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曼荼羅  作者: こんとん
13/22

特異点前の世界 - 特異点 -

§13. ポスト人口爆発:次の世界(ステージ)


 生命の脅威が遠ざかり、(マネー)の悩みがなくなり、寿命が伸びると、種の保存本能は減退し出生率は下がった。

 メシアンの目論見はここに果たされた…… ように見える。

 たしかに人々を豊かにすることで人口爆発問題を収束させた。


 世界人口は120億人をピークにして、その後減少に転じた。平均出生率は2.0を割り込み、平均余命は100歳を超えた。当然、人口ピラミッドは右肩上がりの(いびつ)なものに変容した。人口爆発の果ての世界は老人が多数の世界だった。


 とは言え、困ることは何もない。


 ザッパの恩恵により、年代に関わらず誰もが非労働人口であり、数十億人を支えるのはザッパ配下の機械労働。かつてのように少ない労働人口で大勢の老人を支える訳ではない。

 また、医療の発展により、70歳台は当たり前に社会的活動をする世代でもあった。何より、すでにこの時代は老人であったとしてもデジタル・ネイティブ世代であり、頭脳さえ健全であれば仮想現実(VR)経由で社会参加が十分に可能であった。むしろVRが未熟なころから使い倒してきた経験値は、年齢をアドバンテージに変えることすらあった。


 この時代の老人は代謝する無機脳(メシアン)量子ネット(Quantnet)(非局所性通信)、そしてザッパ(ZAPPA:非人格プログラマー・デーモン/Non Human Programer Daemon)の勃興期と共に生きてきた。当然、千使徒(K_apostle)たちもこの世代である。


 彼ら(彼女ら)は世界で唯一無二の特権 - 代謝する無機脳(メシアン)のアドミニストレータ権限 - を行使して自分たちの生きる“世界”を構築した。それを従来世界から見れば「自滅」としか言いようがなかったし、未来世界から振り返れば正に「進化」であった。このふた通りの見方は相反しているが、これが技術的特異点(シンギュラリティ)の有り様であった。


 技術的特異点(シンギュラリティ)に起きたことについて、それが「特異点」であるがゆえに、ヒトの視座で正しく語ることはできない。ゆえに、技術的特異点(シンギュラリティ)の前後の事柄については、特異点後の世代の視座から俯瞰する。

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