理之書『制裁』
『制裁』のナインテールについて
彼は―閲覧不可能―に関わった―閲覧不可能―の一人である。
彼は遠い昔、創生代の頃より存在する七人の―閲覧不可能―の中、彼は“制裁”の任を賜り、己が内に眠る獣と戦いながら、その力を行使した。
力を行使するたびに、己が内の獣は大きくなり、ついにはその身を喰われることとなる。
彼は今まで自身が行ってきたように、己に“制裁”を加えようと考えた。
しかし、彼が死ねば世界の均衡は保たれなくなり、―閲覧不可能―における第一段階、―閲覧不可能―が不可能となる。
そのため彼は他の―閲覧不可能―に頼み己を封印することにした。
己の四肢に特殊な杭を打ち込み、封印を施し、地下深くに自らを縛り付けた。その封印が解けるのは早くても第二段階に移行した辺りになる。
その時には―閲覧不可能―達がこのユートピアエンドレスオンラインの世界にいる。自身の後始末を他人に投げることはしたくなかったようだが計画上仕方ないことだと最後には納得した。
彼は待ち続けたのだ。己の長きに渡る戦いに終止符を打ってくれる存在を。
そして叶うことならば、最後に導き手の姿を一目見てからと…
これ以降の文字は全て掠れていたり、破れており見えなくなっている。