ。んー、今出回っているもので行けば中級くらいってとこかな?鑑定がなくても、何度か試せば開けることができると思う」


シエラが言うと、ならなぜ?とエディが再度聞いてきたので、シエラは頷き、話を続けた。


「鑑定スキルが高いと、解除手順を最後まで確認できれば、中身についても鑑定がかけられることがあるんです。稀に、隠蔽の魔法がかけられていて、確認ができないこともあるんですが、そういったものはほとんど罠の類であることが多いので、その場合は罠師のスキルを持っている人に、罠の解除も含めて手順を伝えて依頼をかけます」


「では、隠蔽の魔法がかけられていた、ということかな?」


クロードに聞かれて、シエラは再度首を横にふった。


「いえ、それならこのままこれを預かって、ギルドで解除すれば問題ないですから、わざわざ職員を呼んでもらう必要はありません。呼んでいただいた理由は、このギミックボックス、どうも箱を開けると何らかの魔法が発動するように設定されているみたいで…」


「なんだと?」


エディが眉を顰めて反応する。


「ただ、私も魔法の術式にそこまで詳しいわけではないので、はっきりとしたことはわからないんですが、おそらく、転移魔法の類ではないかと」


シエラの言葉に、エディがチッと小さく舌打ちした。


「あくまでも、たぶんそうではないか、という程度です。正直、自信はあまりありません」


シエラが言うと、でも、とハルが聞いてきた。


「転移魔法の類ってわかるってことは、何かそれなりの根拠があるってことでしょう?」


言われてシエラは、少し考えた後、はい、と頷いた。


「以前、冒険者の方で魔法を使える方に聞いたんですが、魔法は基本的に、術式を構築してそれを発動させるもので、その術式は人それぞれで構築内容が異なるけれども、根本の部分は変わらないものだと。例えば、魔法で光をともす場合は、構築内容に必ず『光』『灯す』という基礎術式が入り、それをどういう術式で展開するかは人それぞれになる、ということらしいんです」


シエラの言葉に、ふんふん、と皆静かに聞き入る。


「で、その術式に魔力を込めると初めて、その術式が魔法として発動するようになる、ということで、その基礎術式に当たるものを以前いくつか教えてもらったんですが、その時に教えてもらった『移動』に当たる基礎術式と思われる部分が、このギミックボックスに施されている術式に入っているのが見えたんです」


その言葉に、なるほど、とハルは答えた。


「だから、自信はないけれど、転移魔法の類である可能性がある、ってことか」


聞かれてシエラは、はい、と頷いた。


「こちらからどこかに転移させられるのか、それとも、ここにどこかから転移をさせてくるのか、もしかしたら、箱だけが移動するのかもしれませんが…送り主が例の方なのであれば、十中八九、領主様の転移を狙ってのことではないかと思うんです」


シエラの言葉に、あり得ますな、とスティーブが同意した。


「それにしても、そんなすごい箱がこの世に存在するんだな」


そういって、トーカスが机に置かれていたギミックボックスを足で掴んで転がす。


「あ、珍しい?」


シエラが聞くと、トーカスはこくりと頷いた。


「初めて見た」


物珍しそうにしているトーカスに、シエラはくすっと笑う。


「ちゃんとした手順で魔力を通さないと開かないものが多いから、鑑定がないと複雑なのは開けられないことの方が多いんだけどね」


「へぇ、そうなのか?」


トーカスがじっとギミックボックスを見つめて言う。


「うん。あ、でも、ものによっては魔力を通すと罠が発動することがあって、このギミックボックスもたぶん、それ…ってトーカス!ダメ!!!」


トーカスがコツ、と嘴でボックスを突いた瞬間。

クロードの部屋の中は真っ白な光に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ